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海月の異世界漂流記  作者: みかみ かん
幕間『移動中』
2/51

始まり#0(2021,5,26修正)

 目が覚めた。辺りを見渡す。わぁ、きれいな彼岸花。


「いや、違う!違う!!違う!!、」


 たしか毒持っているんだよな。こいつらって・・・でもない!


「・・・・・」


 いやいや、まさか。 


「・・・・・・・・」


 あのときにもう一度戻りたい。せめて、おにいちゃんたちにちゃんとした朝ごはんを作ってあげるんだったなぁ・・・。


「・・・・・」

「ばぁ!」

「ぎゃああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


 突然、後ろから肩をバンッって叩かれた。後ろを見る。あ、きれいなお姉さん。じゃなくて!


「誰だよ!お前!」

「神よ!」


 ん!?今、何て言った?この人。


「あなたね、勇者の召喚に巻き込まれたのよ」

「ちょ、まっ・・・」


 神様?お前が?神様って?勇者召喚?なにそれ? 

 てか、死んだばっかの奴に『ばぁ!』てやって、バンッとかやるなよ。口から内臓が飛び出るかとおもったぜ。

 あれ、なんだか懐かしい感じか?


「口からじゃないけど、お腹からなら」

「心読むな!具体的な描写すな!今のは例えだ!!」


 こいつ・・・ッ!私がひかれた時の描写をしようとしやがった!

 三連ツッコミ。あー、体が暖まってきた。体ないけど。


 今の私は、一応制服のセーラー服を着ているけど、体がないことはすぐわかった。

 なぜなら、この彼岸花ばたけには地面がない。下には阿鼻叫喚の地獄。私はその上に浮いている。

 と、いうことは、ここは天国だろう。あれ?私嘘とかつくのに。

 それにしても、天国にしては人いなくない?ひょっとして、今はやりの過疎化か?地獄へのストロー現象?それだったら世も末だ。

 おっと。今はそれはおいといて!


「・・・じゃあ、説明をお願いします。・・・三十字以内で」

「テストじゃないんだから・・・」

「十一文字。」

「なッ!」

「十二文字」

「・・・ッ!」


 普通に聞くのは面白くないと思ったのだが。さすがに短すぎたかな。最近テストノイローゼなお年頃。そもそも『ノイローゼ』の意味すらわかってないお年頃。


「問題を訂正します・・・」


 えーっと。


「1,なぜ、私がここに来たのか。

 2,家族ヘのアフターケア

 3,私はこれからどうなるのか

 4,1、2、3をふまえて、八十字以上百字以内で説明せよ」

「・・・・・」


 さすがに考えていらっしゃる。

 この中で私が一番気になるのは、2のアフターケアだ。

 私が一番怖いのは、『私の死』ではない。『誰かの死』だ。

 それでみんなが悲しんでいる姿を見ると、私が死にたくなってくる。それぐらい、痛い。いや、死ぬのもいやだけどさぁ。

 だって、死ぬってなったら焦るよ?とっさに受け身くらいとるよ?とった気はしたけどとれてなかったんだろうな~。内臓溢れたらしいな~。

 それだけ中学校で習った付け焼き刃にすらなってない砕いただけの研いでない石包丁並みの受け身なんて頼りにならないみたいだな~。

 あー、くそ。もっとちゃんと授業受けとくんだった。


「あなたは、私が呼び出した勇者、ヤマモト テツロウの()()()()()()()()()()が乗っていたトラックにひかれたの」


 まじか!運わっる!


「家族ヘは、天啓としてメッセージを送れるわ」


 そうか、何を言ってやろうかな。


「そして、あなたは、テツロウが救いに行った世界に行くの。その世界で死んじゃった同年代の女の子に憑依して・・・・・ね?」

「ヘえっ!ああ、はい」


 急に聞かれたからびっくりした。


「ところで、その世界って・・・」

「魔法で科学な箒の世界らしいわよ」


 思ってたことと少し違った。でも理解できないわけではない。


「興味深いデスネ」


 とりあえず感想を言った。・・・少し冷たかったかな。片言だったし。バカと思われたならいい・・・いや良くないか。


「そろそろ時間なんだけど・・・家族ヘのメッセージは?」

「・・・・・もう、ですか」


 何を言おうか。とっさに思い付くもんじゃない。テストノイローゼでほとんどそこしか脳内サーバーを使ってないお年頃。


「『スクランブルエッグとマヨネーズとハムをサンドイッチにしたらおいしいよ。』で、お願いします」


 作りたかった朝ごはんになった。


「いいの?それで?」

「『さようなら』とか、ありきたりでしょう?」


 『またね』といいたいが、それは無理だと知っている。


「ふぅーん。」


 どこか関心した様子だとおもったのは、私だけだろうか。

 そのとき、足元の彼岸花が輝いた。


「・・・・ッ!」

「ああ、もうお別れね」


 意識が遠のいた。フッと。これは、まるで・・・


「また、あなたが死んだ時に会いましょう?」


 眠りにつくときのような。


「またね、野宮(のみや) ルナちゃん」


 その後、『さっきの、ちゃんと百字で言ってたぁ?』と、聞こえた気がした。私は答える。


「知らねーよ」


 薄れ行く意識の中でそう言った。


投稿の仕方に戸惑いながら書きました。前の続きです!ちゃんと投稿できてるといいなっ!

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