表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

33/36

第31話 「奇跡の卵と脱ぎたがる審査員」

 モンスター料理大会の第一回戦を勝ち抜いたグレース。彼女のトリュフソースのカツ丼は審査員を感動させ、圧倒的な勝利を収めた。だが、まだ戦いは続く。

「第2回戦、グレース対クーガ!」

 大会会場に響き渡る司会者の声とともに、会場がざわつく。クーガはこの大会の常連であり、過去の大会では準優勝の経験もある実力者だった。

「課題料理は――卵焼き!」

 観客席からは驚きの声が上がる。

「卵焼きだと? なんだか普通すぎないか?」

「いや、シンプルな料理ほど奥が深いんだよ!」

 卵焼きは一見簡単な料理に思えるが、火加減、食感、風味など、さまざまな要素が絡み合う。特に、使う卵の質が料理の出来を左右すると言っても過言ではない。

「また食材探しか……」

 三好はため息をつきながらも、グレースの勝利のために最高の卵を手に入れることを決意する。


 最高の卵を求めて

 三好はカオルとともに、町の市場や食材屋を回っていた。しかし、どれも一般的な卵ばかりで、決め手に欠ける。

「もっと希少な卵が必要だな……」

 そう思っていたとき、情報屋から奇妙な話を聞いた。

「今晩、町の地下オークションで、ピッコーロの卵が出品されるらしいぜ」

「ピッコーロ?」

「緑色の魔物の一種だ。口から卵を産むんだ。その卵は栄養価が異常に高く、旨味も凝縮されているらしいぜ」

 その話を聞いた三好は即決した。

「よし、それを落札しに行くぞ」


 王都の地下オークション

 夜、三好とカオルは指定されたオークション会場へと向かった。

 そこは王都の地下に広がる秘密の取引場所で、闇商人たちが珍しい品々を売りさばいていた。

 オークションが進む中、ついに目当ての品が出品される。

「次の品は、ピッコーロの卵! 限定三つ!」

 会場がざわつく。やはり希少な品だけあって、すぐに入札が始まった。

「5000!」

「8000!」

「1万!」

 激しい競り合いが繰り広げられる中、三好は意を決して叫ぶ。

「1万5000!」

 会場が静まり返る。

「他に入札は――?」

 しばらくの沈黙の後、オークションの司会者が槌を振り下ろした。

「落札! ピッコーロの卵、1万5000!」

 見事、三好は希少な卵を手に入れた。


 第2回戦開始

 翌日、ついに第2回戦が始まった。

 グレースは緊張した面持ちで調理台に立つ。対戦相手のクーガは、すでに卵を割り、見事な手さばきで卵液を作り始めていた。

「さぁ、始めるか」

 三好が届けたピッコーロの卵を割ると、中からは通常の卵とは違う、輝くオレンジ色の濃厚な黄身が現れた。

「すごい……!」

 グレースは驚きながらも、それを慎重にかき混ぜ、独自の調味料と合わせて焼き上げる。

 そして完成した卵焼きは、ふんわりとした食感ながら、濃厚な旨味と甘みが絶妙に絡み合う逸品となった。

 審査員がそれを口に入れると――

「う、うまい!!!」

 一人の審査員がまたもや感動のあまり涙を流しながら、テーブルに突っ伏した。

「なんという……至高の卵焼き……!」

 観客席からも感嘆の声が漏れる。

「勝者、グレース・ルークス!」

 歓声が上がる中、グレースはほっと胸をなでおろした。


 またもや謎の黒フード

 試合が終わった後、三好は他の試合も見て回っていた。

 そこで目にしたのは、前回も見かけた黒いフードの料理人だった。

「またアイツか……」

 彼の試合はすでに終盤に差し掛かっていたが、審査員が彼の料理を食べた瞬間――

「う、うまいッ!!!」

 またもや審査員たちが次々と服を脱ぎ始める。

「いや、何で脱ぐんだよ……!」

 三好は思わず頭を抱えた。

「な、なんだこの現象は……?」

 黒フードの料理人は静かに勝利を収め、また姿を消していった。

 謎の料理人の正体は? そして彼の料理には一体何が仕込まれているのか?

 次の戦いに向け、三好は不安を感じ始めていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