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達也は、スマートフォンを見ていた。

今日は土曜だが外は雨だし、出掛けるのも面倒なので近くのコンビニで食べる物を買い込み、最近ハマってしまった人狼ゲームのアプリで遊ぶことにしたのだ。

そこそこ遊んでいるので、勝率ランキングにもここのところ名を列ねるようになって来ている。

そうなって来ると面白くて、暇さえあれば人狼ゲームに興じていた。

…良い村がないな。

達也は、既に立てられた村に入る度に回りのレベルを見るが、あまり芳しい戦績の人達と当たらない。

ここは、自分で村を立てようと、入力を始めた。

…9人、狼2、狂人1、占い師1、霊媒師1、狩人1、村人3。

達也は、それで村を立てた。

次々に入って来る人達は、皆達也が一度戦ったことのある人達で、おもしろかったのでフレンド登録している強者ばかりだ。

もちろん、中には声が可愛いという理由だけで登録している子も混じってはいた。

邪な気持ちはあっても、ここはネット繋がりしかないので会えるほど仲が良いわけでもない。

それに、ランキング上位で多くのフレンド申請が来るのに、ゲームが面白くなくなるからとある程度できないと登録しないと豪語してもいた。

それでも、可愛らしい声で頼られたりするとつい登録してしまうのだから、自分もゲンキンな性格だった。

9人揃ったところで、いつものようにルール説明した。

「…初日ランダム白の部屋です。初日は白しか出ないので騙りをする人は注意してください。知ってると思うけどフレンド以外の人も混じっているので一応説明すると、狩人は連続護衛ナシです。狼自噛み有りです。チャット欄での考察雑談は禁止、二日目からの結果出しCO、CCOと、システムバグなど困った時だけ使用してください。ちなみに発言は初日は2周回りますが、1週目は口頭COのみ、2周目からはチャットCOありです。質問ありますか?」誰も話さない。達也は続けた。「では始めます。」

皆の名前は、勝手につけているので様々だ。

ちなみに達也は、ナナシという名前にしていた。

最初に軽い気持ちでつけたのだが、今ではもっと凝った名前にした方が良かったかと思っている。

『ゲームを始めます。役職を確認してください。』

スマホから声が流れる。

…村人か。

達也は、ホッとした。

最初は、村人でゆっくり考察したい。

画面が変わって、朝の明るい画面になり、そこに皆が円を描いて座る画像が映し出された。

『3番は発言してください。』

ちなみに、達也は2番だ。

隣りの3番のつばさが、発言を始めた。

「オレからか。占いCO4白。4白です。そうだなあ、平和村になることはないだろうし、もし対抗が出たら霊媒師のCO状況にもよるけど、狼かなと思います。霊媒師が二人出たら問答無用で吊りきるつもりです。残して後々狂人残りで負けたことがあるんで、精査は無理だと思ってるんで。霊媒師が一確したら狩人は出てください。グレー詰めしたいです。以上です。」

今の発言ではわからないなあ。

達也は、思って聞いていた。

『4番は発言してください。』

その隣りの、4番が言った。

「はい、4番らむらむです。よろしくお願いします。私、霊媒師です。把握お願いします。そうですね、お隣りの3番さん占い師で私に白、把握しました。まだ他に誰も発言していないので何も言うことはないんですけど、しっかり進行論述べてたので3番さんの印象は良いので、今のところ真かなと思っています。霊媒が一確して欲しいと言う人も居るけど、そうなると、グレーに人外が狂人含めて残るので、私は吊りきられても対抗出てくれた方が後がめんどくさくないなあと思う方です。2周目、しっかりグレー考察します。以上です。」

らむらむは声が可愛いんだよなあ。

達也は、そんなことを思いながら聞いていた。

『5番は発言してください。』

5番の、まみむが発言を始めた。

「はい、占いCO6番さん白、6番さん白と出ました。把握お願いします。」

対抗が出た。

達也は、急いでメモった。

まみむは続けた。

「そうですね、3番さん対抗占いCO4番さん白、4番さん霊媒師、把握しました。私目線、まだ役職しか出ていないのでグレーは全く分かりませんけど、今のところ4番さんを囲っているとは思ってません。その進行では弱いんじゃないかなと思うので。仮に3番さんが狂人で狼を囲ったとしたら、わざわざ霊媒師に出てローラーされるなんて考えられないと思うし、狼でも相方を囲って霊媒師に出させるのはやらない気がするんで。しっかり聞いて、2周目グレーの考察落とします。以上です。」

時間制限があるので、皆一分でしっかりと終わって次へと回って行く。

次は、6番のラングレという人だった。

『6番は発言してください。』

「はい、6番です。村人陣営ですCOありません。」その男は、そこまで一気に言って息をついた。「正直、まだ占い師はどっちが真なのか分かっていません。5番さんがオレに白を打ってくれてるから、若干印象が良い程度だし、まだ2周目聞いてみないと分からないかな。ただ、占い師には狼が出てるんだろうなって勝手に思ってます。霊媒師に出てしまうと、ローラーされてしまうのが分かってるから。まだ霊媒師が一人なんで、一確したらグレー詰められるんでオレ的にはそっちの方が良いかなって思ってますけどね。まだ一人だし偽だとは思わないけど、だから4番さんとは考え方が違うかなって思った。今のところはそれぐらい。以上です。」

