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throw J

2話です

週1のペースで書いていきたい

藤巻陵は改めて鉈男を観察した。見た目はただの商社マンのようであった。スーツにはしわ一つなくいつもアイロンをかけているようであった。それに縁が黒い眼鏡をしていた。右手の鉈を除けば本当にただの商社マンのようであった。

「これが気になるのか?」

鉈男は鉈を見ながら尋ねた。

「それならあげるよ」

鉈男は優しく言って鉈をこちらに放り投げてきた。

陵はかわす。その瞬間鉈男の表情が変わった。先程の優しい表情は消え代わりに悲しい表情が現れた。

陵は本能のようなもので殺気を感じ取りすぐに走り出した。後ろからは鉈男が迫ってくる。

「何なんだよお前!」

陵は走りながら尋ねた。

男は答えない。

逃走劇は続くが鉈男の方が速く陵は追いつかれてしまう。そして鉈男は陵の腕を斬った。斬られた腕からは斬られた部分を満たすかのように血が流れてくる。

「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

陵は叫んだ。無我夢中で走った。そして花畑が途切れているところを見つけ、そこに向かって走った。

しかし途中で植物の根のようなものに足を掬われ転んでしまう。彼は死を覚悟した。そんな彼を嘲笑うかのように鉈男はゆっくりと迫ってくる。迫りながら鉈男は言った。

「世界は歪んでいる。自分の罪を正当化するために傀儡を作り、使った傀儡をすぐに捨て、それを平気で踏み潰す。私は全盲の女神を信じてはいない。私が信じるのは」

そこで彼の言葉は止まった。鉈男も同じように根のようなものに足を掬われ転んでいた。陵は今だと思いすぐにその場から離れた。鉈男が何かいったような気がしたが気にせず花畑を抜けた。外には誰が呼んだのか警察官や重装備の人がたくさんいた。警察官の一人が言う。

「君が藤巻陵君だね。速くこっちに」

言われるがままに陵は歩いた。そこには救急隊の方達がいた。やっとこの悪夢から解放される。そう思って彼は眼を閉じた。



「あー面倒臭え、糞が」

雨森は悪態をついた。

「そんなこと言わないでくださいよ。警察は市民を守るのが仕事なんですから」

新崎は少し謙遜して言った。雨森が悪態をつくのも無理はない、どんなに真面目な警察官でも突然花畑が出現し、そこで斬殺事件が起きたなんていう不可思議な事件普通捜査したがらないだろう。

「んで糞ガキはどこだよ。それと状況は」

雨森は悪態をついているが、眼は刑事の眼になっていた。

「機動隊が突入した結果4人の死体が見つかりました。その4人は1ヶ月前から行方をくらませていた学生のグループでした。まずは怨恨の線から当たってみましょう。今から会うのはその花畑事件の生存者です」

新崎は冷静に解説する。

「生存者は独りか?」

雨森が尋ねる。

「この1週間の行方不明者は10人です。4人死亡していて、5名生存、そして...」

新崎は言う。

「最後の一人斉賀原グループの御曹子、斉賀原優秋は

依然行方不明のままです」

新崎は少し悲しげに言った。


読んで頂きありがとうございます。相変わらず手が冷たい二本針怜です。ここでは下らない話しかしません。何か良く分からないんですが最近猫をよく見かけます。そんな猫さんのお近づきになろうと思っていつも猫じゃらしをもって草原を歩き回っています。

全然こっちに来てくれませんが。

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