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巽→達也○朱理○

圭太→庄治○達也○

翼→颯太○廉●

健斗→廉○颯太●

利喜は、それを見ながら書き始めた。

「仮に巽さんが狐だとするだろ、そしたら囲ってたら、同じく達也に白を出してる圭太も人外ってことになるんだよな。だから翼と健斗が真になるけど、この二人は対抗だとハッキリしてるからそれはない。」

皆が、ウンウンと頷く。

利喜は続けた。

「次に圭太が狐だったとするだろ。そしたら達也を囲ってたら巽さんも偽になるから同じ理由で違う、でも庄治を囲ってたら庄治は巽さんに占われてないからわからない。つまり、圭太の狐の可能性はその点ではある。」

庄治は顔をしかめた。

「ま、オレは狐じゃないけどな。」

利喜は、続けた。

「それはまあ置いといて。次に翼さんが狐の場合。颯太を囲ってたら…まあ、あり得るけどね。健斗が狼で黒を打たれた。健斗目線でも同じ。廉を囲ってたら相手が狼で黒を打たれた。そんなわけでもしも囲ってたとしたら、だけど、巽さん以外は狐の可能性は残るよね。」

かおるが、言った。

「でも…仮によ?巽さんが狐だったとして、初日から囲うとは思えないわ。だって囲いの話に絶対なるもの。相互占いの意見は当然出ると考えているはずよ。少々厳しい道でも、二日目までは我慢しそう。」

朱理が、え、とかおるを見た。

「私が狐ってこと?」

かおるは、肩を竦めた。

「あくまでも推測よ?初日から囲わないんじゃないかってだけ。そもそも巽さんは、昨日最後まで残った朱理ちゃんと哲也さんから選んだだけだったわ。狐だったら先に占い先を選ぼうとするでしょ。囲っていないと思うわ。」

朱理は、ホッとした顔をした。

「びっくりした。疑われてるのかと思ったわ。」

…村人で疑われて焦ったのか、人外だから焦ったのか。

達也は、同じ白先だがそんなことを考えながら朱理を観察していた。

圭太が、言った。

「これ、利喜のノート?」

利喜は、話題が変わったのに驚いた顔をしたが、頷いた。

「そう。昨日、眠れなくて思い出して書いたんだ。追放のこと考えるとな…とりあえず、勝てば帰れるんだと言い聞かせて、書いてる感じ。猫又に対抗が出て来るとは思ってたが、こんなに早く出て来るとは思ってなかったんだ。何しろ、これ、バレるじゃないか。出るにしてもギリギリになってから、黒を打たれて仕方なく出るんじゃないかって。でも、思ったより早く黒が出て颯太が対抗に出て来た。オレ目線じゃ、だから翼さんが偽だから颯太に黒を打った健斗はどこまでも真寄りに見てるが、でも、もしかしたら、今話したように狐と狼の争いかもしれないから。圭太と巽さん、両方真の道も追ってるよ。」

利喜が、眠れなかったと聞いて達也は同情した。

確かに怖くて、自分の場合は考えないようにしてさっさと寝ることを選んだが、利喜は立ち向かおうとこうしてびっしりとノートに書き留めていたのだ。

狼にそれができるだろうか。

狼の夜時間は夜11時からなのだから、そこから話し合って部屋に帰ってこんなことをしていたら、寝る時間など全くなかったのではないだろうか。

「…オレは、颯太に入れるよ。」達也が言うと、利喜は顔を上げた。達也は続けた。「絶対。利喜は猫又として出て来てなかった。でも影でこんなに頑張ってたんだし。かおるちゃんに色を見てもらう。かおるちゃん、真だよね?」

かおるは、驚いた顔をしたが、そこは確信を持った顔をして、頷いた。

「信じてくれるのね。私は真よ。真の一人。だから、絶対に色を見られるわ。きちんと部屋のメモに書いてるの。もし襲撃されても、結果だけは残して行けるように、死んでも離すかって、口に放り込んで寝た。そしたら、朝貼り付いてて剥がすの大変だった。廊下に出て来た時、だからまだ上顎に貼り付いたままだったの。今だから言うけど。」

そんなことをしていたんだ。

みんな、死ぬかもしれないと対策を練って頑張っていたのだ。

役職達は、村のために死んでも貢献しようとしているのだ。

朱理が、涙ぐんだ。

「ごめん、かおるちゃん。そこまでしてくれてたなんて。怖かったでしょう、昨日は霊媒噛みだとみんな思ってたもんね。狩人がかおるちゃんでグッジョブ出して無かったら良いんだけど…かおるちゃんを守って欲しいな。会議で言おうかな。」

