キャットテイル登る
街の中をパトロールだ。
ルンルンにゃ
優美に手足を伸ばして歩くにゃ
風の強い日は、飛ばされてしまうので,注意するにゃ
フニャフニャ ニャンニャン フニャニャン
悪い子はいにゃんかぁ
番犬のシロ発見。
ご機嫌よう
ジロリと見られ、 直ぐに逸らされる。
ガーン…
無視だ ガン無視だ
ニャニャン 又無視されたニャ
シロは照れ屋さんなのニャ
フニャフニャ ニャンニャン フニャフニャ
神様の祠が祀ってある。
小さい神様が浮いている 眼を瞑っているニャ
神様 ご機嫌よう
うむ…息災である …で、…あるか…
微かに心に響く声が 暖かな波のようである。
僕も元気ですにゃー!
無表情だった小さな神様の、顔が一瞬だけ微笑みを浮かべ、直ぐに元に戻った。
ふー、異常なし
働くとお腹空くニャヨ
むむ…クンクン、こ、これはっ!
お蕎麦のうまうまな匂いがするにゃーよ
匂いの元を辿ると、マンションの上からするにゃ
壁を登る。
3点を必ず確保してから登るこつにゃ
ふー、ふにゃら、ふーふ、フニュフニャ
ヨッコラせっと
遠くに富士山が見えるにゃ 絶景 絶景
ヨイショ
ベランダにあがると、17、8歳位の女の子が、居間でお蕎麦を啜ってましたにゃ
あれにゃ 美味そうな匂いの元はー
美味そうにゃ
僕の細い眼が、クワっと開かれる。
女の子の隣に不思議生物が蕎麦を啜ってるにゃ…あれは怪異?
フシャーーー!
毛を逆立てて戦闘態勢を取る。
不思議生物と眼が合った。
しばし見つめ合う…ペンギンを太く小さくしたような生き物だ。
ヒレでチョイチョイと手招きしている。
な、なんだにゃ…?
ガラガラと居間のガラス戸が開いた。
さっきの女の子が僕を見つめてるにゃ
「きゃ、可愛い。見て見てペンペン様、猫ちゃんが来てるよ。どっから来たんでしゅかー?」
僕を抱き上げる。
ニャー、ニャー、(ソバ食べたいにゃ)
「んー、お腹空かせてるのかな、ペンペン様じゃあるまいし、蕎麦は流石に食べないよね。…そうそう、冷蔵庫に今日作ったチャーシューあるけど食べるかな?」
ニャ、ニャ、ニャー(蕎麦食べたい、でも焼豚も捨てがたい)
ふと見ると、不思議生物が、まるで私も焼豚食べたいと言わんばかりにヒレをシュタッと上げていた。
まるで、嬢ちゃんの作る焼豚は美味いんだぜ、お前よくやったぞと言わんばかりの顔をしている。
「あらあら、ペンペン様も食べたいの、切ってくるから待っててね。」
…
お皿に焼豚を3枚と猫マンマを出してくれました。
匂いを、クンクン嗅いでから口に入れる。
ウにゃ、ウニャー、こ、これは美味いニャ
不思議生物も嘴に咥えて、パクパクと食べていた。
「うんうん、美味しいかな、美味しいでしょう、…良かった。」
チャーシューくれたお姉さんがニコニコと笑っている。
まるで、お陽様のような笑顔だ。
ほえー
なんて良い人なんだニャ
ならば、あそこで、パクパク食べている不思議生物も良い奴に違いない。
あー、今日は何て良い日なんだニャ
美味しいにゃ 幸せにゃ
この後、満足して食べ終わって、顔を洗っていたら、お姉さんに、可愛い可愛いと、さんざん撫でられました。
生きてれば、こんな良い日もある。