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1(かおる)→18
2(圭太)→16
3(朱理)→18
4(利喜)→18
5(仁)→18
6(颯太)→18
7(達也)→16
8(庄治)→16
9(泰裕)→18
10(哲也)→16
11(翼)→18
12(拓也)→16
13(裕太)→18
14(巽)→16
15(健斗)→18
16(翔馬)→18
17(早紀)→18
18(美夢)→16
19(廉)→16
20(美加)→18
ホワイトボードの端には、昨日の夜部屋に入る前に、利喜が書いた昨日の投票先が書かれてあった。
廉が言うには、美夢に入れた中に狼が集中しているのではないか、とのことだ。
だが、この数だ。
かおる、朱理、利喜、仁、颯太、泰裕、翼、裕太、健斗、翔馬、早紀、美加。
この12人の中にとなると、多すぎて難しかった。
ホワイトボードの前にじっと立って達也が考え込んでいると、圭太がペットボトルのお茶を手にやって来て言った。
「はい、お茶。」と、達也の横に並んだ。「なんだ、昨日の投票か?」
達也は、頷いた。
「美夢ちゃんは白だったから、この中にって言っても多すぎるなって。廉の意見を考えててね。でも、言われてみたら確かに廉が挙げた狼位置の人は全員美夢ちゃんなんだよなあ。でも、健斗も利喜も入れてるしね。昨日の投票から洗うのは無理っぽい。」
そこへ、仁がやって来た。
「なんだ、昨日の投票か?」
仁の隣りには、巽が居た。
しかし巽は、足を止めることはなく通り過ぎて窓際の一人掛けソファへと真っ直ぐに向かう。
達也は、言った。
「投票から洗うのは無理そうだなって。」と、歩きながら、ソファへと座る巽を追い掛けた。「巽さん、猫又はどっちが怪しいと思いますか?」
巽は、自分の斜め前に座った達也をチラと見た。
仁と圭太もついて来て、思い思いの場所に座る。
巽は、答えた。
「どちらでも良いのだ。とりあえず、8人外の内4人外は確実に露出した。黒先は私の黒ではないからわからないが、役職騙りは一番分かりやすい露出だ。グレーにまだ4人、美夢さんが狐でなければではあるがね。今夜もグレーを潰して行こうと思っているよ。もう完全グレーは6人しか居ないだろう。全員に何らかの色がついて来るはずだ。そこからラインも透けて来るので、人外が早めに黒を打って盤面を動かしてくれたのは幸運だったな。」
達也は、え、という顔をした。
「え、人外?ってことは、巽さんは両方人外だと思ってるってこと?」
巽は、顔をしかめた。
「当然、どちらかは相方の可能性もあるが、どちらかは確実に人外だ。私目線ではね。」
そうだった。
達也は、失言だったと黙り込む。
仁が言う。
「だが、私達目線ではわからない。あの二人が対抗していることは分かる。だから、片方の相方が君か圭太で、どちらかが人外なのか、それとも両方人外で争っていて君達二人が真なのか、全くわからないんだ。」
巽は、言った。
「もう少し颯太に話をさせても良かったと思うがね。言い争いとはいえ、昨日ほど感情的にもなっていなかったし、充分議論になっていた。君は何故、あの時議論を止めたのだ?わからないなら、情報がもっと欲しいと思うものではないのかね。それに、昨日から君はずっと私について回っているが、考察を落とすわけでもなくただ私の意見を聞くだけだ。私より他の人達の意見を聞いて、情報を集めて来てくれないか。そうしたら、私も君との会話に意味を見出だせると思うのだがね。」
仁は、驚いた顔をした。
ショックを受けているようだった。
「…それは…ただ、君の方が考察が伸びるから。君は感情的な言い合いを嫌うだろう。だから昨日のような事がないようにと止めたのだ。後で君の考えを聞いて参考にしようと思っていた。」
巽は、息をついた。
「私は与えるばかりなのは性に合わないのだよ。何か情報が欲しい。私を真かもと思ってこうして考察を聞きたいと思うのならば、私に益になる情報を仕入れて来てくれないか。それから話そう。他の占い師の話も聞いて来た方がいい。」
ついて回ることを、暗に止めろと言っているように聴こえる。
仁は、ムッとした顔をしたが、立ち上がった。
