第2話 キャンサードの王子アクベンス
蟹座国家キャンサードの王子アクベンスは、親友のアセルスと首都グラブにある酒場で先週終結したアクアリア戦争について話していた。
アクベンス「相打ちってどういうことだ?」
アセルス「最後のあの兵が死んだのよ」
アクベンス「助けたはずだろ?8段位魔法まで使ってさ」
アセルス「でも瀕死だったし」
アクベンス「あの兵は戦場から帰ってくるくらいの体力はのこってた。」
アセルス「その魔法感覚あてになるの?」
アクベンス「人の体力はかるくらいわけないよ。それに確かに吸収魔法で体力を吸い取られていたけど、兵士一人が使える魔法で歩けなくなるほど吸い取れないだろ」
アセルス「確かにそうね」
アクベンス「それでも死んだなら他の誰かに殺されたってことになる。あの戦場には敵とその兵二人しかいなかったはずなのに」
アセルス「じゃあなに?誰もいないのに殺されたの?そんなことってある?」
アクベンス「それはどうかな。めっちゃ広範囲移動できる空間操作魔法で飛んできたとか?」
アセルス「アクアリアにそんなのできるの?」
アクベンス「吸収魔法以外に使えないはずだしなー」
アセルス「他の国にも瞬間移動できそうなのないしね」
アクベンス「そうだねーできるのおれくらいかなー」
アセルス「はいはいそうねすごいすごい」
バタン!突然酒場の扉が開き、今日国境を見張っていた兵が二人の間に飛び込んできた。
兵「た、たいへんれす!!アクアリア軍6万の兵が、強化武装して攻めて来てますれす!!」
アクベンス「はあ?!強化武装6万?」
アセルス「もう決着つけに来たのね」
アクベンス「あれからまだ一週間たってねーぞ?」
アセルス「グズグズしない!早く行く!」
アクベンス「はーい」