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「うーんわからなくなったな。」9番は、ため息をついた。「昨日の時点では5番が真に見えたんだよな。自分吊られたら縄が無駄になるから色が見たいって真感情だと思ったんだよ。だが、今日は8番が白く見える。今日は1吊るよ、まだわからないからとりあえずお茶を濁しておきたいからな。でも、なんかこのままだと結局明日2に入れる気がするんだよなー。結局霊媒は狂人だったわけだろ?2番も1黒出してるから。これ3番目線だとどうなるんだ?…仮に8番が狂人だとして、6が白でもおかしくないか。狂人が間違えて黒を打っちまったかもしれないから。で、そうなって来るとオレか4番に黒が居る可能性があるわけだな。まあ、4番は1に入れてるから3番目線じゃ黒く見えるだろうが、2番が霊媒入れるって言ってんのにグレーに入れるか?まあ、後3縄あるしな。今日は1。明日占い師の決め打ちだ。狂人が残ってるから明日が実質最終日になる。間違えられねぇな。まあ発言聞くわ。以上。」

『1番は発言してください。』

1番は言った。

「はい、2番さん偽です。私目線じゃ2番さん吊って欲しいです。9番さんしっかりしてください、3番さん真だったらまだ黒位置わからないんです。8番さんが狂人だったら今日私吊ったら明日5人でPPなります。狂人が確実に残ってるんですから。今日が占い師の決め打ちです。私は、2番に入れます。以上です。」

そうだ、まだ3番視点の黒が確定しない。

達也は、思った。

仮に8番が偽で狂人アピールのために黒を打ったとしたら、まだ人外は全部残っている。

3番視点のグレーは9、4。

4は昨日1に入れていて、そこに2番は黒を打って来た。

だが、9は切れるようなのに今日になってPP懸念がなくてミスしている。

となると、どうなるんだろう。

『2番は発言してください。』

「はい、1番黒でした、1番黒でした。今日は1番吊ってください。私目線では、1番を吊ればPPなどない。8番は狂人アピールするために黒を打って来たんだと思う。なので私目線、1、3黒、8狂人。もちろん1、8黒で3狂人もあるが、多分3番が黒だろう。村目線、1吊りが飲めないなら確実に3番を吊って欲しいと言っておく。占い師の決め打ちが早まるからこそ昨日私は霊媒に手を掛けるべきだと思っていた。まだ情報が少ないのに占い師の決め打ちをさせられることになるからね。私目線では確実に3番が人外だが、村目線じゃわからないだろう。今日は3番に入れる。以上。」

『3番は発言してください。』

「…はい1番白、1番白です。オレ目線では8番を信じたい気持ちではあるけど、まだ4番と9番を占ってないのでどっちかが人狼だったら詰みなんでここは2番を吊って欲しいと言うしかない。4番は…確かに昨日、1番に入れてるけど、その一票で霊媒ローラーに持っていけたのにわざわざ相方に背いてまでグレーに入れる必要があったかと思った。9番も6番に入れてるから、今日の発言はちょっとおかしかったけどそこまで黒くない。だが、どっちが黒いと言われたら、9番かなと今は思っている。もちろん、6番で落ちてたら良いんだけど、まだわからない。なので、今日は2番に入れてください。終わらなければ、今夜は9を占うと先に言っておきます。以上です。」

どっちがどっちかわからない。

達也は、さっきはこの村に入りたかったと思ったが、今は居なくてよかったと思っていた。

決め打ちは本当に苦手だった。

『4番は発言してください。』

「…わからない。9番があれだけ白かったのに、今日の決め打ちを忘れるか?…でも2番目線じゃ9もオレも白なんだよな。ダメだ、一気に9が黒く見えて2番が偽に見えて来る。とりあえず霊媒は狂人だろうしもうわからないからほっといて、占い師…もうちょっと考えます。5番が真っぽかったら3番に入れるかも。以上です。」

マジで悩んでる村人に見える。

達也は、うーんと唸った。

『5番は発言してください。』

「はい6番白、6番白。ほんと申し訳ない、6番さん。でも黒く見えたんだよ。そうだなあ、オレ目線じゃどっちが真かまだわからないんだが、発言からして2番の方が真には見えて来てるな。理由は…フィーリングかな。霊媒に入れてるけどオレ視点じゃ8は偽だから間違ってはいないし。狼だったら安易に黒を打ってめんどくさいことになるのを避けるんじゃないかなと思うんだ。その点から言うと、3番は相方に白を打って保護しようとしてパンダになった感じかなって。まあ…オレは、3番に入れる。以上。」

ん?

