第25話「暴食の一撃」
モンキーデビルは、全身を焼かれながらもなお立ち上がろうとしていた。
「グギャアアア!!」
聖水の効果は絶大だったが、それでも完全には倒せない。
「まだ動けるのか……?」
三好が剣を構え、カオルとグレースも緊張した表情で構える。
だが、その時――
「みんな、下がって!!」
マリアの声が響いた。
彼女は両手で大きな桶を抱えており、中にはたっぷりと聖水が入っている。
「これをぶっかけるわよ!!」
グレースが瞬時に察し、影縛りの魔法を発動。
モンキーデビルの体が黒い影に絡め取られ、動きを止められた。
「今よ!」
マリアは容赦なく桶の中の聖水をモンキーデビルに浴びせた。
「グギャアアアア!!!」
モンキーデビルは悲鳴を上げ、皮膚がさらに焼け爛れていく。
「今だ!」
三好はその隙を逃さず、剣を振りかぶり――
ザシュッ!!
モンキーデビルの腕を斬り飛ばした。
「おい、グレース! 料理してくれ!」
斬り落とした腕を手に取り、三好はグレースに投げ渡す。
「……え?」
「いいから、さっさと調理しろ!」
グレースは一瞬戸惑ったが、すぐに焚火を作り、料理を始めた。
だが、その間にモンキーデビルが影縛りを破り、再び動き出した。
「クソッ、まだかよ!」
三好に襲いかかるモンキーデビル。
「三好、危ない!」
カオルが素早く前に出て盾を構え、ギリギリで攻撃を防ぐ。
「グレース、まだか!」
「できた!!」
グレースが完成した料理を三好に渡す。
三好はそれを一気に口へ運び――
「……っ!!」
暴食スキルが発動した。
体中に力がみなぎり、力が溢れ出す。
「いくぞ!!」
三好、カオル、グレースの三人が同時に突撃。
ズバッ!!
三好の一閃がモンキーデビルの首を切り落とす。
ドゴォン!!
カオルの「10トンクラッシュ」が胴体を粉砕した。
地面に転がったモンキーデビルの頭が、最後の言葉を呟く。
「……俺が倒されても……また新しい魔物が……送り込まれるだけだ……」
そう言い残し、完全に消滅した。
三好は息を整えながら、剣を納めた。
「これで終わり、か……?」
だが、モンキーデビルの言葉が気にかかる。
("新しい魔物が送り込まれる"……か。まだ何かあるかもしれないな。)
一行は緊張を解きつつも、次なる問題を考え始めるのだった。




