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黒色のキャットテイル  作者: さくら
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流れ星とキャットテイル

 ある日夜空を流れて星が落ちるのを見たにゃ


 綺麗な綺麗な濃い群青色の彼方から、星がグングン近づいて来たにゃ


 おお、なんか段々と、近づいて…近過ぎにゃ

 わー、ニャオーン。


 どかーーーん。



 モクモクと土煙りが辺りに散りばり、それはそれは凄い光景でした。

 しかし、人間達は誰も近寄りませんでしたし、誰も知り得ることは出来ませんでした。

 低次元の生物は、高次元の生物を感知できないのです。

 この星が落ちたことを、地球上で知り得たのは、超個体に昇格した生き物か、猫等の高次元生物だけでした。


 地面が揺れましたが、人間は気がつきません。

 街が近くの平野に落ちた星は、実は宇宙船でした。

 土煙りが晴れたとき、地面にめり込んだ船体の扉が開き、中から宇宙人が出てきました。


 にゃーにゃーアレ何にゃ


 「お前が、この星の住民ですか?」


 さうだにゃ。我は栄えあるキャットテイル家の戦士、テトラ・キャットテイルにゃ


 「一つお前に聞きたいことがある。この星にインゲンと言う悪性生物が繁殖し、空や大地や海を汚していると聞いてます。

大地をコンクリートで覆い、概念を変質させ禁忌に触れる行為を喜んで自らの仲間に行う悪しき魂を持った生き物だとか。」


 宇宙人は全身を光らせ、明滅を繰り返しながら、駆けつけて来た猫に問うのでした。


 にゃ?心で思ったことが伝わるにゃ、便利だにゃ

 あー鰹節が食べたいにゃ

 インゲン? …インゲン豆は茹でると美味しいにゃ


 「美味しい…?あなたはインゲンを食べるのですか?」

宇宙人の明滅が瞬く。驚いているよーだ。


 そうにゃ。前食べたにゃ。インゲンは繁殖力旺盛で、痩せた土地に植えて置くと、土地を豊かにしてくれるにゃ。

 とても役立つ良い奴にゃ。


 「…そうですか。噂とは当てにならないものですね。実は私は光の国から来た光の戦士なのです。もし噂が本当ならば、私はインゲンを焼き、殲滅させていたでしょう。」


 違うにゃ。奴ら美味いにゃ。殲滅させたら困るにゃ。


 「分かりました。この星の高次生命体である、あなたの言を信じましょう。」


 こうして、人類存亡の危機は、一匹の猫によって回避された。でも、そのことは誰も知らない。

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