キャットテイルと窓
雨の日は不思議。
僕とペンギンのペンペンは友達。
今日は友達の家にお泊まり。
お姉さんに身体を洗われたニャ。
シャンプー、水怖いニャー。
今は、部屋の中。
窓を通して外を見る。
中は、涼しくて快適ニャン。
外は、雨がザーザー降っている。
窓ガラスに露が滴る。
境界線ニャ。
この窓は、異なる世界の境界線…。
外では、雨がザーザー降っている。
内では、涼しく快適ニャニャ。
雨に濡れて、トボトボ歩いている自分を想像する。
ここは快適な世界ニャン。
冒険者のお宿のように。
街を護る我輩を支援してくれてるニャー。
ペロペロと顔を洗う。
だから、我輩も街を護ろうと思う。
お姉さんが、猫缶を開けてくれる。
これは支援物資ですにゃ。食べていいかニャー?
ペンギンが、遠慮するなよとドヤ顔をしている。
いや、君に聞いてないから。
お姉さんが笑顔で撫でてくれた。
許可が出ました。
うにゃうにゃ…美味しいにゃ。
胸に灯火がついた気がする。
暖かい灯火が。
世の中は、気持ちでグルグルクルリと回っている。
絡繰に気持ちが籠ってなければ、形骸化してしまう。
お姉さんとペンギンは分かっている。
何も言わないけど、分かっている。
食べ終わってから、お姉さんに頭から体当たり…ドーン。
愛情表現だにゃ。
お姉さん好きにゃん。
ペンギンには、頭に肉球をペシペシしてみる。
愛情表現だにゃ。
ペンギンが憮然とした顔をしている。
外では雨が降っている。
でも、今日は、ここで雨宿りにゃ。




