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黒色のキャットテイル  作者: さくら
21/22

ニャンだふるワールド

 夏は暑いから、日陰に避難。


 働くのも休養するも、僕は自由ニャン。

 何故なら猫だから!

 ジャジャーン!


 インゲンの都市型社会は、吾輩らに実に都合の良く出来ている。

 そう、まるで僕らのために作られているかのように。

 更に、ニャンと呼べば、どんなインゲンもご飯をくれるのだ…むろん例外もあるけれど。


 見極めデスニャ。

 キラリーン!

 インゲンの内面を見通す、この魔眼が、火を吹くニャ。

 まあ…吹かないけどニャー。

 つまり、それぐらい我ら猫族の眼は、ハイパーなのニャ。

 遥か昔は、猫好きなインゲンを見極め、魔女にして手下として、ご飯を作らしていた…と、近所のヨタロー爺ちゃんから聞いたことがあるニャン。


 ヨタロー爺ちゃんは、老齢の古猫で、ヨタヨタしながら歩いているから、ヨタロー爺ちゃんと皆から呼ばれているニャー。

 これまで歩んで来た猫生の面白い話を何度もしてくれる愉快な爺ちゃんニャ。

 話しの内容は既に三回転くらいしてるけど…


 最近、顔を見せないから爺ちゃんが好きなメザシを一匹お土産に持っていってあげよう。


 …




 ヨタローじぃ…

 僕が呼び掛けると、爺ちゃんは、いつも居る場所に横になって寝ていた。

 …

 その姿を見て…もう起きることはないんだと僕は分かってしまったニャ。

 ああ…もう爺ちゃんから、同じ話しを聞くことはニャイのだなぁ。



 …



 …




 

 猫は、産まれて亡くなることは、自然の摂理で当たり前であると知っているニャ。

 だから、悲しくはないニャ。

 爺ちゃんに上げるはずだったメザシを、ウニャウニャ食べてしまう。

 野良猫は、タフでなければ生き抜くことは出来ないニャから。

 他人に甘えるニャ、他人に阿るニャ、他人に依存するニャ。

 それが、猫の生きる道ニャー。

 猫とは、常に孤独であるニャ。




 …






 夕食時をねらい、ペンギンとお姉さんの処にお邪魔して、お腹を魅せてゴロゴロと喉を鳴らしたら、ご飯をくれた。

 見よ!僕の可愛いさにお姉さんは、ご飯を僕にあげざるを得ないのだニャ。

 美味しいニャ。

 美味しいニャ。

 生きてるから、美味しくご飯を食べれるニャン。

 

 満足したら眠くなったニャ。

 お礼に、今日はクーラーが効いた部屋で寝てあげるニャン。

 明日まで愛でるがよろしいニャ。





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