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仁が、言った。

「…ま、とにかくこれで一応全員の意見が出たけど、オレも含めたグレーがまだ、全然情報がない中で話してるから、もう一度話したいと思うかな。みんなも二周目とか言ってたし、聞きたいんだろう?今日はグレー吊りだって意見が多いようだし。」

それには、達也が頷いた。

「その通りだよね。グレー吊りならグレーがたくさん話さないと。特に美夢ちゃんと翔馬辺りは話したいだろう。結構叩かれてたから。」

翔馬が、頷いた。

「話したいよ。ここまで聞いて、オレなりに怪しい所が出て来たからね。あの時はオレ、まだ後半三人のグレーの発言聞いてなかったじゃないか。オレは絶対、早紀ちゃんが怪しいと思う!オレの位置で怪しい所が無かったって確かに言ったよ?だから白い所を言ったわけで。でも、それを結局どこが黒い?とか言ってオレが黒いと言って、鬼の首でも取ったみたいに発言してたけどさ、自分は結局オレしか黒いと言えなかったわけだろ?つまり、オレと一緒なの。オレより前は黒くなかったんでしょ?自分が人外で他に黒塗りできなかったから、オレを黒塗りしたんだろうけど、それ自分に返って来てるからって言いたいよ。それに同調してる他二人だって怪しいもんだと思うけどね。だから仁さんの、後半に人外が集まってるのかなって発言は今になって白く感じた。それが言いたかったんだ。邪魔できないから黙ってたけど。」

早紀が、横から言った。

「え、私はこじつけてるんじゃないわ!そもそも、私はちゃんと翔馬さん以外も精査してたつもりよ!仁さんはちょっと怪しいって思ったって言ったわ。あなたが庇ったように見えたからよ。今だってまた仁さんが白いとか言ったじゃないの。」

翔馬は反論した。

「だから、オレが怪しいってのが軸になってるのがおかしいって言ってるの。オレが怪しい理由が怪しい位置を言わなかったからなんだろ?でも、そこまで黒く感じた位置があの時点で無かったって言ってるじゃないか。君は結局、オレが怪しいから仁さんも怪しいってこじつけてて、結局オレが白いって言ってる人達を白いと思ってるんだろうって言ってるの!そこがオレと同じ意見だろうがってこと!」

ややこしいが、翔馬の言いたいことは分かる。

結局、同じ意見だけど、それを利用して翔馬が怪しいと黒塗りして来ていると、翔馬は言ってるのだ。

それなら自分の事も黒いと言ってるようなものだと。

美加が、見かねて割り込んだ。

「落ち着きなさいって。人狼ゲームは感情的になっても仕方がないのよ。でも、確かにね。私は、あの時は直前の意見を聞いて怪しいと思ったからああ言ったけど、今は全員の意見を聞いて、翔馬さんをそこまで黒いとは思ってない。っていうのも、結局一周目の意見なんてあってないようなものじゃない?全員の意見を聞いてからの意見の方が強いわ。だから今は、フラットに戻して聞いてみようと思ってる。今の翔馬さんの意見は、もっともだと思った。ただ、曖昧にしたのは確かに怪しく見えたのは事実よ。でも、早紀ちゃんが今も翔馬さんって言うのはちょっとおかしいかなと思ったかな…。美夢ちゃんの方が、怪しいかもしれないと私は思ったわ。だって、便乗ばかりだしもっと意見が伸びてない。今も、割り込もうとしてないし。様子を見て上手く立ち回ろうとしてるのかなって感じるの。」

美夢が、反論した。

「それこそ美加ちゃんはおかしいわ。あなたは私の後の発言なんだから、そう思うならその時言えたはずなのに。今そんなことを言い出すのがおかしいと思う。翔馬さんと一緒になって早紀ちゃんを落とそうとしているように見える!翔馬さんと美加ちゃんが仲間なんじゃないの?」

美加は、ムッとした顔をした。

「だったらどうしてあなた達二人が翔馬さんを疑ってるのに、その上から被せて怪しいとか言うのよ。あの時は本当に敵を作らないようにしてるのかなって思ったの!でも、みんなの意見を聞いてると、美夢ちゃんは翔馬さん以上に発言内容が薄かったわ。吊り位置だって早紀ちゃんの便乗だし。私は早紀ちゃんを怪しいと言ってるわけじゃないわよ?美夢ちゃんが怪しいって言ってるの。なのにどうして早紀ちゃんを落とそうとしてるって意見になるの?やっぱりあなた達、人外?ってことは、狐だったら囲われてそうだし、グレーに二人居るし狼ってこと?」

早紀が、言った。

「違うわ!私と美夢ちゃんにラインなんてないわよ!」

美加は、早紀を睨んだ。

「だったらあなた、美夢ちゃんに入れられる?入れられないんじゃない?むきになってるところが、すごく怪しいわ。」

早紀は、答えた。

「入れられるわよ。グレーだもの、巽さんが言ったように、私は自分が白だと知ってるから自分以外のグレーならどこでもいいのよ。明日また占い結果が出るだろうし、発言も変わって来るからそこでまた精査したらいいんだもの。私から見たら美夢ちゃんだって美加ちゃんだって同じよ。」