色が落ちないなあ。

達也は、思った。

『7番は発言してください。』

容赦なくスマホが告げる。

7番のてつやという男が話し始めた。

「…ここまで聞いて、役職と白先ばっかだったからあんまり色が見えないなあという印象でしたね。ただ、5番の白先の6番が霊媒一確してグレー詰めが良いって言ってたから、もしかしたら囲われててグレーの村人を吊ってもらいたいっていう事かなとか思ったかな。分からないけど。狂人に指示出してるようにも、オレには聴こえたかな。もし、まだ潜伏してて出てないなら出て来るなって感じで。でも、ほとんどいちゃもん付けてる程度でそれぐらい他に怪しい感じはなかったかな。グレーの話はこれからよく聞いておこうと思ってます。以上です。」

そう考えることもできるけどなあ。

達也は、メモりながら思っていた。

『8番は発言してください。』

8番が話し始めた。

「はい、8番の「明日考える」です、よろしくお願いします。村人陣営COないです。ここまで特に怪しいと思う人は居なくて、ちょっと困ってるんですけど、だからもしかしたらオレより後に狼が居るのかなって思ってますね。7番さんは6番さんがグレー吊りたいって言ったのを怪しいって言ってましたけど、オレもどっちかというとグレーを吊れたらそこだけは色が見れるから助かるなと思う方なんで、それは違うかなとは思いましたね。まあ、でもグレーのオレが言うのと、白先で吊り先にならない6番が言うのとでは意味が違って来るんで、だからといって7番さんが怪しいとは思ってない感じです。まだ全員の発言聞いてないんで、盤面確定してからまた考察します。以上です。」

早口だが、言いたい事は分かる。

達也は、確かにここまで黒いという人が居ないなと思っていた。

『9番は発言してください。』

9番の、又沼が話し始めた。

「はい、村人陣営COありません。そうだな、8番には占い師の事はどう思ってるのかも話して欲しかったかな。まあ、それは7番にも言えることなんだけど。だからといって、黒いとは思っていない。前の人も言ってたけど、ここまで黒いなと思う奴が居ないんだよね。だから、オレの後の1番と2番に狼が居るんじゃないかって考えてるかな。だから霊媒師がここから出ても怪しいと思うと言っておく。オレも、グレー吊りしたい方だから、初日は白結果でもグレー詰めるのが占い師の占い場所を狭めることになるから良いと思ってるんだ。まあ、だから2周目聞いてみて、7番8番がこのままだったら1番2番から吊りたいと思うかな。以上です。」

なんか、単純に決め過ぎてるよなあ。

達也は、思いながらメモに書いた。

『1番は発言してください。』

一番の、シュリが話し始めた。

「村人陣営、COありません。なので、2番さんが霊媒師でない限り、一確するのかな?そうですね、これまで聞いて思ったのは、9番さんが明らかに怪しいってこと。」

達也は、スマホのこちら側で頷いた。

そう、他はそうでもないのに、やたらと9番が怪しい。

シュリは続けた。

「霊媒師が一人しか出てないし、もしかしたらその霊媒師が狂人かもしれないし、狼かもしれないのに、まだ発言していない自分の後の二人が役職の可能性もあるんじゃないかって思うはずが、そんなことお構いなしに吊り先に指定しようとしているから。私は霊媒師じゃないけど、そうだったらどうするんだろうって思ったかな。普通だったら、COないって言ってる前の人達の方を指定するんじゃないかな。だって、占い場所を狭めたいだけなんでしょ?だから、矛盾してるなって思う。だから、グレーの中では9番さんが最黒。占い師はまだ分からない。2周目聞きます。以上です。」

達也は、ペンを置いた。

『2番は発言してください。』

達也は、言った。

「はい、村人陣営COありません。だから霊媒師は4番で確定かな。オレは潜伏する霊媒師は信用しないし、2周目出たら余程真っぽくなかったら先に吊るつもりです。もちろん、吊り切り前提だけどね。それからグレーだが1番が言ってたように、9番がくっそ黒い。そもそもグレー詰めたいなら狩人のCOも促すべきだし、役職COがないグレーの中から吊る事を考えないといけないのに、まだ発言のない所を吊り先に指定するのはほんとにおかしい。それに、直前の8番に占い師の精査をして欲しかったとか言っておきながら自分は全くしていない。今日は9番吊り一択かなと思ってる。村でも占いに使うのはもったいないし、初日はどこ吊っても同じだからオレは9番で良いと思ってる。以上です。」

早口で詰め込んでしまった。みんな分かっただろうか。

達也は思ったが、発言は2周目に突入した。

達也は、またペンを握ってじっと耳を澄ませた。

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