と達也は思った。

霊媒師目線、8は結果で占い師の真贋がハッキリしたから2番投票も分かる。

だが、5番視点、占い師はまだどちらが真かわからない状態で、ここでミスったら、明日はPPだ。

ということは、必ず人外である8吊りが5番目線では安牌なのだ。

何しろ、まだ5番視点でどっちに狼が出ているのか確定していないのだ。

対抗落としで確実に人外が1落ちるのを知っているはずだった。

…6番は狼か。

達也は思った。

『投票してください。』

2←3、8、9、1、4

3←2、5

『2番が追放されました。』

画面が切り替わる。

…終わったじゃないかよ。

達也は思った。

『ゲーム終了です。村人の勝利です。』

見ると、狼は2、6、占い師3、霊媒師8、狩人7で狂人は5だった。

2番の上にチャットが出る。

「そこは8吊り発言しないと」

そうそう、多分みんなそれで2番に入れてるよね。

達也は思って笑った。

「思ったw」

「おかしいよね」

「それで偽だと思った」

皆がチャットで返している。

5番の上にチャットが出る。

「すいません、ミスりました」

「6が黒だったから焦ってしまって」

「昨日は1が黒だと思ってた」

狂人はきついよなあ。

達也は、息をついて画面を閉じた。

やはり、初日から狼が吊られたら苦しい事になる。

次はもっとおもしろいゲームをしよう、と、達也がまた村を立てようとしていると、アプリからの誘いが来た。

『フレンド誘い合わせて、私が立てた18人村に入ってくれないか。話したい事があるんだ。パスワードはNN-5567』

クマからの連絡だった。

フレンド登録して相互にメッセージ可にしていると、こうしてこのアプリでは、個人的に短いやり取りができる。

達也は、急いで今さっき同村したばかりの者達に、同じ内容のメッセージを送った。

それだけ、お互いに顔は見た事がないが気心は知れた間柄なのだ。

次々に「了解」の文字が戻って来て、達也も急いでその、クマが立てたパスワードでロックが掛かった18人村へと入って行ったのだった。


18人にもなると、画面はパンパンだ。

個々人の画像は小さくなり、もう何がなんだかという感じだった。

ちなみにこのアプリでは、20人までの村を立てることが可能だった。

20人はまだやったことがないが、凄い有り様だった。

「えらいことになってるなー」

隣の画像が光る。

言ったのは、達也が呼んだ又沼だった。

「18人なんか初めてだよ。これほんとにやるの?」

さっきの村の、私は違うよという名前の女子が言う。

クマが答えた。

「いや、話がしたかっただけ。この人数でやったら二時間掛かるぞ。」と、皆が揃ったのを見た。「全員入ったか?実はみんなに聞きたくて。対面人狼は興味ないか?」

対面?

達也は答えた。

「対面はクロストークになるし勝手が違うよな。」

クマが答える。

「そうなんだが、私はプライベートで対面人狼のカフェとか出入りしててね。そこで新しい人狼の店を開く話を聞いて来た。リゾート地でホテルを作って、そこに遊びに来て人狼をするってことらしい。ま、金持ちの人狼カフェのお泊まりバージョンみたいな感じ。人狼三昧で一週間、食事付きで19万8千円。」

高っ。

達也は、心の中で思った。

らむらむが言った。

「え、私無理ー!学生だもん、バイト代全部突っ込んでも無理かも。」

達也も大学があるので無理そうだ。

「…金がないしなあ。時間もない。」

クマが言った。

「話は最後まで聞け。初回限定で今声掛けてて20人までは無料で招待してくれるんだ。オレと対面人狼で知り合った他の二人はもう、参加申込みした。この中で行きたい奴が居たら登録してやるぞ?ちなみに盆休みの間だから社会人でも学生でも大丈夫じゃないか?パンフレット見せてもらったけど、めっちゃデカイ島一つ丸々使ったホテルを貸し切れるんだ。プライベートビーチもプールもある。次からは行きたかったら19万8千円出さなきゃならないけどな。」

マジで。

達也は、黙り込む。

確かに夏休みなので盆の間は空いている。

就活もその間は何も入っていなかった。

「…返事はいつまで?」

達也が言うと、クマは答えた。

「先着順だから定員いっぱいになったら終わり。もし興味があったら私に連絡してくれ。名前は本名の下の名前だけで良い。すまないが、参加希望申込みは先着順で、ここに居る全員は無理かも知れないが、そこは了承してくれ。」

ラングレが言った。

「オレは行く!どうせ暇だし。」

クマは答えた。

「後で名前だけ送ってくれ。詳細は申込み受諾されたら送るよ。」

達也も、このままじゃ行きたくなっても定員オーバーかもしれない、と急いで言った。

「じゃあオレも。」

クマは答えた。

「ああナナシもか。会えるのが楽しみだな。」

達也は、確かにそうだと頷いた。

「すぐ名前送るよ。」

皆がワイワイと話しているのが聴こえる。

達也は、行くと決めたら来月が楽しみで仕方がなくなったのだった。

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