第5話:ギルド登録と、目標Bランク!
俺は村を旅立ち、ようやく町へと辿り着いた。
町の門をくぐると、活気あふれる市場や露店が立ち並び、多くの人が行き交っている。村とは比べ物にならないほどの賑わいだ。
「すげぇ……」
食べ物の香りが漂い、どこかで鍛冶屋の金属を叩く音が聞こえる。まさに異世界の大都市といった感じだ。
「まずはギルドだな」
俺は人々の波をかき分けながら、事前に村長から教えてもらった場所へ向かった。
ギルドの建物は大きな木造の施設で、入り口の上には「冒険者ギルド」の看板が掲げられている。
中へ入ると、カウンターの奥で受付嬢が対応し、奥の方では武装した冒険者たちが談笑している。壁には依頼書がズラリと並び、モンスター討伐から護衛、採取などさまざまな仕事があるようだった。
「さて、登録しなきゃな」
俺はカウンターへ向かい、受付の女性に話しかける。
「すみません、ギルドに登録したいんですが」
「はい、ギルドの登録には初回登録料として銀貨5枚が必要になります」
「……え?」
銀貨5枚? そんなに必要なのか?
俺が持っているお金は、村で狩った魔物の素材を売った報酬と、村長からもらった旅費を合わせて銀貨2枚程度。明らかに足りない。
「あの……お金が足りない場合ってどうすれば?」
「申し訳ありませんが、登録料がないとギルドへの登録はできません。町でお仕事をされて、お金を貯めてから再度お越しください」
「そうですよね……」
やはり、世の中そんなに甘くない。
「よし、まずはアルバイトだな」
こうして俺のアルバイト生活が始まった。
まず最初に見つけた仕事は、宿屋の皿洗いだった。ひたすら皿を洗い、食材を運び、汗をかきながら働く。
「まさか異世界で皿洗いすることになるとは……」
他にも市場での荷物運びや、畑仕事を手伝ったりと、できる仕事は何でも引き受けた。
「異世界に来てまで労働……俺は働きたくないのに……」
そう思いながらも、1週間後には何とか銀貨5枚を貯めることができた。
「ようやくギルド登録できる!」
再びギルドを訪れ、カウンターへ向かう。
「ギルド登録、お願いします!」
受付嬢に銀貨5枚を渡すと、彼女は微笑んで書類を取り出した。
「それでは、登録手続きを行います。お名前をお願いします」
「三好食です」
「では、こちらの用紙に名前を書いてください」
俺は渡された用紙に名前を書き、簡単な説明を受けた。
「登録が完了しました。三好さんはEランクからのスタートとなります」
「Eランク?」
「はい。ギルドのランクはEからSまでの6段階に分かれています。依頼をこなし、実績を積めばランクが上がっていきます」
「最高はSランクか……」
「ちなみに、Bランク以上になると、毎月ギルドから定額の支給金が出ます。ただし、Bランク以上の冒険者には年に数回、ギルドの特別依頼を受ける義務があります」
「えっ!? Bランク以上は毎月お金がもらえるのか?」
「はい。ただし、特別依頼の内容は難易度が高いものが多くなります」
俺は少し考えた。
年に数回依頼をこなすだけで、あとはほとんど働かなくても生きていける……?
これって俺の理想の生活じゃないか!?
「決めた。俺の目標はBランクだ!」
こうして俺は、楽して生きるための冒険者生活をスタートさせることになった。