表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/15

3

 通されたのは大きなテーブルが中央に置いてあり、椅子が何脚か置かれている広い部屋だった(会議用の部屋らしい)。この部屋が家の大部分を占めているみたいで、寝室や台所などへ直接続く扉がいくつかあった(扉自体は開いている)。

 村長さんは私に座るように促すと台所へと向かった。ジャックさんは何も言われずとも勝手に座っている。長い付き合いなんだろうね。

 少ししてから、手に三つのコップをのせたお盆を持った村長さんが戻ってきて、私とジャックさんの前に置いてくれた。中は・・・多分お茶だと思う。


「ありがとうございます」


 礼を言うと、村長さんは驚いたように片眉を上げ、しかしすぐに優しそうな笑みを浮かべて一つ頷いた。

 コップは木製で、ツルツルとした手触りが気持ちいい。なみなみと入った冷たいお茶を、のどが渇いていた為に一気に飲み干した。味は麦茶っぽいな。

 はふう、と満足げな溜息を吐いた私は、可笑しそうにこちらを見ている二人に気付いて顔を赤くした。だって水分取らずにいた上に、パンまで食べたんだからのどが渇くのは仕方ないでしょ!


「さて、話を聞こうかの。ワシはこのエレン村の村長をしておるフェスタルじゃ。ジャックさんが信用しているようじゃし、お嬢さんのことも信用しよう。じゃが話によっては村長としてこの村を守る為に、お嬢さんを拘束する事もあるからの。それは覚えておいてほしい」


 うわ、やっぱり? 私って怪しい人だよね? でも事前に知らせるって事は、村長さんなりの誠意なんだろうな。真剣に話を聞いてくれるって事だろう。

 ジャックさんの方を見ると、安心させるような笑みを向けてくれたので困惑しつつも焦りはなかった。


「彼女は異世界人のようです。見慣れない服装や顔立ちもそうですが、黒髪黒目は特徴に当てはまります」

「ふむ。確かに。かの英雄も黒髪黒目じゃったらしいしの。じゃがお嬢さんは強そうには見えんが・・・」


 ちょっと待ちんしゃい。その話しぶりからすると、以前にも異世界人がいたという事ではないか。

 私は慌てて二人に問いかけた。


「あの! 話を聞いていると、前にも他の世界から来た人がいるように聞こえるんですが!」


 私が勢い込みすぎたのか、二人は顔を見合わせて苦笑を浮かべた。


「スマンの。お嬢さんには訳がわからんわな。これは昔にあった英雄物語でな。世界を支配せんとする魔王を打倒した英雄二人のうちの一人、リョウタ。彼は神によって召喚されし異世界人じゃという話じゃ。そして彼は黒髪黒目をしておったという。お嬢さんと同じじゃ」

「・・・そうですか。それでその人はその後・・・?」

「わからん。魔王と相打ちになったという話もあれば、元の世界に帰ったという話もある。何せ200年も前の話じゃからの。詳しい話は残っておらんのじゃ」

「・・・・・・」


 勢い込んだあまり前のめりになっていた体を椅子に預けて、私は深い溜息を吐いた。

 おそらくそのリョウタという人は、私と同じ世界の人なんだろう。名前が日本人っぽいし。ってかもし召喚されていたのが外国の人だったら、私は異世界人だとは思われなかったという事でしょうかね・・・。まあそんな事は置いといて。

 リョウタとやらは魔王を倒したという。じゃあここにいる私も何かをするために呼ばれたんだろうか。『世界に導きを・・・』という言葉が聞こえたんだし、何かしら使命とやらがあるはずだ。ならそれを成し遂げれば元の世界に帰れるかもしれない。リョウタも元の世界に帰ったという話が噂程度ではあるが存在しているのだし。

 というか、魔王を倒すほどの強さを持つのは異世界召喚物のテンプレなのか。確かに今まで読んだ物語ではそういうのが多かったけど。なら私の場合は・・・。


 占いしかできませんよ!?


