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仁が、ホワイトボードに書き始めた。

「かおるちゃん、拓也、裕太だな。この中に1人外か。となると、占い師に二人、霊媒師に一人、グレーに五人人外が居るわけだから、今日はグレー吊りかな。」

グレーは広い。

何しろ20人の中に4人の占い師、その白先4人、そして霊媒師3人の計11人を覗いた9人の中の5人になるからだ。

とはいえ、ほぼ二分の一の確率になるので、良いかも知れなかった。

達也は、言った。

「…じゃあ、三分の一の霊媒師よりほぼ二分の一のグレー行く?」

だが、巽が首を振った。

「まだ決めるのは早い。グレーに残りの人外が全て残っているとは思えない。というのも、囲いが発生している可能性があるからだ。仮に占い師の人外二人が二人とも囲っていたなら、グレーには人外は3人しか残って居ないことになる。仮に一人は囲っていなかったとしても、霊媒師と確率的にはあまり変わらなくなるのだ。ここは皆の意見を聞いて、どうするのかは村の総意で決めた方が良い。その上で各占い師がどこを黒く思うのか聞きたいのだ。私の相方を探すのに役立つと思うのでね。ここはまずグレーから一人ずつ、話を聞いて行きたいものだ。その後に白先、霊媒師と聞いて最後に占い師にどこを吊りたいか、どこを占いたいか聞きたいのだ。私目線では、そうすることで敵味方を区別して行ける気がするのでね。」

仮に巽が人外であっても村に利のある意見な気がする。

達也は、言った。

「じゃあ、グレーからかな?」と、朱理を見た。「グレーで一番番号が若いのは朱理ちゃんだよね。朱理ちゃんから行く?」

朱理は、顔をしかめたが、口を開いた。

「私から?まだ全然何も見えていないんだけど、積極的に話している達也さんは白く見えてるなあ。巽さんの白先だし、巽さん本人がとても人外を追い詰めていく意見を出してる気がするので、占い師の中では巽さんを真の一人かなと今、思っていたところ。仁さんも話していたけど、囲いを追っていないような発言があったし、仁さんがそれを見落とすのかって思うからちょっと怪しく感じたかな。今は以上です。」

アプリと似たような感じなので、次は4番の利喜が慣れたように口を開いた。

「そうなんだよね。朱理ちゃんが言うように、巽さんが真っぽく見えてる。今のところ。その白先だから達也は白だろうし、仁さんは囲いを追わないのが黒くは見えるけど、達也も見逃してたから村人でもやるかなぐらいに思っててそこまで黒くは思ってない。朱理ちゃんは同じことを考えてたから白く思う。まだ他の意見を聞いてないからこれぐらいしか言えない。また考えて考察落とす。以上だよ。」

5番の仁が口を開いた。

「前の二人に疑われたけど、確かに囲いを追わなかったのはまずかった。オレは別に、深く考えてたわけじゃなくて村の議論を進めようと思ってとにかく喋ったらああなった。確かに巽さんが言うように、霊媒師とグレーだとどっちもどっちかな。これだけ役職が出てると、グレーに残っていたらかなりの確率で吊られるから、囲いが発生していると考えるのが自然だ。それを指摘した巽さんは白く見えてるし、前の二人も白く見える。となると後ろの6人の中に居るのか?まだわからないが、考察聞いて考える。以上だ。」

特に時間制限もないのだが、サクサクと進む。

みんな、アプリで人狼することに慣れているのでこうなるのだろう。

6、7、8は白先なので、飛ばして9の泰裕が言った。

「あ、オレか。そうだなあ、白先の意見を聞いてないから囲われてるとかわからないが、皆が言うように、巽さんが白いからその白先の達也は俄然白く見えるよな。となると他の二人だけど…そこもわからない。まだ意見聞いてないしね。グレーは朱理ちゃんは白く見えた。利喜は便乗位置だしまだわからない。仁さんは、メタだけど仁さんのスキルで囲いを見逃すかなあとは思ったかな。前二人に疑われて白と言ったのもすり寄りに見えたし、それで後ろの6人に居るって意見も安易な気がするよ。役職の内訳は、まだわからないけど占い師が真真狼狐が自然かなとは思う。狐が占われたら溶けるから死活問題だし、潜伏するのは考えられないよね。霊媒師は狂人が出てるのかなって。それぐらいかな。以上です。」

泰裕は結構あれこれ喋ったな。

達也は、真剣に聞きながら思っていた。

10の哲也が言った。

「ここまで聞いて、仁さんが疑われつつある感じか?確かにここまででおかしなことを言ってる人はいなかったし、仁さんの把握漏れは痛い感じだよな。皆が言うように、巽さんが確かに真の一人には見えるかな。他の意見を聞けてないから、思考ロックはしないでおく。霊媒師には確かに狂人が出ていそうだが、だとしたら思いきったなあとは思うよ。というのも、霊媒結果を違えることが他の村とは違ってこの村ではできないんだよね。真が二人居るわけだろ?その二人は自分が見た結果を言えば良いわけだけど、残りの一人は知らないのに真結果を言わないと詰むんだよな。」

