活歩するキャットテイル
パ、パ、パ、イエール!
ニャ、ニュ、ニョ、イエール!
フニャフニャ言いながら、街中を活歩する。
ああ、御日様が大地を照らし、ポカポカするニャ。
昼間な、暖かいニャ。
何もない日常に幸せを感じる。
体調は万全、足取り軽く、ニャンニャンニャン。
僕も仔猫から、多少成長したニャン。
健康で、何も懸念することがないとは素晴らしいニャ。
身体は、まだ小さいけれど、精神性は既にインゲンの 大人を凌駕してるニャ。
え?インゲンを基準にしてはいけないって?
そうにゃ…そうねぇ、確かにニャ。
ニャンニャン頷きながら、認識を新たにする。
周りには誰もいないけど、きっと妖精さんが教えてくれたニャ。
下を見たらキリがないニャン。
しかし、インゲンの中にも、なかなか大した人物もいる…薩摩揚げくれたお姉さんとか、ご飯用意してくれるお姉さんとか…お菓子くれるお姉さんとか…インゲンじゃないけど、ご飯を分けてくれたペンギンとか…。
何事にも良きものと悪しきものがあり、それらは矛盾なく併存しているニャ。
それは、自然の水にも上質でキレイな上澄みと沈殿している汚泥があるように…きわめて自然なことなのニャー、不思議ではないニャン。
ならば、インゲンよ、全体が高みに行けば良い…我らネッコ族のように高尚で華麗なる生き物を目指すニャンよ。
…
そんなことを考えながら、活歩していたら、お腹が鳴ったニャ。
ご飯の時間ニャン。
…笑顔の素敵なお姉さんに、ねだりに行くニャン。
そして僕のフカフカお腹を触らせて上げて、お姉さんに癒しを提供してあげるニャンよ。
だから、これは等価交換で、ご飯も正当な報酬なのニャのです。