第6話:初依頼と収納バッグの購入!
ギルド登録を終えた俺は、さっそく依頼を探すために掲示板へ向かった。
掲示板には様々な依頼が貼られている。護衛依頼、採取依頼、魔物討伐依頼……。
「ふむふむ……」
◆巨人を一匹残らず駆逐してやる!
◆ゴブリンどもは皆殺しだ
◆7つの球を集めるのを邪魔する、尻尾が生えて赤い棒を持った少年の討伐
転生前に見てたアニメが頭に過った…
じっくりと依頼を見ていくが、Eランクの俺が受けられる依頼はどれも報酬が安いものばかりだった。
「やっぱり最初はこんなもんか……」
護衛系の依頼は一人では受けられないし、採取系の依頼もどこにあるのかわからない植物や鉱石を探すのは骨が折れそうだ。となると、やはり魔物討伐が一番手っ取り早い。
俺は掲示板の中から、Eランクでも受けられる魔物討伐の依頼を探す。
「……これだ!」
◆ 依頼内容:森に出没するホロツノウサギの討伐
◆ 報酬:討伐数に応じて報酬(1匹につき銅貨5枚)
◆ 制限:Eランク以上の冒険者
「報酬は微妙だけど、一人で受けられるし、やるしかないな」
俺は依頼用紙をカウンターに持っていき、受付嬢に提出する。
「こちらの依頼ですね。三好さん、お気をつけて行ってらっしゃいませ」
「はい、行ってきます!」
俺はギルドを出て、依頼にあるホロツノウサギを討伐するために森へ向かった。
森に入ると、鳥のさえずりと木々のざわめきが心地よい。俺は慎重に歩きながら、ホロツノウサギを探す。
「いた!」
茂みの向こうに、ホロツノウサギが草を食んでいる。ホロツノウサギは名前の通り、額に小さなツノを持つウサギ型の魔物で、素早いが攻撃力はそれほど高くない。
「よし……」
俺はゆっくりと近づき、手にした鉄の剣を構えた。
「はっ!」
剣を振るい、一撃で仕留めることに成功。
「やった! これで1匹目!」
俺は次々とホロツノウサギを討伐し、合計5匹を倒すことができた。
「さて、せっかくだから食べてみるか」
俺は討伐したホロツノウサギの肉をその場で焼いて食べることにした。しかし——
「……まずっ!!」
肉が固く、臭みが強い。噛みしめるたびに変な味が口の中に広がる。
「くそ、俺には料理スキルがないから、まともに調理できない……」
このままでは、せっかく狩った魔物を美味しく食べることができない。
そこで俺はあることを思いついた。
「そうだ! 魔物を持ち帰って、料理スキルのある人に頼めばいいんじゃないか?」
問題はどうやって持ち帰るかだ。
魔物をそのまま担いで町まで運ぶのは現実的じゃない。
「となると……魔法の収納バッグが必要だな」
俺は町に戻り、収納バッグを探すために商店街へ向かった。
収納バッグ屋に到着すると、店内には大小さまざまなバッグが並んでいた。
店主はヒゲを生やした中年の男で、俺の姿を見るとにこやかに話しかけてきた。
「おう、坊主。収納バッグを探してるのか?」
「はい。魔物の持ち運びに使いたいんです」
「なるほどな。どれくらいの大きさの魔物を運ぶんだ?」
「うーん……せめて熊サイズくらいまでは入るといいんですが」
「ほう、それならこれがオススメだ」
店主が取り出したのは、シンプルな黒い革製のバッグだった。
「これは中型の収納バッグだ。熊サイズまでなら余裕で入るぞ」
「おお、いいですね! いくらですか?」
「銀貨10枚だ」
「……た、高い……」
俺の手持ちの金ではギリギリ買えるが、これを買うとしばらくの生活費がなくなってしまう。
「でも、これがあれば魔物を持ち帰って、美味しく料理してもらえる……」
悩んだ末、俺は決断した。
「買います!」
こうして、俺は熊サイズの魔物まで収納できる魔法の収納バッグを手に入れた。
「よし、これで狩った魔物を持ち帰って、美味しく調理してもらえるぞ!」
こうして俺の冒険者生活はまた一歩進んだのだった。