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桃太郎の栄光(意味が分かると怖い話)

「父ちゃん、おらたちどうなるんだ?」

「仕方ねぇ。俺たちは嫌われもんだ。全員が悪いことをしているわけではねえのにな」


 親子は途方に暮れていました。父親は負傷しており、お金をとられた一家は貧しく今後は質素に生きていかないと生活がなりたちそうにありません。まだ子供も小さいのに……怨みの気持ちが母親に芽生えました。


 そのころ、桃太郎の家にて――


「あれ? そういえば鬼って言ってもどの鬼が悪い鬼だったんだろうな? とりあえず手あたり次第やっつけたけど。俺には鬼の識別なんて色くらいしかできねえし」

 桃太郎が鬼について語る。


「でも、まぁ財宝もらったんでよかったじゃないっすか?」

 サルが分けてもらった財宝を抱えながら帰宅するところだった。


「俺、燃え尽き症候群ってやつかもしれない」

 桃太郎はぼーっとしながら天井を見上げていました。桃太郎は今後何を目標に生きればいいのかわからないようでした。


「堂々と生きましょう。俺たちは村を救った英雄なんですから」

 犬は誇らしげな様子で首に宝石をかけて、帰宅します。


「一生困らないお金が手に入ればいいんじゃないんすかね?」

 キジはにやりとしながら飛び去った。


 彼らはもう会うことはないのかもしれません。鬼退治は一度やったら二度やることはそうそうないと思いますが、鬼が生きていたら反乱を起こす可能性は割とあると思うのです。


★解説

 このお話は気の毒な鬼の話です。桃太郎の鬼が本当はそんなに悪い奴じゃないのに、殺されて財産を奪われていたら鬼のほうは逆恨みしてしまうでしょう。そして、財宝をもらって幸せになった桃太郎が何かしたという話は聞かないので、仕事をすることもなく、体を鍛えることもなく、毎日ぐうたらしていたのなら、その後の話がないことは納得です。だって、人にそんなこと知られたくないでしょう。人間ならば誰しも全盛期の活躍を後世に伝えたいと思うものですから。



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