第13話「新たな仲間と新たな武器」
ギルドで報酬を受け取ると、三好たちは4人で山分けすることになった。
グレースは「私は料理の勉強のためについて行ってるだけだから」と遠慮するが、
三好は優しく微笑んで「いいから受け取れよ」と渡す。
マリアは目を輝かせながら、まるで "待て" をされた犬のようにじっと報酬を見つめていた。役に立っていないとは思ったが、仕方なく分け前を渡す。
その後、三好はカオルに「パーティーに入ってくれないか?」と頼む。
しかしカオルは「事情があって、しばらくの間だけなら」と条件付きで加入を承諾した。
三好は先の戦闘で剣が折れたため、新しい武器を探すことにした。
すると、グレースが「鍛冶師の友人が武器屋をやってるから紹介するよ」と申し出る。
マリアは「明日には帰る」と言い残してどこかへ出かけていった。
そうして三好とグレースは武器屋へ向かった。
武器屋に入ると、店の奥から女性の鍛冶師が現れた。
普通の体格で、柔らかい雰囲気を持つ女性だった。
「いらっしゃい。グレース、久しぶりね」
彼女の名はイオリ。落ち着いた優しい口調で話す。
グレースが三好を紹介すると、イオリは
「なるほど、剣が折れちゃったのね。ちょっと見せてくれる?」
と言い、折れた剣を手に取ってじっくりと観察した。
「うーん……さすがに修理は難しいわね。新しく作るか、店に展示してあるものを買った方がいいかも」
そう言われて三好が悩んでいると、
「そうだ、これを見てくれ」
と先ほど討伐した鋼鉄スライムの破片を取り出した。イオリはそれを見るなり、目を輝かせた。
「これは……鋼鉄スライムの破片!? なかなか珍しい素材ね。大量にあればすごい剣が作れるけど、この量でも店にある剣よりはいいものができるわ」
グレースの紹介ということもあり、イオリは特別に安く制作を引き受けてくれることになった。
三好はさっそく制作を依頼し、完成を待つことにした。




