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冒険 参

3/3

「……参った。あんたが連れてくるからどんな女かと思いきや……良い女だなあ、ディーン」


「ああ、そうだろう?」


ディーンの同意に、胸がキュンとする。

だから、自重して。


「俺らはどんな綺麗な言葉で包もうが、所詮、ならず者だ。だけど、俺らだって俺らのルール、最後の超えちゃならねえ一線っていうのを理解している。……つまり、だ。貴女の期待に応えられなきゃ、名前が廃るってもんよ」


「……ならば、協力してくださる?貴方たちの力を、私に」


「おうともよ。むしろ、こっちが助けて貰う側だ」


取引、成立……ね。

顔には出さないが、うまく交渉ができたことに安堵の息を漏らす。


グラウスとのパイプもできたし、成果は上々。

とはいえ、まだ事は解決できていない。

ここからが、本当の本番。


「……なら、早速だけど。貴方たちの拠点を全部開示して」


私のお願いに、グラウスは頷いた。


「ならば、自分が」


それを見て、壁に立っていた男が近づいて地図を覗き込む。

そして、次々と場所を指差していった。


「……ここだわ」


「何故、そこだと?」


「ここの下を、工事中の下水道が通っているのよ。役人に協力を得ているなら利用することも可能でしょうね。ボルティックファミリーの皆さんが来る時に一時的にそこに品物を置いて隠したりだとか、自身が移動する時に利用することもできるわね」


「……なるほど」


「ついでに、お誂え向きに、ターニャが調べておいてくれた首謀者たちの根城もすぐそばなのよ、これが」


ココと指差して示せば、ディーンは納得したように頷いた。


「……どうしますか?このまま、行きます?」


「ええ……その前に、交番に寄ってターニャを迎えに行くわよ」


「畏まりました」


「場所は、教えたわ。……だから、貴方たちも動くわよね?」


「ああ。俺たちの手で片をつけてえからな。……だが、良いのかい?」


「ええ。貴方たちの顔を立てないとねえ。少なくとも、関与が囁かれているウチと違って、貴方たちは一部事実だものね。……その代わり、茶色の髪のディダという男だけは救出してね。まあ、貴方たちにどうこうすることはできないと思うけど……」


「ほう?」


「……それから、生半可なものじゃあダメよ?貴方たちの元仲間を庇い立てするような真似をしたら、私はすぐさま護衛たちを派遣するから」


「ははは……!そりゃ良いな。野郎ども、支度をしやがれい!」


グラウスの掛け声で、男たちは盛り上がりを見せた。


「それじゃ、私たちはお暇させてもらうわ」


「おうよ。今回の件が片付いたら、また来いよ!一杯やりたいもんだ」


「あら、素敵。楽しみにしているわ」


そして、私たちは急ぎ表通りに戻った。


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