プロローグ
投稿頻度は遅いです。
この世界には100を超える種類の知的生命体が住んでいる。
獣人、スライム、ドラゴン、悪魔など多種多様な生物が生息するこの世界で人間は虐げられる存在だった。
人間はみるみるその数を減らし絶滅寸前まで追い詰められていた。
そんな時に7人の少年少女が現れた。
彼らは瞬く間に外敵を倒し人間が安心して暮らせるだけの領土を獲得した。
彼らは外的を倒すための組織【軍】と外敵を倒すための人材を育成する【学院】を設立した。
彼らを人類は尊敬の意味を込めて勇者と呼んだ。
それから数千年の時が経ち人類は全種族の中でも上位の存在になっていた。
そして今年(人歴5008年)は、【軍】の歴史の中でも特に強い年と言われている。
なぜなら【軍】は13人の奇跡に愛された子供を獲得したのだから。
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(これが学院か、、来るのは初めてだ)
茶髪に蒼眼の少年、如月彼方は学院の前に立っていた。というのも彼は、今年度の受験で最高得点だったので首席として挨拶をしなければならず、その打ち合わせに来ているのだ。
(面倒なのは嫌いなんだけどな·····)
彼方は面倒臭いと思いつつも学院に入っていった。
お城のような外観の学院は中も広く目的の理事長室までとても遠かった。
(なんでこう無駄に広いんだ·····)
一際大きな扉の前に立ち深呼吸する。ノックをし返事を待つ。「入れ」と言う声が聞こえた。
「失礼します」
彼方が理事長室に入るとそこにはこれまた大きな椅子に座った幼女が足を組んでこちらを見ていた。
「初めましてだな。学院の理事長をやっているクロノア・アスティーだ。よろしくな。」
(若いって聞いてたけどどう見ても10歳前後だろ·····)
「なんか失礼なこと思わなかったか?」
「い、いえ決して思ってませんよ?」
(怖い。この人怖い。人の心読めるの?)
「ならいいんだが·····」
(危うく痛い目にあうところだった)
なんとか危機を脱した彼方はここに来た目的を思い出した。
「それで理事長、新入生代表挨拶の件なんですが」
「ああ、それについてはそっちで適当に考えといてくれ」
「では、なぜ俺はこの場に呼ばれたのですか?」
「その前に敬語をやめなさい。この学院は完全実力主義だ。軍で1位の君と私では君の方が強いだろ?」
【学院】は完全実力主義の学校で、貴族や王族がその権力を行使することは許されていない。そんなことが出来るのも【学院】がどこの国にも属していない中立国家だからなのだが·····
「それは分かりませんよ?少なくとも俺が今まで見てきた中でトップ3には入ると思います。」
「とにかく敬語はやめてくれ」
「分かった。これでいい?」
「ああ、助かる」
(実際見た目が明らかに年下の女性に敬語使うのも変な感じするしいいんだけどね)
「ん?何か失礼なこと思わなかったか?」
「い、いや、、思ってないぞ?」
「ならばいいんだが·····気のせいか」
(こいつの気のせいはとんでもないな·····)
「それで、挨拶の件でないならなぜ俺は呼ばれたんだ?」
「うちの生徒会長が君にぜひ生徒会に入って欲しいと言っているんだよ。」
「入らないよ?」
(そんな面倒臭そうなものに入るわけがないだろう)
「残念だがこれは強制だ。受け入れてくれ」
「そんな·····」
生徒会とは【学院】のなかでも学院序列10位以上のものしか入ることが出来ないグループだ。各イベントの運営や新入生歓迎の挨拶等をしなければならない。
彼方はその事を思い出した。
「確か1年生は4月末にある新入生大会があるまで順位はつかなかったはず。そして、生徒会は学院序列10位以内に入らなければ加入できない。」
「その通りだ。よく知ってるな。」
「調べたからね。ということで俺は入れないはずだ。」
「残念ながら君は軍序列1位だ。そして、学院序列は軍序列も反映される。つまり君は実質学院序列1位だ。」
「そんな·····」
(なんでこんなことになったんだ·····)
こうなった理由は入試の時まで遡る。