「えっと・・・なら私がここにいるのは、もしかして魔王が復活したとか、世界の危機だとか・・・?」


 恐る恐る二人に訊いてみると、二人は揃って首を横に振った。


「そういう話は聞いた事がない。魔物が出るのは日常茶飯事だし、国同士の争いはここ百年はないはずだし。同盟も結んでいるから平和そのものなはずだよ」

「うむ。ジャックさんがそう言うならそうなんじゃろうな」


 村長さんはジャックさんをとても信頼しているみたい。ジャックさんの人柄が良い事もあるようだけど、なんと彼はこのエッケリオンというらしいの王都に店を構えているらしい。しかもかなりな大店で、豪商とも呼べるほどの商人だそうだ。ジャックさんの手助けで商人になる人も多く、元締めのような存在らしい。だから王様に会った事もあるって。すごいね、うん。

 で、ジャックさん自身が一代で伸し上げたその店は今は息子に任せて、自分は村や町を回っているんだって。いろんな人に出会うのを楽しみにしているから、と本来なら部下に任せる配達などを引き受けているという、なんとも素晴らしい人だね。見た目は凡庸な顔なのに。そんな人だから村長さんも信頼しているんだろう。


 ってか自然すぎて普通にスルーしちゃってたけど、魔物がいるのね、ここ・・・。


「君がいた世界では魔物はいなかったのかい?」

「魔物っていうのがどういうものか知りませんが、私の世界にはいませんでしたね」

「それじゃあ魔物を知らんで当たり前じゃな」


 村長さんがふむ、と一つ頷くと、魔物について教えてくれた。

 なんでも魔物とは普通の生物とは違う存在らしい。邪気という、人の負の感情が高まると発生する黒い瘴気から生まれるらしく、生物とは捉えられていないそうだ。邪気は少量なら自然消滅するが、森や山、川などの人があまりいない場所に集まって密度を増していくらしい。魔物は動物と同じ姿形をしているものが多いが、中にはドラゴンや妖精に似たものもいるという。更に大量に邪気を取り込むと魔族という人の姿に近い魔物になるんだって。魔族は知性を持ち、強力な魔法も使うらしい。


「ん・・・? 魔法?」

「どうしたんだい?」


 説明を聞いていた私は、話の中で魔法という言葉を聞いて首を傾げた。


「この世界では魔法が存在するんですか?」

「ん? お嬢さんの世界では魔法は存在せんのか?」

「はい。さっきジャックさんにも話していたんですが、私の世界では科学が発展しています」


 ここで私の浅いうんちく再び。やっぱり乗り物の話などは興味の対象になるのか村長さんも興奮して聞いてた。まあこの世界には機械が存在しないらしいし、ジャックさんが乗っていた馬車がこの世界の乗り物なのだから当然か。・・・引いてたのはトカゲだけど。ちなみに馬もちゃんと存在するらしいんだけど、トカゲだったのには理由があるんだって。


「あれはリトルドラゴンといって、ドラゴンの一種だからね。魔物は自分より強い存在には近寄らないから、あいつがいれば護衛はいらないんだよ」


 この世界での最強の種族といえば、王道ともいえるドラゴン。強力な魔力を持ち、口から吐くブレスは金属をも溶かす。体長30メートルにも達する大きな体なのに俊敏で、飛翔力も高い。知性も高く、人との会話も可能。

 リトルドラゴンは知性は低いし体も小さく翼もないが、ブレスを吐くし俊敏で力も強い。そこらの魔物では太刀打ちできないので、寄ってくる事はないそうだ。幼いうちから躾けておくと、人に慣れて飼う事が出来るので、結構人気らしい。まあ食費がかさむらしくお金持ちしか飼わないらしいが。ちなみにドラゴンは亜人の一種ではあるが、リトルドラゴンのように知性が低いものは動物という扱いらしい。


