第21話「報酬と新たな挑戦」
翌朝、三好たちはギルドへ向かい、ゴーレム討伐の報酬を受け取ることになった。
ギルドの受付嬢が笑顔で報酬の袋を差し出す。
「ゴーレム討伐、お疲れ様でした! こちらが報酬になります」
三好が袋を開けると、中には予想以上の金額が入っていた。
「おお、意外と多いな……」
「ゴーレム討伐は大規模戦闘だったから、ギルドからの特別報酬も追加されているのよ」
グレースが説明しながら、山分けを提案した。
「三好、みんなで分けましょう」
「そうだな」
カオル、グレース、マリア、クルミ、そして三好で公平に分配する。
するとマリアがふと立ち上がった。
「私はそろそろ行くわ」
「え?」
三好が思わず聞き返すと、マリアは涼しい顔で続ける。
「いつもどおり、明日には帰るね。」
そう言って、彼女はギルドの出口へ向かった。
(……毎回思うけど、どこに行くんだろ)
マリアは報酬を受け取ってはどこかへ消える。
(あの金、何に使ってるんだ……?)
興味はあったが、考えても答えは出ないのでやめた。
グレースの新たな夢
ギルドからの帰り道、グレースがぽつりとつぶやいた。
「ねえ、三好……」
「ん?」
「この家の1階の店舗部分、私の飲食店にしてもいい?」
「飲食店?」
「うん。ずっと料理を作るのが好きだったし、せっかく広いスペースがあるんだから、有効活用したくて」
「……まあ、別に構わないぞ」
三好があっさり了承すると、グレースは満面の笑みを浮かべた。
「やった! それじゃあ、準備を始めないと!」
グレースはクルミを連れて、店の備品を買いに市場へ向かった。
カオルは「昨日の疲れが残ってる」と言い、1日家で休むらしい。
(さて、俺はどうするかな)
やることがなくなった三好は、ゴーレムを倒したときに見つけた、割れた赤い球を思い出した。
(イオリに見せに行くか)
イオリの鍛冶屋へ
三好は町の鍛冶屋へ向かった。
鍛冶屋のイオリは相変わらず無表情で、黙々と仕事をこなしていた。
「イオリ、ちょっと見てくれ」
三好は割れた赤い球を差し出した。
イオリはそれをじっと見つめると、無言でルーペを取り出し、観察を始める。
「……ふむ、これは魔力鉱石だな」
「魔力鉱石?」
「ああ。時間はかかるが、修復すれば何かに使えるかもしれない」
「マジか」
三好はすぐにイオリに修復を依頼した。
「時間はどれくらいかかる?」
「一週間」
「了解。じゃあ頼む」
イオリに球を預けると、三好はギルドへ向かった。
ビッグスネーク討伐
ギルドの掲示板には新たな依頼が貼られていた。
「ビッグスネーク討伐」
(ヘビか……これなら俺一人でもいけるだろ)
三好はそのまま依頼を受け、単独で討伐へ向かった。
森の奥に入ると、巨大なヘビが鎌首をもたげているのが見えた。
「でけえ……!」
戦闘が始まると、思った以上に手強かった。
三好は何度か攻撃を繰り返し、ついに致命傷を与えたが――
「うわっ!?」
一瞬の油断で、ビッグスネークに飲み込まれかけた。
(やべええええ!!)
全身がヘビの粘液でベトベトになる中、最後の一撃を放ち、なんとか討伐に成功。
(……くそ、最悪だ……)
全身がヌルヌルで気持ち悪い。
「早く風呂に入りたい……」
そう思いながら、三好は帰路についた。
三度目の混浴
家に帰ると、クルミが先に戻っていた。
「グレースは?」
「後で帰ってくるそうです」
(じゃあ、ビッグスネークを料理してもらうのは後か……)
「とりあえず、風呂に入るか……」
三好は体がベタベタだったので、風呂へ向かった。
しかし――
「失礼します」
「……え?」
振り返ると、クルミが一緒に風呂へ入ってきた。
(……またか)
三好はもう驚かなかった。
これで3度目だ。
「クルミ、お前……平気なのか?」
「はい、私はメイドですので、ご主人様の体を洗うのは当然です」
「……いや、さすがに前は自分で洗うから」
「そうですか?」
クルミは少し残念そうにしながら、背中を洗い始めた。
(……なんか、もう慣れてきたな)
三好は諦めながら、されるがままになっていた。
こうしてまた、彼の日常に一つ奇妙な出来事が増えたのだった――。




