第4話:ゴブリンの群れ襲来と、新たな旅立ち
朝日が昇り、俺はいつも通り村の外で魔物狩りをしていた。だが、その日、異変が起こった。
「三好! 大変だ!」
慌ただしく駆け寄ってきたのは、村の狩人ガルスだった。息を切らしながら叫ぶ。
「ゴブリンの群れが村に向かってきてる!」
「えっ!?」
ゴブリンは単体なら弱いが、群れを成すと厄介だ。村人たちは鍛えられた戦士じゃないし、このままでは被害が出るかもしれない。
「どこまで来てる!?」
「南の森の端だ。ざっと十数匹はいる!」
「マジかよ……」
俺はすぐに村へ戻った。村長や他の狩人たちも集まり、対策を練っているところだった。
「数が多すぎる……正面からやり合えば被害が出る」
「じゃあどうする?」
「まずは村の周りにバリケードを築き、ゴブリンの進行を遅らせる。そして、狩人たちが迎撃する」
村長が的確に指示を出す。俺も槍を握りしめ、狩人たちと共に迎撃隊に加わることになった。
日が暮れる頃、ゴブリンの群れが姿を現した。
「グギャアア!」
十数匹のゴブリンが低い唸り声を上げながらこちらに向かってくる。そのうち数匹は棍棒や錆びたナイフを持っている。
「来るぞ! 気を抜くな!」
狩人たちが弓を構え、矢を放つ。数匹のゴブリンが倒れたが、まだまだ数は減らない。
「やるしかねぇ!」
俺は槍を構え、正面から突撃した。
「うおおおっ!」
ゴブリンの一匹が棍棒を振り上げるが、俺は素早くかわし、槍を突き出した。
「ぐぎゃっ!」
命中! ゴブリンが地面に倒れる。
「次だ!」
俺は立て続けに動き、もう一匹のゴブリンの腹を突いた。
狩人たちも応戦し、徐々にゴブリンの数を減らしていく。やがて最後の一匹が倒れ、戦いは終わった。
「終わった……」
俺たちは息を整え、無事に村を守れたことに安堵した。
戦いの後、村長が俺たちのもとにやってきた。
「皆、本当によく戦ってくれた。特に三好、お前の活躍は素晴らしかった」
「いや、村のみんなが協力してくれたおかげですよ」
すると村長は俺に一本の剣を差し出した。
「これまでの働きに対する感謝として、お前に譲ろう」
「えっ、本当に!?」
剣を手に取ると、ずっしりとした重みがある。これまで槍しか使ってこなかったが、剣があれば戦いの幅も広がる。
「ありがとうございます、村長!」
俺は剣を腰に差し、新たな力を手に入れた実感を噛みしめた。
その後、俺は考えた。
「もう村の周りの魔物じゃ、これ以上強くなれないかもしれない……」
俺は食べた魔物の力を吸収して強くなるが、低級魔物ばかりでは成長の限界がある。
「もっと強い魔物を狩らないと……」
俺が悩んでいると、村長がそっと話しかけてきた。
「三好、お前はこの村に留まるよりも、町へ出たほうがいいかもしれんな」
「町?」
「ああ。町にはギルドという組織がある。そこでは魔物討伐の依頼を受けることができる。報酬ももらえるし、より強い魔物と戦うこともできるだろう」
「なるほど……!」
強くなるために、そして食うために——ギルドに行くのは悪くない選択肢だ。
「よし、町へ行こう!」
こうして俺は、新たな目標を胸に旅立つことを決めた。
翌朝、村人たちに見送られながら、俺は町へ向けて歩き出した。
「よし、ギルドでどんどん魔物を狩って、もっと強くなってやる!」
新たな冒険の始まりだった。