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第20話「伝説のS級冒険者」

 マリアはカオルの体に手をかざし、静かに回復魔法を詠唱していた。

「ヒール・ブレス……」

 カオルの体が淡い光に包まれ、傷がみるみるうちに塞がっていく。

「……助かった。サンキュー、マリア」

「気にしないで。カオルが無茶するのはいつものことだから」

 マリアが軽く肩をすくめたとき、ギルド職員が駆け寄ってきた。

「皆さん、お疲れ様です!」

 ギルド職員は息を切らしながら、驚くべき情報を伝えた。

「先ほどゴーレム6体を一瞬で倒した男ですが……」

「ん? あいつのことか?」

 三好がゴーレムを撃ち抜いた謎の男のことを思い出す。

「彼はタウンハンターと呼ばれる伝説のS級冒険者です!」

「……タウンハンター?」

 三好はその名に聞き覚えがなかった。

 だが、周囲の冒険者たちはどよめいた。

「まじかよ、あの人が……!」

「そりゃ一瞬でゴーレムを倒せるわけだ……!」

 ギルド職員が説明を続ける。

「彼は滅多に姿を見せませんが、世界のどこかで困っている女性がいると、どこからともなく現れ、圧倒的な力で敵を撃破すると噂されています。彼の実力は、間違いなく国の英雄クラスです」

「そんな奴がなんでここに?」

「おそらく、偶然……ではないでしょうか。彼がいつもどこにいるのか、誰にもわかりませんので」

(……英雄クラスか)

 三好は改めて、あの男の強さを思い返す。

 確かに圧倒的だった。

 だが――

「……子作りしないか?」

 あの一言で全て台無しだった。



 ゴーレム討伐の終結、そして歓喜の声

 その後、冒険者たちは次々とゴーレムの赤い核を狙い、残ったゴーレムを全滅させた。

 ギルド職員がスピーカーを手に取り、討伐完了を宣言する。

「ゴーレム討伐完了! 町は安全です!!」

「おおおおおおおおお!!!」

 歓声が上がる。

 冒険者たちは勝利を祝って、ギルドへ戻り、大宴会を開いていた。

 酒が飛び交い、歌が響き、まるで祭りのような雰囲気になっていたが――

 三好たちは家に帰ることにした。

(もうクタクタだ……)

 戦闘の疲労がどっと押し寄せる。


 家に着くと、クルミが(おかえりなさいませ)と出迎えてくれる。

 まずはしっかりとした食事をとることにした。

 今日の晩ごはんはトロルのシチューとパン。

「おいしい!」

「トロルの肉って、意外と柔らかいんだな」

 食事を済ませると、カオルとグレースはそれぞれの部屋へ向かい、そのまま眠ってしまった。

「……疲れたな」

 三好も眠りたかったが、その前に風呂に入ることにした。


 入浴中の出来事

 三好は湯船につかり、じっくりと体の疲れを癒していた。

(あー……極楽……)

 戦いの疲れを湯の中でほぐしていると――

 ザバァァン

「?」

 三好が目を開けると、マリアが湯船に入ってきた。

「……は?」

 三好は一瞬、理解が追いつかなかった。

「お、おい!?」

「何?」

 マリアはまったく気にする様子もなく、静かにお湯につかる。

「いや……俺がいるんだけど……?」

「知ってるよ?」

「普通、気にするだろ!!」

「気にする必要ある?」

 マリアは平然としていた。

 三好が混乱している間に、マリアはゆっくりと髪を濡らし、石鹸を手に取った。

「はぁ……」

 彼女は、体を洗い始める。

(いやいや、普通に洗ってるけど、こっちは気まずいんだが!?)

 三好は顔を赤くしながら、視線をそらす。

(あーもう、風呂出よ)

 マリアが体を洗っている隙に、三好はそっと湯船から出た。

「じゃ、俺は出るからな」

「あ、うん。おやすみ」

 マリアは最後まで動じることなく、のんびりと風呂に浸かっていた。

(……こいつ、本当に女としての警戒心ゼロか?)

 三好はため息をつきながら部屋に戻り、ようやくベッドへ倒れ込んだ。

 こうして、長い一日が終わった――。

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