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戦争を作っているもの

作者: 騎士部 露颿

これは今からおよそ500年後の話、およそ50もの国の連合軍とおよそ30もの国の反連合軍組織との間で戦争が起こっていた。この時代の戦争で使われる兵器は飛行機や戦車ではなく、有人の犬型ロボや人型ロボが使われている。連合軍にニールというエースパイロットがいる。ニールの腕前は世界一と言っても過言はない。一回の戦闘でだいたい20機近くは落としている。ニールは戦争が嫌いだ、だからこそ反連合軍組織を倒し早く戦争を終わらしたかった。しかしニールの願い通りにはならなかった。戦争は長引き、ついに半年が過ぎた、連合軍では半年に一回休暇を取れることになっている、ニールも休暇を取り故郷に帰った、帰ると嫁とまだ3歳の子供が待っていた。ニールはただいまと言って家に入る、こんな当たり前のこともニールとっては特別だった、いやニールだけでなく戦争に行っていた誰もがそう思ったはずだ。ニールは子供たちと素晴らしい時間を過ごした。休暇中、ニールは自分がエースパイロットで大活躍していることは、一回も話さなかった、なぜなら嫁がその話を聞いてショックを受けないかと思ったからだからだ。そして休暇が終わった日の朝、嫁と子供にこう約束してまた戦地に向かって行った。

「必ず戦争を終わらします。戦争が終わったらきっと帰ってきます、だからそれまでどうか、お元気で」

そして、またニールの戦いが始まった、ニールはそれからもかなりの活躍をした、その活躍が認められロボを特注の高性能の物にしてもらったりし、戦争を終わらすために反連合軍組織のロボを落とし続けたが戦争はなかなか終わらない、ニールは毎日、速く戦争が終わることを願って戦い続けた。ある日の作戦で反連合軍組織の基地を襲撃することになった。

「作戦開始。行くぞ」

ニールはこの作戦の隊長を務めている。

「俺、生きて帰れるかな。」

弱い声で新兵が言った。

「大丈夫だ、俺が守ってやる。」

ニールは静かに言った。

「基地発見。これより奇襲攻撃を開始する。」

戦闘が始まった周りには銃声が鳴り響きロボが次々に破壊されていく、ニールもロボとロボの肩がぶつかるほどの狭い場所での戦闘は初めてだ。カチカチあっ弾切れだ。弾を使い過ぎた、ニールは慌てて弾をセットする。そこに一発の弾丸が飛んできた。ニールもさすがにこの時はやられると思った。

「くぅ」

この時は全てがスローモーションのように感じた、さっきの新兵がニールのロボの前に立ちはだかり、ニールを弾丸から守っていたのだ。

「さっき・・守ってくれるって言って・・・もらった時凄い嬉しかった・・・です。」

その時ニールの中で何かが変わった。ニールは副隊長に後のことは頼むと言って敵の塊に突っ込んでいった。ニールは敵機を2機捕まえてこういったそうだ。

「戦争を作っているのは俺か?。俺が死ねば・・・戦争、終わるかなぁ。みんなごめん・・・」

それから4年後戦争は連合軍の勝利に終わり、ニールの死んだ場所にはナイフをコックピットに刺したニール特注のロボが緑に囲まれて世界平和を見守っている。

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