表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
238/265

アルメリア公爵領へ

短いですが、本日三話目の投稿です

「……失礼致します、隊長。各々の補給が、完了致しました」


何とか兵士たちの士気を上げつつ、彼らの心を掌握することに成功した後、私は彼らを率いてアルメリア公爵家に向かっていた。


いつの間にか『隊長』と呼ばれるようになっていたけれども……まあ、統率する上では必要なことだろうと私はそれを訂正することはない。


途中途中で休憩兼補給を重ねつつ、およそ通常の二倍の速度で、着実にアルメリア公爵領へと近づいていた。


「結構。そろそろアルメリア公爵領に到着する……各人、再度装備の確認を徹底してさせておくように。あと、十分で出るわ」


隊長という立場に合ったような言動で振る舞う。


「はっ!」


伝達が終わった後、私はザッと休憩している護衛兵たちの様子を伺った。

兵士たちの緊張が、アルメリア公爵領に近づくごとに増しているような気がする。

特に、今まで戦いの場に赴いたことのない者については、それが如実に表れていた。


「シュレー。緊張で固まっているような者がいたら、声をかけておいて。適度な緊張は良いけれども、過度なそれは動きを鈍らせる」


「畏まりました。ただ、すぐに吹っ飛ぶと思います。貴女の戦いを、間近で見れば」


シュレーもまた、普段の軽口と飄々とした雰囲気はどこへと行ったのやら……重々しい雰囲気を漂わせていた。


私と戦場を共にしたことのある古参の面子はシュレーのように、新たな面子とはまた違った緊張感の高まりを見せている。


押し潰されそうなほどのプレッシャーを伴う緊張感が前者だとすれば、興奮やら昂りといった感情を伴う緊張感が後者といったところか。


後者については、私が先頭に立っているということが大きいのかもしれない。

既に私の戦いぶりを間近で見たことのある彼等は、私と再び戦場に出ることに興奮しているようだった。

かつての、戦いを思い出して。

それは先ほどの、シュレーのように。


「果たして、それはどうだか。とにかく、頼むわ。問題があると貴方が感じたのであれば、報告をちょうだい」


盲信と表して過言ではないほどの彼の様子に、私は苦笑いとともに、思わず普段の口調で返す。


そして十分後、問題なく全ての指示を完了させたというシュレーの報告を受け、再び私たちは出発した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
黒色火薬の発明って現実世界では中国で7世紀前半に発明されたといわれているけれど、この作品世界では為されていない?
[気になる点] 既に完結しているので、今更だが、、、 絹が出てくるのに、何故 弓矢が 武器として登場しないのか??? ボーガンとまではいかなくても 普通に弓矢はあると思うのですが ('ω')
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