23.補足解説
この23話では、おさらいと補足解説をさせていただきます。
心は感情を支える不可視の器であり、感情はその中で湧き続ける水のようなものです。
感情の色は転々と変わります。
怒りの赤から、喜びのピンクに変わったり、悲(哀)しみの青になったかと思ったら、楽しみの黄になったり。
他にも様々な色がありますし、時には混ざり合ったりもします。
飲み物そのものが感情であり、感情の色はその飲み物の味みたいなイメージです。
コーラとサイダーは違う味(色)ですが、どちらも飲み物(感情)ですよね?
そういうことです(説明放棄)。
それでは、猫ちゃんで実例を見てみるとしましょう。
嫌なことがあって怒ってる猫ちゃんも、美味しそうなご飯を与えられたら喜んで飛びつきますよね。
どれだけ怒ってても、喜びの方が強くなって猫まっしぐら〜。
逆に、まだまだ怒りの割合の方が大きい場合でも、嫌々ながら食べに来ます。
これが、怒りと喜びが混ざっている状態です。
内心喜んじゃってるんですね。
つまり、人以外の動物は、感情を吐き出すことに歯止めが効かないんですね。
思うがままに動くのです。
ですが、人は動物とは違って、心に覆い被さっている理性の蓋を持っています。
人は心が空にならないように、理性の蓋で感情の放出量を制御することが出来ます。
アレみたいなもんですね。
心、感情、理性のイメージとしては、マ◯ドナル◯のドリンクのアレ。
あっでも、心はガラス製に近いみたいです。
ガラスのハート的なやつです。
まあ……理性というリミッターが有るはずなのに、独立という名のテイクアウト時にガバガバになってしまって、無いように思える人も中にはいますけどね。
そういう人はつい感情的になっちゃうから、心を空にしてしまいがちなんです。
蓋がガバガバだから、ブチ撒けちゃうんですよね。
そしてその後に、心が空になった寂しさや虚しさ、無気力さを感じて、すぐに謝ってきたりするんですよ。
DVする人が爆速で謝る仕組みがこれです。
話を戻しますが、理性の蓋の開閉具合によって、人は素直になったりだとか、冷たい対応を取ったりします。
心を閉ざしたり、反対に心を開いたりしています。
黙っている人ほど感性(感情)が豊かと言うのは、強ち間違いではないのかも知れませんね。
うん、人ってすげえめんどくせえですねッ!!
継承者達は、自分の心にある感情の色を固定して戦います。
逆に言うと、戦う時には感情をなるべく一色にしなければいけません。
ペンダントに通す感情に不純物が多く混じっていたら、能力を上手く使えないんですね。
二回目の獣との戦いで【赫怒】を使った情君ですが、あれは羽鳥さんに「んんwwwwお主が死ねばww弓月たそを戦いに巻き込みますぞコポォwwwwww」と言われて怒り、その怒りをペンダントに通したので【赫怒】を使えたのです。
その後、情君は獣に追撃をしながら、心の中で「ごめん……!!」と呟いたので、罪悪感という名の不純物が怒りと混ざりました。
だから獣の反撃に【赫怒】を使えず、右足を怪我してしまったんですね。
情君は長い監禁の最中、様々なことを考えました。
父親の断さん、獣、そして羽鳥さんのことを。
彼らは自分勝手なことをしている人……情君にはそうとしか見えなくなり、どんどん怒りが強くなっていきました。
そして、その激昂が情君の心を蝕み、飲み込みました。
怒りに囚われた心は形を変えていき、情君は怒りに順応していったのです。
結果、情君は自分の意思で【赫怒】を使えるようになりました。
羽鳥さんを殺すという怒りを司ることで。
ちなみに、継承者達が能力を使う際には、目と髪と武器が、それぞれの感情の色で光ります。
【狂喜】と【悲劇】を人に使う時だけは、武器の代わりに手が光ります。
ペンダントは、理性の蓋も関係なく、継承者の感情を持続的に吸い上げて消費します。
チューチュードレイン!!
アレみたいなもんですね。
ペンダントのイメージとしては、マ◯ドナル◯のドリンクにブッ刺して吸い上げるアレ。
つまりこの「感情の色」は、マク◯ナ◯ドの巧妙なステルスマーケティングだったというわけです。
Q.E.D.
また話が逸れましたが、戻ります。
ペンダントを長時間使おうとしても、避けられない制限時間があります。
ペンダントを一時間使えば、心にある感情が尽きます。
その後、一時間の休みを取って、一度心を感情で満たさなければ、再び使うことは出来ません。
心にもクールタイムは必要なんですよ。
では、羽鳥さんの言う覚醒とは何か。
それは、そんな周りくどく感情の色の固定に苦労しなくても、純粋な喜怒哀楽を作り出して、全部上塗りすればいいんじゃね? ってことです。
喜怒哀楽は感情の主成分なので、その上塗りが可能なんですね。
そうして染め上げた不純物の無い、たった一つの純粋な感情をペンダントに通すことで、ダイヤちゃんの【極楽衝動】のような特別な能力を使えるようになります。
情君は、その純粋な怒りの生み出し方を見つけるため。
次いで、完全な獣を倒し、獣化を解決するために、獣に変わってしまった人を狩る決心をしました。
ではそもそも……獣化は何故、理性の蓋を持っているはずの人を、理性のない狼のような獣に変えてしまうのでしょう?
心に覆い被さっている理性の蓋はいずこへ?
どうして狼みたいになるの?
獣が、元々同種の人間を襲う理由とは?
てか、ペンダントが落ちてきたって何スか?
真実はいつも一つ!