言われてみたらそうだ。

達也は思った。

三人の内二人が真霊媒なわけなので、同じ結果を出した二人が真、違う結果を出した一人が偽と分かってしまう。

狼なら色は分かっているのだが、狂人にはわからない。

真の二人が生きている限り、仮に狼が出ていたとしても嘘の結果を言うことはできないのだ。

「…確かにな。哲也すごい。」

達也は思わず言う。

哲也は、それを聞いてフフとはにかむように笑った。

「いや、気付いてる人は気付いてただろ?だからオレは、明日から霊媒結果を同時に出すことを提案しておくよ。狼は多分、霊媒師が鬱陶しいから護衛は霊媒に寄せて欲しいなとは言っておく。以上です。」

今ので哲也が白く見えるなあ。

達也は、そう思った。

そこから15の健斗まで役職が続くので、次は16の翔馬だった。

皆の視線を感じて、翔馬はハッと口を開いた。

「…オレ?あ、そうか役職ばっかか。ええっと、オレは別に仁さんをそこまで黒くは感じなかったかなあ。村の議論を何とか進めようとして無理に話して把握漏れって感じに見えたし。みんながみんな怪しいって言ってると、逆に白く見えるのはオレだけ?その点じゃ、一応疑いつつも達也が同じことを言ってたって言って、考える余地を残した意見の利喜は白く見えたかな。霊媒師は、確かに哲也が言うように二人が真だから出てるのが狂人だったらハラハラだよね。結果同時出しは良い意見だと思うし、哲也は白く見える。他は…みんな仁さん怪しいって意見だし正直色が見えないよ。以上です。」

まあ、みんなが仁さん怪しいって言ったら逆に白く見えるってのは鉄板だけどさ。

達也は、違和感を持った。

とはいえ、他に怪しいところを言わなかったのが何やら怪しく見えるのだ。

17の、早紀が口を開いた。

「…あれ?じゃあ結局誰が一番怪しいの?翔馬さん怪しく見えて来たなあ。敵を作りたくないように見えるんだよね。発言位置が後ろなのに、もっと言えたんじゃないかな。朱理ちゃんは最初に仁さんの把握漏れを怪しいと指摘したので白く感じてる。利喜さんは、仁さんを庇ったのかと最初思ったんだけどね、でも、確かに達也さんも把握漏れしてたんだよね。まあ巽さんの白先だから、達也さんは白なのかなとは思うし、利喜さんの意見は真っ当だなとは思った。泰裕さんは頑張って役職まで広く考察落とそうとしているのが分かって白く見える。哲也さんはめちゃ白く見えた。だから、私目線じゃ、曖昧な感じの翔馬さんが黒いかなあ。仁さんはその翔馬さんが庇ってるように見えるから次に怪しい。私は、哲也さんの意見からも、霊媒は自滅しそうだしこのまま残してグレーから吊るのが良いんじゃないかと思うな。間違えて真吊っちゃったらダメだしね。占い幅を狭めるためにも、グレー吊りを推します。以上です。」

そうだな、オレもグレー。

達也は思った。

18の美夢が言った。

「…そうだなあ、早紀ちゃんが言ったことが全てって感じ。私も敵を作らないようにしてるように見えたから翔馬さんが怪しいと思う。グレー吊りが良いと私も思うかな。でも…仁さんはそこまで怪しいとは思わなかったんだよね。みんな話してなかったわけじゃん?なのに、話して進めてくれようとしてた仁さんを怪しむのはちょっと違うかなって。だから私は今日は吊らないかな。占い位置で良いんじゃない?吊るなら翔馬さん。今のところは。以上です。」

20の美加が口を開いた。

「何か言いたいこと全部前の二人に言われちゃったなあ。私も哲也さんの意見を聞いて、霊媒師は自滅しそうだからほっといてグレーから吊る方が良いと思った。把握漏れはほんと怪しく見えちゃうから、仁さんはどうしても吊り位置に上げられちゃうんだろうけど、私も美夢ちゃんと一緒で、みんなが話さないから進めてくれてたからこそ出ちゃった把握漏れだし。今日は吊らないかな。ただね…翔馬さんが庇ってるみたいに見えたのが気になるんだよねー。翔馬さんは他と比べても敵を作らないようにしてるみたいに、あの位置なのに全く精査付いて無さげな曖昧な意見で終わってるんだよねぇ。だから、今のところ翔馬さんかな。白先役職の意見も聞きますけど。以上です。」

グレーの意見は終わった。

達也は、確かに翔馬の曖昧な感じは気になっていた。

だが、いつもあんな感じだし村の可能性もある。

もう一度、全員の意見が出てから話を聞きたいと思っていた。

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