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毎朝ご苦労様です

王道青春ラブコメディだ



俺の目の前で繰り広げられる出来事は、まさにそれそのものだった。








「だから~! あんたが起きないから遅刻したんでしょ!」


「俺の事なんか起こしに来ないで先に行けば良かっただろ!」


「なっ! それが毎朝起こしに行ってあげてる幼馴染に言うセリフ⁉」




王道青春ラブコメディだ。

何度でも言うぞ。


今、俺の、目の前で繰り広げられてる、この会話は、王道青春ラブコメディだ。



まずそもそも高校生にもなって幼馴染が起こしに来るか?

しかも男女だぞ?

親はどうなってんだ親は。


男女七歳にして席を同じゅうせずだぞ。



「そもそもあんな時間まで起きないって毎晩何してんのよ!」


「関係ねぇだろ!」



何ってナニだろ


お前の知ってる幼馴染はもう存在してねぇんじゃねぇか?



「……昨日図書委員の禰津さんと帰ってたでしょ」


「帰ったけど……なんだよ急に」


誰と帰ろうが自由だろ。

その禰津さんはお宅の幼馴染さんとこの間本の話で盛り上がってましたよ。


「ふん! もういいわよ!」


「はぁ? 意味わかんね…何で急に怒って行っちまったんだ?」


お前が他の女と帰るのが気に食わないからだYO!



「なぁ吉崎? あいつ何であんなに怒ったんだ?」


「さぁ……」


お前本当に鈍感のままでこの先生きていこうとしてるつもりか?











高校に入学してすぐだった。


前の席に座っていた男――八島が王道青春ラブコメディをいく男だと気づいたのは。


まず初日から幼馴染の女――猪野があいつに今日と同じ事で文句を言っていた。

その時はまぁ、初日だし? 知り合いいたらそりゃ一緒に行きたいわなとか思っていた。

ちょっと前まで中学生だったわけだし。


それがどうしたことか入学して早三か月、毎日一緒に登校している。

しかも会話から察するに部屋に起こしに行っている。


――――――え?



いやいや男女男女! 朝の生理現象はハッピーラッキーラブハプニングか???


俺だったら死んでる




しかもこの八島、あらゆるジャンルの女を三か月で攻略した


陸上部でショートカットが可愛い馬川さん

委員長で小柄で庇護欲をそそる兎都さん

上級生で美人と噂の辰巳先輩


俺が知ってる限りではこの三人に加えて猪野と禰津さんだ



刺されるぞ




「吉崎? どうした黙って」


「もともと話してないだろ」


「ははっ! 本当にお前は面白い奴だなぁ!」



そしてどうしてこの俺吉崎は


友人兼アドバイザー役に就任しているらしい



「猪野に謝って来たほうがいいか?」


「何に謝ればいいのか分かってないなら謝らないでいい」


「そうか!」



ニカッ!と笑う八島の歯を折ってやりたいと思った


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