「大抵の魔物はある程度剣の腕があれば倒せる存在だ。だが強い個体もいるし、弱くても群れをなす事があるから、数が多いと危険でね。だからこの世界には冒険者がいる。ギルドという仕事を仲介してくれる場所を通じて、どこそこの魔物を倒してほしいという依頼を報酬と引き換えに達成してくれる存在だ。まあ他にも色々な依頼があるから、便利屋みたいな存在だと思ってくれたらいいよ。本来なら彼らに護衛を頼む商人が多いんだけどね」


 普通の商人は冒険者を数人護衛として雇い、移動するのが常識だが、ジャックさんの場合はリトルドラゴンがいるから必要ないらしい。特にこの辺りに出る魔物はほとんどが弱い為、問題ないと。尻尾ふりふりしながら歩いていた姿からは想像できないんだけど。

 あとすっかり忘れてた魔法についてだけど、これは使える人が少ないらしい。なんでも魔法に付きものの魔力を持つ者がなかなか産まれなくなっているそうだ。昔はたくさんの魔法使いがいたらしいんだけど、今は少ない故に貴族のお抱えになったり王城で宮仕えしていたりする人が多いんだってさ。

 ってか王様とか貴族とか、ホント物語みたいだね。私は関わる気ないけど。


「英雄物語ではリョウタは強い魔力も持っていたらしく、いろんな魔法を使っていたという。同じ異世界人であるお嬢さんなら強い魔力を持っているかもしれんのう」

「・・・魔法なんて使った事ないですよ?」

「そりゃ存在しない世界にいたんじゃしな。じゃがこっちの世界では使えるかもしれん。魔法は想像が大事じゃと聞いておるぞ。詳しい事はわからんが」


 おいおい。何期待してるんですか村長さんよ。ってかジャックさんも何キラキラした目で見てるんですかい。


 思わずジトリ目になったのは仕方がないと思います。


(でも実際魔法を使えたら便利よね。元の世界でも魔法に憧れている人はたくさんいたし)


 私自身は別に憧れなどは持っていなかったが。まあ、占いがあった所為かもしれないね。

 一応二人に期待されているわけだし、ものは試しだ。やってみよう。出来なくても、詳しい事がわからないのに期待する無責任な村長さんに責任転嫁すればいいや。


(えっと・・・想像が大事って事は、要は妄想力よね?)


 この世界の魔法使いが聞いていれば頭を抱えそうな事を考えながら、私は指の先に火が灯るイメージを頭に思い描く。なぜこれかというと、出来たらかっこいいじゃない?


「・・・あれ?」


 しばらく自分の指先を見ていたけど、何も出なかった。火どころか煙りさえ。・・・あれか、私の妄想力が足りないのか。

 何度か同じイメージを思い描いてみたけど、やっぱり何も起きなかった。私には魔法は使えないのか、とほほ。


「・・・まあ詳しい事はわからんのじゃし、今出来ないと決めつける事もあるまいて。それでお嬢さんはこれからどうするのかね?」


 明らかに話逸らしたよね。目が泳いでるもの。まあこれからの事も大事なんだけど。


「元の世界に帰る方法を探します。そういう事に関する情報が手に入りそうな場所ってありますか? 図書館みたいな、本がいっぱいあるところとか」

「ふむ。この国の王都ならば蔵書館があるな。さまざまな本が所蔵されていると聞いておる。王都の事はジャックさんの方が詳しいじゃろ」

「そうですね。蔵書館なら何か情報があるかもしれません。でも機密扱いの本は城の中に保管されているらしいので、もしかしたらそちらにある可能性もあります。その場合は王様の許可が必要になるので、閲覧は無理でしょうが」

「そうですか・・・」


 図書館、じゃなくて蔵書館に必要な情報がある事を願うしかないか。


「なら占ってみましょうかね」


 私がちゃんと元の世界に帰れるかどうか。


「占う? 占星術の事かい?」

「お嬢さんは占星術師かね?」

「え・・・この世界にもあるんですか?」


 占星術って確か、星や惑星の位置などによって吉凶なんかを占うんだっけ。昔の天文学かなんかだったかな。


「王都に星政庁という占星術を専門に研究している機関があるんだ。もっとも国の機関だから私達庶民がおいそれと占ってもらえないけどね。占ってもらおうと思ったらかなりのお金が必要だし。ちなみに的中率はそんなに高くない・・・という噂だ」


 ん? なんかジャックさんの言い方に棘があるような?