哲也が、言った。

「気持ちは分かるけど、狩人だってかおるちゃんでグッジョブ出してたら困るだろうから言わない方が良いんじゃないか?とりあえず、かおるちゃんが真っぽいとは、オレもさりげなく発言するようにするよ。」

信じたい。

達也は、思った。

信じたいが、わからない。

こう言うことで真を勝ち取ろうとしている狂人かもしれないからだ。

何しろ、みんな命が懸かっていて、それは人外も同じだからだ。

たまたま引いた役職が、人外だった人達は、今どれ程つらいのだろう。

達也は、そう思うと結局は、悪いのはこんなゲームをさせている運営者なのだと分かっていたが、それでも命を握られているので、ここではただ黙っているよりなかった。


大した事は聞けなかった。

達也は、息をつきながら圭太と共に階段を上がっていた。

そもそも巽は昨日、狂人が霊媒に出ていて、且つそれは裕太ではないかと言っていたのだ。

なので、必然的にかおると拓也が真だと思っているということなので、かおるがメモを口に隠してまで襲撃に備えていた事実は、言ったところで今さら参考にはならないと思われた。

それとも、逆にそれが怪しいとか言うのだろうか。

達也が難しい顔をしてるので、圭太が言った。

「…オレ、邪魔か?」達也が振り返ると、圭太は続けた。「よく考えたら、オレ目線じゃ達也が間違いなく白だから、安心だって一緒に行動してるんだけど、巽さんの意見を聞いたらさ。仁さんだって、まさか巽さんにあんな風に言われると思ってなかったんだと思うんだ。達也が言えないだけかなとか思えて来て。」

達也は、首を振った。

「いや、別に全然。考えてもいなかった。だってさ、考えてもみろよ、巽さんは占い師だから纏わりつかれたらめんどくさいって感じなのかもしれないけど、オレは村人だしね。圭太がオレにくっついてて得をするかって言うとしないだろ。情報なんか全く出ないんだしさ。逆に圭太の方が、オレが白人外だったら誘導されるんじゃないかって思うんじゃないのか?」

圭太は、首を振った。

「これだけあちこちCOして来たら、さすがに狂人は出てるだろ。そもそも、背徳者だったら狐らしい所の側に居ないとさ、狐の指示が欲しいだろうし。達也はこうして一緒に行動してても鬱陶しがらないし、他の誰かと接触する様子が全くないんだよね。オレ目線、白が出てるし他の仲間と接触しようとしてないし、達也は限りなく白に見えるんだ。だって、こうしてみんな部屋へ引き籠ってるけど、そこで人外会議しててもおかしくないだろ?」

言われてみたらそうだ。

達也は、階段を上がり切った所で立ち止って、圭太を見た。

「そうだよ、確かにな。狼だったら夜に話し合ってるからって思ったけど、よく考えたら投票位置なんか、その日の話し合い次第でどうなるか分からないじゃないか。狼同士、吊られないために必死になるだろうし、票を合わせたいだろう。だったら日中ずっと一緒に居たら、どこへ入れたら良いのか分からないし、圭太は白いな?」

圭太は、それには困ったように言った。

「ええっと、でも昨日はさ、達也爆睡してたからオレその間一緒に居なかったし、今もこれから部屋に籠ったらその間に他と接してるかもしれないんじゃないのか?」

達也は、そういえばそうか、とうーんと唸った。

「…まあそうだけどさあ。だったら、どっちかの部屋で一緒に居るか?そしたらお互い、信用できるようになるんじゃ。」

圭太は、パッと明るい顔をした。

「マジで?鬱陶しいとか思わないのか?」

達也は、頷いた。

「別に。オレも好きに過ごすし圭太も好きに過ごしてくれたらいいよ。あれだけ広い部屋だから、どこに居ても全然気にならないだろうしさ。」

圭太は、歩き出した。

「良かったー!じゃあオレの部屋にする?こっちはオーシャンビューだぞ。昼間は海がめっちゃ見える。」

達也は、内心驚いた。

圭太の部屋と言う事は、もし人外だったらそこへ仲間がいつやって来るかも分からず、だったらまず、達也の部屋へ行きたいと言うだろうと思ったからだ。

「そうなんだ。海、見たいなって思ってたから嬉しいよ。」

圭太は、達也の思惑など知らずにさっさと自分の部屋の扉へと歩いて行って、扉を開いた。

達也は、圭太は信じよう、とその時思っていた。

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