あなたは物語の主人公
みなさんこんにちは。
最近、自分の毛をどんなに抜いてもツルツルのたらこになれないと気づいた水産加工食品です。
いやぁ、ムダ毛すげぇ。
とにかく生えてくる。
どんなに抜いても追いつかねーのです。
早くツルツルのおいしそうなたらこになりたいですね。
なかなか難しいですけど、頑張っておいしそうな半額たらこになりたいのです。
売れ残りのたらこではありますが、これでも自分の人生では自分が主人公だと思っています。
皆さんはどうでしょうか?
そもそも主人公ってなんだよって話ですよね。
物語にはかならず主人公が登場しますが、彼らは常に物語の中心にいて、ストーリーの要となる存在です。
どんな困難にも果敢に立ち向かい、強大な敵を倒して勝利し、物語をハッピーエンドに導く。
そんな偉大な存在なのです(脇役とは違うのですよ、脇役とは
素敵なお話に出会ったら、自分も主人公さんのようになりたいと思ったことがある人は、一人や二人ではないはず。
沢山の人が主人公にあこがれていると思うのです。
実は……誰もが物語の主人公になる方法があるって、知ってました?
え? ご存じない?
そうですか……良かったら今からお話するんですけど、最後まで聞いて行きますか?
お話を聞いたら半額シールの貼られたたらこをレジへ持って行ってお会計を……え?
たらこはいらない?
そうですか……そうですか……。
じゃぁ、主人公になるお話だけしますね。
手短に済ますので、5分ほどお時間をください。
結論から申し上げますと、主人公になるには努力が必要です。
毎日、毎日、小さなことをコツコツ積み重ねるしか方法がないのですよ。
これ少し前に同じことを別のエッセイでも言っていたような気もしますが、ヒーローも主人公も似たようなものなので、よしとします(おい
いきなりヒーローになって注目を集めたいっていうのは、ちょっと無理があります。現実はなろう系小説とは違うので、チートで一発逆転なんて妄想しても無駄なのです。
向き合わなくちゃ、現実と。
では、毎日コツコツと努力して、ヒーローになれるかというと違うのです。
必ずしも努力が報われるとは限りませんからね。
それでもコツコツコツコツ。
毎日、毎日。
ずーっと続けていれば、どこかの誰かさんが気づいてくれるかもしれません。
気づいてもらえたところで、何か変わるかというと、変わりません。
同じ毎日が続くだけです。
朝起きて、働いて、帰ってから小説を書いて、寝る。
それの繰り返し。
それのどこが主人公なんだ!
気づいてもらおうと、もらわないと、何も違わないじゃないか!
ええ、そうですね。
何も変わりません。
退屈な日常は変わらないまま。
刺激的な非日常はどこにも見当たりません。
でも……だからといって、アナタが主人公になれないわけじゃないんですよ。
これは持論なのですが、主人公は気づいたら主人公しちゃってるのです。
どんな状況でも、どんな困難に直面しても、大活躍して、成功を収めて、いつもみんなの中心にいる。
そんな存在が主人公だと思っています。
こういうと「じゃぁ私は主人公にはなれないな」って思う人もいるかもしれませんが、もう少し話を聞いて下さい。
このエッセイを読んでいる人の中には、自分で小説を書いて作品を投稿している人もいると思います。
初投稿の作品が誰にも読まれず、しょんぼりした人も多いと思うのです。
最初の作品から成功する人なんて、そんなに沢山いないと思いますし。
気落ちすることなんてないんですよ。
それに……最初の作品から成功していたら、感覚が狂っちゃうかもです。
なろうはよくゲームに例えられますが、最初の作品を投稿したことを『最初にモンスターを倒した』ことに例えてみましょうか。
始まりの街を出て一番初めに遭遇した雑魚モンスター。
握りしめた武器でなんとか勝利しました。
やったね。
でも、そのモンスターを倒したくらいで、大げさに褒められたら逆に不安になりませんか?
スライムを倒しました。
結構、頑張りました。
すると周囲に沢山の人たちが現れてこう言います。
『すごい! あのモンスターを倒すなんて最強だ!』
『さすがは勇者様! えらい! かっこいい!』
『憧れちゃうなー! かっこいいなー!』
次々に褒められますが……ちょっと嫌じゃないですか?
確かに最初のモンスターを倒すのには苦労しました。
でも、これは最初の一歩です。
最初から大げさに褒められたら、なんか感覚が狂っちゃいますよね?
しかも、これがずっと続くと想像してみてください。
モンスターを倒すたびに、どこからともなく人々が現れて褒める、褒める。
ゲームだったら鬱陶しくなってやめたくなると思うのです。
現実はゲームと違うので、こうはなりません。
初投稿のボタンをドキドキしながら押したアナタを褒めてくれる人なんて誰一人存在しない。
たらこが初めてエッセイを投稿した時もそうでした。
一人でPCを操作して、投稿ボタンをクリック。
当然のことながら誰の声も聞こえない。
最初の一歩は静寂に包まれていました。
誰も見ていない。
誰も気づかない。
でも自分だけは知っている。
偉大な一歩。
だからこそ価値があるとたらこは思うのです。
たらこが最初に書いたエッセイもなかなか読んでもらえませんでした。
まぁ……仕方ないなって思いましたけど、やっぱりちょっと寂しかったですね。
でも、誰にも評価されなかったからと言って、無駄だった思うのは早いのですよ。
『あなただけが知る偉大な一歩』なのですから、どうか大切にしてあげて欲しいのです。
その一歩がのちにアナタを救うかもしれないのです。
たらこが最初に書いたエッセイ。
実は後から読んで感想を書いてくれた人がいたのです。
その感想を読んで、とても救われた気持ちになりました。
ちなみに頂いた感想は三つあります。
どれもたらこにとって宝物で、今でもたまに読み返したりします。
誰も気づくことのない静寂に包まれた一歩ではありましたが、たらこが最初に投稿したエッセイも、後からちゃんと読んでもらえました。今ではそれなりにポイントもついているのです。
感想をもらえたことでモチベーションがアップし、気づけば100作を超えるエッセイを投稿。今ではこの界隈でそれなりに名前を憶えてもらえるようになりました。
今から一年と少し前の出来事ですけど、とっても思い出深いエピソードなのです。
さて、アナタは自分が踏み出した最初の一歩を覚えていますか?
覚えていようと、いまいと。
その一歩からすでに物語がスタートしているのです。
PCの前に座り、あるいはスマホを握りしめ、勇気を出して最初の作品を投稿したアナタを、きっと誰かが見守ってくれています。
だからどうか、諦めないで欲しいのです。
物語の途中でコントローラを投げ捨てたら、主人公としての物語が終わってしまいます。
たとえポイントが入らなくても、ランキングで一位にならなくても、小説を書いて、投稿して、物語をゼロから創り出しているあなたは、まぎれもなく主人公なのです。
コツコツと努力を続けた結果、手に入れたものが望んだものとは限りません。
書籍化する保証なんてどこにもありませんし、それどころか日間総合ランキングに入れるかも分かりません。
だとしても……決して無駄ではない。
アナタが創り出した唯一無二の物語は、確かにここに存在しているのです。
これは誰も知らない物語。
アナタだけが知る、アナタだけの物語。
その物語のなかで主人公の役割を担えるのはアナタだけ。
自分の『好き』を追い求めれば、必ず何か得るものがあると思いますよ。
だから……物語を書いてください。
その物語の続きを書けるのは世界にたった一人なのですから。