「昔、息子の事で占ってもらおうと大金も出したんだが、おざなりに対応されてな」


 なんでもジャックさんが商人として一人前になってすぐの頃、息子さんが大病を患ったらしい。いろんな医者に診せたが治療法は分からず、もう長くないと言われたそうだ。藁にも縋る思いで大金を払って占星術師に占ってもらったのだが、適当にあしらわれた上に占い結果は的外れな内容だった。結局たまたま王都に来ていた他国の商人が治療法を知っていて、薬を取り寄せてくれたそうだ。その時の縁がきっかけで、ジャックさんはいろんな人と出会うのが楽しみになったんだって。


「占いは当てにならなかったと抗議すれば、王族でも貴族でもない者の頼みを聞けるほど暇ではない、と返されたよ」


 その時の事を思い出したのか、ジャックさんの顔が顰められる。

 怒りは尤もだと思う。お金だけとって頼みは聞けないって、詐欺もいいところだ。訴えられても文句は言えないぞ、こら。


「唯一の救いは、当代の王様が占星術を信用していない事だね。先代までは国の重大事でも占星術に頼っていた部分があったから。まあこの国における占星術の力が大きい所為もあるだろうけど」


 宗教みたいなものかな。占星術の的中率が低かろうが、長年信じられてきたものを覆せるほど人の信仰は柔ではない。というか宗教ほど厄介なものってないよね。自分の信じるものに従って動くわけだし、それで犯罪を犯す人もいるし。中には金儲けをする人もいるんだよね。前に私の占いの評判を聞いたある宗教の信者だっていう人が、神様の思し召しだ、とか何とか言って私を引き入れようとしたんだよね・・・。あの時の目が怖かったよ。あれは金づるを見る目だね、うん。


「私の占いはタロットカードを使うので、占星術とは違いますよ」

『たろっとかーど?』


 聞き慣れないのか、首を傾げている二人。というか占いに対して恨みを抱いていそうなジャックさん、占ってもいいんでしょうか。


「占星術じゃないなら大丈夫だよ」

「・・・そうですか」


 いいらしいので占う事にします。

 いつも肌身離さず身につけている(マジで風呂以外はずっと)タロットカードを取り出して、二人に見せる。カードは私の商売道具であり、分身でもあるので、専用の小型ポーチを作って服の下に身につけているのだ。

 感心したように見ている二人の前で、絵柄と数字に分け、絵柄の方を素早くきりまくる。気のすむまできりまくったら、三枚のカードを横一列に並べ、左から順番にめくっていった。頭に思い浮かべたのは、私が元の世界に戻れるかどうか。


「『星』、『○』、『ハート』か・・・」


 他人が見たら訳がわからない絵柄だが、私の見立ては次のようになる。


「何かやる事があって、それを成し遂げたら帰れる、ってところか。やっぱり使命でもあって召喚されたのかな? でも恋愛・・・重大な事っぽいけど、後々いろんな事がありそうだなぁ」


 私の勘が言っている。これから様々な事が起こるので覚悟せよ、と。


 ・・・私、何か悪い事しました?


