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達也が別の村でも入るかなと思っていると、間違って観戦可能な村に観戦者として入ってしまった。
ルール説明をしているところらしく、このまま行けば観戦できるが、自分はどちらかと言うとやりたい方だった。
出ようか、と思っていると、そこに知った名前を見つけた。
クマというハンドルネームのプレイヤーだった。
…クマさんが居る!
達也は、そう思ってその村のメンバーの名前を見た。
1 私は違うよ
2 クマ
3 滝本商店
4 伊集院
5 アクセル全開
6 長生きしたい
7 ラストウルフ
8 困惑陣営
9 Z
見ていると、知っている名前が多い。
…この村に入りたかったなー。
達也は思いながら、このまま観戦することにした。
皆が夜時間の間に、説明の時にチャットに綺麗に整理されたルールを見た。
たまに、ルームマスターとして参加している時も、こうして自分が言ったことをまとめてくれる人が居る。
聞き逃した時には、これがとても役に立つと皆が言っていた。
まあ、聞かない方が悪いんだが。
達也は、自分で村を立てる方が多い方なので、そう思った。
そこには、こう書いてあった。
初日ランダム白狼噛みナシ
一周目は口頭CO、二週目以降チャットCO有り
一周目時間延長ナシ二週目から有り
チャット欄の考察、雑談禁止
メタ考察メタ推理禁止
…オレが立てる村とやっぱり同じだな。
何しろ、ルームマスターがクマなのだ。
クマとは、本当によく同村したが、ランクはクマの方が上だった。
どうやら、歳も達也よりかなり上のようだったがよくは知らなかった。
『朝が来ました。』
システムが言う。
『6番は発言してください。』
6番の女声は言った。
「はい、COありません、村人陣営です。始めなので進行論かな。霊媒師は二人出たら吊りきります。でも占い師一人なら狩人を出してグレーを詰めていいかと思います。占い師二人、霊媒一人でもグレー詰めかと思っています。この位置なのであまり考察落とせないかもしれませんが、一周目しっかり聞いて、考えて行きたいと思っています。以上です。」
ありきたりな感じだ。
『7番は発言してください。』
7番は言った。
「そうですね、6番さんは進行論だけなので今のところ色がつけられないかな。でも、オレの進行論と同じなんで印象はいいかな。とはいえまだ盤面が固まっていないので狩人に言及するのは早かったかなとは思います。それぐらいです。また二週目考察伸ばします。」
『8番は発言してください。』
8番は言った。
「はい、8番です霊媒COです。霊媒師です。把握お願いします。前の二人は進行論ばかりで全く色は落ちてませんが、7番さんは狩人に言及するのはとか言いながら結局自分も言及してるので、ちょっと違うかなとは思いました。ここから先は盤面固まるまで、役職CO者以外は狩人のことに言及しない方が良いんじゃないかと思います。狩人が出るかどうかは、狩人さんに任せておこうかなとオレは思います。盤面次第ですけどね。以上です。」
『9番は発言してください。』
9番は言った。
「8番さん霊媒師CO把握しました。そうだな、まだ全くわからないけど6番さんから触れて行くと、6番さんはありきたりの進行論、まあ白でも黒でも言うかなってことだけなんで色落ちナシ。7番さんは、同じ進行論でも、何とか発言を伸ばそうとしているのが見えたのでちょっと印象良いです。8番さんはまだ対抗も出ていないし一確するかも知れないんで、また盤面固まってから考えます。オレも二人霊媒に出たら吊りきり派です。以上です。」
『1番は発言してください。』
次々に順が回って行く。
達也は、眉を寄せて考えていた。
…まだ怪しいところはないなあ。
そもそも、このメンバーで簡単に怪しくなるのはおかしかった。
みんな慣れているからだ。
「1番です。」可愛らしい女声だ。達也は思わず耳を澄ませた。「8番さん霊媒師把握しました。私はCOないです。ここまでで怪しい人は正直居なかったかな。9番さんが言うように6番さんは誰でも言うような普通のことを言ってるだけだし、7番さんはそこからでも頑張って色を付けようとしているように見えた。占い師が出てくれたらグレーも分かりやすいんで、盤面固まってからになるかな。でも、私の後ろに4人しか残ってないんだよね。一気に役職出て来るのかな?平和村だったらグレー詰めになるし、二周目しっかり吊り位置決めて行きたいと思います。以上です。」
5人終わって確かに霊媒一人とは静かな村だ。
『2番は発言してください。』
クマだ。
達也は、じっと画面を見つめた。
「はい、占いCO7白、占いCO7白です。この感じだと、前半位置には狼が居ても一人かなとは思うかな。霊媒も対抗が出ていないことから、8が狂人でない限りこれまで狂人も居なかったと考える。私で一確したら、狩人を出してグレー詰めしたいと思っている。二周目盤面固まってから考察する。以上。」
相変わらずだなあ。
達也は、思った。
普通に話しているだけなのだが、クマからはいつも圧を感じるのだ。
『3番は発言してください。』
「はい、占いCO5白です。5番さん白です、把握お願いします。」
対抗が出た。
3番もそこそこ同村するのだが、若い男声だった。
だが、本人曰くそこそこ歳は上らしい。
ただ、話し方は穏やかでそこまで圧は感じない人だった。
「今のところ対抗の2番さんは狂人なのか狼なのか分かりませんね。ここまで出なかったから、慌てて出て来た狂人のようにも見えるし、今のところ分かりません。後二人発言残ってますので、そこで霊媒対抗出るようなら2番さんは狼だと考えます。このまま霊媒一確するならグレー詰め、色落ちしてないのでまだ誰を吊るとは言えないんですが、二周目の発言次第です。今夜は恐らく7を占うので、もし7番さんが狩人だったら出て欲しい、ってことぐらいかな。以上です。」
どっちが真かな。
達也は、ワクワクしながら聞いていた。
『4番は発言してください。』
「4番です。COありません。もしかしたらグレー詰めかな。2番さん占い師7番白、3番さん占い師5番白把握しました。そうだなあ、グレーで怪しい所ってまだ分かりませんね。盤面固まってない時に発言してるんで考察伸びてないのは仕方ないんですよね。占い師はどちらも特に怪しいところはなかった。5番さんにCOなければこのままグレーの考察聞いて、吊り先考えて行きます。以上です。」
さっきの村と同じかな。
達也は、霊媒一確は弱いと思っていた。
狩人の護衛はまず霊媒師に入るし、もし狼が吊られたら次の日まず、詰むからだ。
『5番は発言してください。』
5番が、言った。
「はい、霊媒CO、霊媒COです。」
こちらもよく同村するのだが、かなり若い感じがする男声だった。
「オレが霊媒なんで、3番さん視点グレーが広くなるな。対抗は狂人と見ているので、もしオレを決め打ってくれるならグレー詰めでも良いかもと思いますね。まあ、多分無理だろうから、霊媒ローラーならとりあえず今夜の色だけは見せて欲しいと言っておきます。ここまで盤面確定しなかったんで、グレー考察が厳しい盤面ですけど、霊媒吊りきってる間に占い結果が落ちるし、そこで精査していって欲しいと思っています。以上です。」
2ー2盤面か。
達也は、だったら霊媒ローラーが正着だなあと思っていた。
決め打っても、間違っていたらまずいことになるからだ。
こればっかりは個々人のスキルで精査は付かないのだ。
『6番は発言してください。』
さあ二周目だ。
達也は、じっと6番の発言を待った。