22/26
互いに
そうしている間に時間は刻々と過ぎ、風呂を終えた絢が服を着替えて戻ってきた。
「あの服は血に染まってもう着られないわ。可燃ごみが増えちゃったじゃない、ホントにもう……」
Tシャツにハーフパンツ。ラフでカジュアル。
白洋は相変わらず立ったまま。
「あなたずっとそうしている気? 銅像みたいに」
白洋はまた沈黙で自分を覆った。
覆うしかなかった……。
「ふー、あなたと居ると疲れるわ……」
絢は白洋の視線を受けながらキッチンにまわるとポットでお湯を沸かしはじめた。
「あなた殺しが職業のようだけど、そんなので食べていけるの?」
目線をポットに注いだままいきなりとんでもない質問をする。
隙だらけにも程がある。
いや、むしろ逆か。
白洋はその問いに答えようとはしなかった。
「ホント、頑固というか何というか……、殺し屋ってみんなそんな感じなのかしら?」
またもとんでもないかつ攻撃的とも思える質問をズバズバと。
しかし白洋はまともに取り合わなかった。
絢は独り言か、ブツブツ何か呟きながらコーヒーパックをかけたマグカップに沸いたお湯を注ぎはじめた。
目線はマグカップに注がれている。
お湯はコーヒーパックを通り、大人びたブラックコーヒーへと姿を変えていった。
ご丁寧にスティックシュガーとミルクも添えられて。