 まあ嘆いていても何も始まらないんだけどね。

 溜息を吐きつつ顔を上げると、まじまじと私の顔を凝視している二人の顔がありました。


「な、何ですか?」

「今のがお嬢さんの占いかのう?」

「そうですが・・・」

「ふむ。ワシは占星術がどんなふうに占っているのかは知らんのだが、お嬢さんのような占い方はおそらくこの世界にはないじゃろうな」

「そうでしょうね。これは私の勘任せな占い方法ですから」

「勘任せ?」

「はい」


 詳しく知りたがっている二人に、私独自の占いについて教える。どれだけ非現実的なのかは自分でも分かっているので、訊かれれば隠さずに答えているのだ。


「ふむ。それがお嬢さんの魔法かの?」

「私がいた世界に魔法は存在しなかったので、違うとは思いますが・・・」

「それじゃあ特殊能力、とでも言うのかな」


 ジャックさんの言葉に、躊躇いがちに頷く。勘が鋭すぎるって、やっぱりそうなるのかな。よく苛められなかったもんだよ、私。


「とにかく、お嬢さんの占いでは何か使命がある、という事じゃな。それでお嬢さんは王都へ向かうという事で良いのかの?」

「はい。この世界の事も知りたいし、王都というくらいですからたくさんの人がいるんですよね。そこなら私が何をするべきか、わかる気がしますから」

「そうか。ならお嬢さんがするべき事は一つじゃな」

「するべき事?」

「お嬢さんの世界とこの世界では違いがたくさんある。中でも一番大事なのは、お金の事じゃないかね?」

「あ!!」


 村長さんに言われるまでなんで気付かなかった私! そうだよ、お金だって何もかも違うじゃん! って事は・・・今持ってる財布の中身は無用の長物という事に・・・。ガーン・・・。


「お金を稼ぐって事ですね・・・」

「そうじゃ。いくら平和だからといって、魔物が出る恐れのあるこの世界では何があるか分からんからの。おいそれと貸す事はできんのじゃ。それに自分で稼がねば意味はなかろう?」

「はい。それはよく理解できます」


 特に私は異世界人で、ある意味得体の知れない人物なのだ。ホイホイと貸せる人はいないだろう。

 村長さんの目には先ほどまでの鋭い色はなかった。代わりに慈悲の色が出ていて、ワザと厳しくして私の性根を引き締めようとしているのだとわかる。おまけに今の村長さんの言葉は、魔物に対する恐怖を知らない私に言い聞かせる為のものだったんだ。

 武術の経験もない、魔法も使えない弱い私は、誰かに守ってもらうしかない。その為にもお金は必要だ。仕事でもなんでも、やらせてもらおう。


「見たところ貴族かそれと同等の身分の出だと思うのじゃが、お嬢さんは何ができるのかね?」

「・・・は?」


 意気込んでいたところに、村長さんのそんな言葉が聞こえて思わず変な声が出ちゃったや。


「私、庶民・・・平民ですけど」

「平民? それにしては髪はきれいだし手も荒れておらんが・・・」


 んん? と互いに首を傾げるが、ハッと気付いた。この世界には機械はないんだった。ハンドクリームなどもないか、あっても高級なのかもしれない。機械がないなら洗濯も手洗い? まあ施設にいた頃は小さい子の汚れた服なんかは洗ってあげてたけど、一人暮らししだしてからは洗濯機任せだった。お風呂があるかどうかもわからない上にシャンプーやボディーソープなどもないんだろうなぁ。・・・私、ここでやっていけるのか?

 とにかく、髪や手が荒れていないのが当たり前だと思っていた考えを改めねば。


「あ、そう言えば村長さんがお茶を出してくれた時に御礼を言ったら驚いていたのって、私が貴族だと思っていたからですか?」

「うむ、そうじゃ。身分の高い者は世話をされて当然だと思っておるからの。礼など言わんのじゃ」

「あはは・・・」


 村長さんよ、昔何かあったのか。先ほどのジャックさんと同じように棘があるよ。


「何ができるのかと訊かれても、こちらの世界の常識すら分からないので・・・。今のところは占いだけ、としか」

「確かにの。常識の他にも、罠の張り方や獲物の捌き方なども覚えねばならん」

「え・・・」


 マジですか・・・。


「貴族なら覚える必要はないが、平民なら覚えておく方が良いからな。ワシらがきっちり教えてやろう。それからこの村には宿屋がないでの。この家に泊まるとええ」

「よろしくお願いします・・・」


 ありがたいんだけど・・・ちゃんとやっていけるのか心配です。

次の話から説明が多くなります。読みにくいかもです・・・。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