「…わかった。あちこち話して、参考になりそうな情報があったら君に話そう。」
巽は、頷いた。
「頼む。」
仁は、そこを離れて行った。
達也は、険悪な雰囲気になってしまったと圭太と顔を見合わせたが、小声で巽に言った。
「…あの、敵は作らない方が良いんじゃないですか?仁さんは友達なんでしょう?」
巽は、首を振った。
「友達?いや、知り合い程度だ。人狼カフェでよく見る顔であっただけ。そもそもが、私が真なのかまだわからないと言いながら、ずっと私について考察を聞こうとするのはおかしいのではないか?まるで、監視しているように思うがね。何故か、と考えると自ずと答えは出て来るものだ。」
達也は、え、と目を丸くした。
「え、仁さんを疑ってるんですか?」
巽は、苦笑した。
「だから私から見たら占っていない所は全てグレーで色が見えていないのだと言うのに。一応全て怪しんではいるのだぞ?君も、私が偽かもしれないのに、私にばかり意見を求めるのはおかしい。仮に真だと思うのなら、今も言ったように情報を集めて来てくれないか。」
達也は、渋々頷いて立ち上がった。
「じゃあ、みんなと話して来ます。オレは巽さんを信じていますからね。でも、あまりに一人よがりな言動をしていたら、みんな警戒しますよ?だからちょっと考えて発言してくださいね。」
巽は、目を閉じてソファの背にもたれ掛かった。
「わかった。考えたい。一人にしてくれ。」
結局邪魔なんじゃないか。
部屋に帰れば済むのにと、少し気を悪くした達也だったが、圭太に頷き掛けて、その場を離れて行ったのだった。
と、言っても、どこへ行けば良いのだろう。
みんな部屋に引き揚げたのか、リビングの隅に巽が居るだけで、ガランとしていた。
圭太が、言った。
「…キッチンに居るかも?」圭太は、そちらの扉に足を向けた。「さっき、結構な人数がテーブルでコーヒー飲みながらなんか話してたんだよね。まだ居るかも。」
達也は、頷いてキッチンへと入って行った。
すると、そこには哲也、利喜、庄治、朱理、かおるが居て、こちらを振り返った。
「あ、達也、圭太。」哲也が言った。「まあこっちへ来いよ。」
達也は、頷いて空いた椅子へと座った。
目の前には、ノートがあって何やら占い結果やらが書いてあった。
「仁さんは来なかった?」
利喜は、首を振った。
「来てない。巽さんと一緒だったけど。」
圭太が、同じく椅子に座りながら言った。
「今は違うよ。巽さんは一人がいいみたいで。仁さんが巽さんの考察を聞いて来るばかりで自分の考察を落とすわけでもないから意味がないみたいなこと言って、追い払ってたよ。」
かおるが、顔をしかめた。
「ほんと?なんか巽さんってさ…真っぽいし頭が切れそうなんだけど、わからない怖さがあるんだよね。もし人外だったらイチコロじゃない?私達。手の平の上って感じ。思ってることの十分の一も言ってないような気がする。」
それは、圭太も達也も思っていたことだった。
達也としたら、信じたいと思うし、昨夜は自分が襲撃されるかもと言っていたのだから、襲撃されたら死ぬということだ。
その懸念があるのだから真だろうとは思うが、それすらも作戦だったとしたら?
現に、巽は今日、無事だったのだ。
昨日の状況では、狼はまず霊媒を狙っただろうし、護衛成功も絶対にそこで出ているはずなのだ。
村の雰囲気は霊媒噛みだろう、と思っている感じだったし、狩人はそこしか守る意味がないからだ。
哲也が言った。
「素直に考えたら良いと思うけどな。オレは信じてるよ。もちろん明日になったらまたわからないけどね。あの人なら明日ぐらい呪殺を出すか狼を見つけるんじゃないか?あれだけ考察が伸びるのに、明日も白だったらちょっと疑うかなって感じ。」
朱理が、言った。
「少なくとも、巽さんは私を囲っていないから、今の所は真だと私は思ってるわ。呪殺はでも、難しくない?仮に狐が占い師に出てたら、囲ってるってことなんでしょう。だったらグレーに狐は一人なんじゃないの?それを当てられる?そもそも他の占い師は、完全グレーじゃなくて他の占い師の白先を占ってるから、わからないよね。ええっと、どうなるのかな?」
利喜が、ノートに目を落とした。
「考えてみよう。」
達也も、そのノートに視線を落とした。