美加は、ぐ、と黙る。

朱理が、慌てて割り込んだ。

「もう、感情的にならないでってば。気持ちは分かるけど、対面人狼ってこんなものよね。そんな様子だったら、あなた達の中から吊り位置決めるって事になるわよ?心象最悪だもの。泥仕合になってるようにしか見えないのよ。」と、ため息をついた。「…でも、まあ私も考察落とします。仁さんはまだ二周目聞いてないけど、全員を聞いてからもう一度考えてみると、他と比べてあの把握漏れはそこまで黒くないと思った。翔馬さんの言う事はもっともで、黒位置を上げないのが黒いと言っておいて自分も同じ範囲の中では黒位置上げてないってのがまあ、無理やり擦り付けたようにも見えたかなあ。哲也さんは誰も気付いてないかもしれない霊媒師の騙りの穴を教えてくれたし、白いと思った。なんかさあ、早紀ちゃんも美加ちゃんも、一周目の意見で仁さんを庇ってるように見えるからどうのって言ってたんだけど、一番最初に怪しんでないって言ったのは利喜さんだからね?翔馬さんだけそれで怪しむのは間違ってるし、そもそも仁さんの把握漏れは、今の言い争いに比べたらそうでもない事のように見えてて、もうこじつけレベルだと思うわ。そんなわけで、私は吊り位置としては、後半三人、早紀ちゃん、美夢ちゃん、美加ちゃんから選ぶって言っておく。翔馬さんは一旦保留。」

利喜が、言った。

「まあ、オレも確かに最初の発言で仁さんと白出てる達也が同じ把握漏れしてるから、村人でもやるかなって思って仁さんは黒く見えないって言ったから、庇ったと言われたら庇ったかもね。そうだなあ、初日だから、目立たないようにしてる所の方が怪しいと思ってるんだよね。あんなに目立って言い合ってる翔馬と早紀ちゃん、美加ちゃん、美夢ちゃんの中に居たら、吊ってくれって言ってるようなものだろ?だから、ちょっと悩むかなあ。確かに、怪しくは見える。必死に吊り回避しようとしている人外にも見えるからね。でも、そもそもが言い合いは避けるんじゃないかって思うから、もっと冷静に対処するように思うんだよね。だからオレは、逆にこの中には人外は居ても一人ぐらいで、もっと黙ってる所に居るんじゃないかって思うんだ。達也とか白先だけど、結構割り込んで話すだろ?仁さんも。こういう所は今日は怪しもうと思わないかな。アプリじゃないんだから、どんどん割り込んで話して良いと思うんだよね。黙ってる方が怪しい。ボロ出したくないと感じる。だからオレは、静かにしてる人達の方を怪しむと言っておくよ。だからって、誰だってまだ言えないんだけど…ほんとは美夢ちゃんと言いたかったんだけど、今言い合ってたからなあ。となると、泰裕かな?哲也に比べてそう白い発言でも無かったし、グレーの中では静かだから。」

すると名指しにされた、泰裕が言った。

「え、オレ?それを言うなら利喜だって黙ってたじゃないか。そっくりそのまま返すぞ。それだったら早紀ちゃんが怪しまれてる理由と同じじゃないか。自分に返って来てるっての。」

利喜は肩をすくめた。

「かもな。でも、これはオレ視点だから。自分の頭の中じゃうるさいほど考えてるわけだよ。グレーの中だって言うなら、泰裕が静かだったのは確かだろ?なんか意見があるなら今言えばいいじゃないか。」

泰裕は、言った。

「オレはみんなの邪魔をしてはと思ったから言わなかっただけだ。頭の中でめっちゃ考えてたのはお前と同じだよ。でも、意見はちょっと違う。確かに人外は目立ちたくないだろうけど、美夢ちゃんは巻き込まれた感じがしてる。あまり話したくないけど、攻撃されたから返さなきゃならなくなった感じ。だからあの中にやっぱり人外は居ると思ってる。その中でも、一周目めっちゃ発言が薄かったのに翔馬一択で吊り位置指定してた美夢ちゃんは俄然怪しい。オレは美夢ちゃん投票かな。」

仁が、頷いた。

「それにはオレも同意だな。何しろ一周目聞いて、位置的にもっと発言伸びるはずの美夢ちゃんの、あの発言内容は薄過ぎる。確かに人外は目立ちたくないだろうが、やり玉に挙げられたら感情的にもなるだろうと思うから、やっぱり後半の人はどうしても怪しく見える。翔馬も含めてな。村人でもそれは吊られたくないだろうが、我を忘れて言い合うのはちょっとおかしいと感じたよ。初日は村人だったら整理位置になっても仕方ないかとそこまで感情的にはならないと思うんだ。反論はするだろうけどね。今の泰裕だって、利喜に攻撃されてもそこまで感情的にはなってないだろう?」

言われてみたらそうだ。

達也は、思った。

あそこまで感情的になるのは人外だから、と言われたらそう見えるからだ。

仮に自分だったら、確かに吊られたくはないが白だし、明日色を見てもらうかぐらいに思うだろう。

一応抵抗はするが、必死になるほどの盤面ではないのだ。

哲也が、言った。

「…オレもさ、やっぱり利喜はああ言うけど寡黙って言っても泰裕はそこまでじゃないし、まずは後半の翔馬、早紀ちゃん、美夢ちゃん、美加ちゃんから選ぶのが良いんじゃないかなと思う。残しておいても結局疑いそうだしな。占い師が全部を占うのは不可能なんだし、ここはこの中から一人落として残りは占い指定に入れるとか考えたらどうかな?最悪村同士の可能性もあるけど、一人ぐらい人外が混じってそうだ。」

廉が、ため息をついた。

「だったら、とりあえずそれで一旦決める?」と、時計を見た。「もう二時間以上話してるよ。僕、休憩したい。」

言われて時計を見ると、確かにもう結構な時間が経っていた。

仁が、慌てて頷いた。

「本当だな。じゃ、ここで休憩しよう。次は…昼飯食って13時にここで。後半四人は反論と他に吊り位置があったら意見を聞くから考えておいてくれ。じゃ、解散。」

皆が、大きなため息をつく。

達也も、疲れたなあと立ち上がったのだった。


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