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S・O・S~08~

風邪ひいて執筆間に合いませんでした…。

すみません。


何はともあれ、九話始まります。

〜Mikuルート〜


−Miku−


私は、携帯のディスプレイを見つめてその場に立ち尽くした。

どうやら雄介さんは、来れないらしい…。

私は、とぼとぼ歩き出し、向日葵公園を後にする。









どれくらい歩いただろう?意味も無く、ただただ長い時間歩き回って疲れたので、私は近くのベンチに腰掛けた。

…ひどい、ひどいよ雄介さん……。あんなに楽しみにしてたのに、ドタキャンするなんて…。

嫌い…、雄介さんなんて大っ嫌い!

心の中でそう呟く。私は、遂に泣きだしてしまった。「うっ……うぅ……ひどいよ…ひどいよ、雄介さん…」

私の心の呟きは、いつの間にか声となって、外に漏れていた。

――ここで、不意に人の気配を感じた。

私は、視線を上げる。見ると、目の前に知らない男の人が2人。

「どうしたの?お嬢さん、泣いたりなんかして。悲しいことでもあった?」

「俺たちが慰めてあげようか?クククッ…」

「誰ですか!あなたたち!」

私は、立ち上がりそう言葉をぶつける。

「名乗るほどの者でも無いさ」

「それより、悲しいことがあったんなら、元気を出させてあげようか?気持ちいいことをして。クククッ」…この2人、絶対よからぬことを考えてる。関わらないで、立ち去った方が良さそう。

私は、無言でベンチから立ち上がり、その場を離れようとした。しかし…

「おいおい、無視するなんてヒドイな」

「ちょっとくらい構ってくれたっていいじゃんか」

そう言われ、片方の男の人に腕を掴まれる。

「ちょっと!放して!」

私は、必死に振り払おうとするが、私じゃ男の人の力にかなう訳が無かった。

「逃がさねぇよ。こんなに可愛いくて、スタイル抜群の女の子なんて、そうそう居ないからな。俺らが可愛がってやるよ」

「なぁ、今ここでヤっちまおうぜ。ここ人通り少ねぇし」

「それいいなぁ!ヘヘッ」そう言って、片方の男の人が後ろから私の両腕を掴んで自由を奪う。

「嫌ッ!止めて、放して!」

私は、必死に抵抗する。

「いいねぇ。その怯える表情。ま、観念するんだな」もう片方の男の人が、私に向かって手を伸ばす。

私は、大声助けを呼ぼうとした。でも、恐怖で声が出ない。

…嫌……嫌だ…、こんなの嫌だ!誰か、誰か助けて!助けて、助けて雄介さん!そう心の中で叫んだ時…

――Miku!―

どこからか私を呼ぶ声が聞こえた。その刹那…

「ぐはぁ!」

私に手を出そうとしていた男の人が前方に吹き飛んだ。そして、私の前に現れたのは…

「ゆ、雄介さん!!」













−Yusuke−


「チーフの野郎!後で絶対なんか嫌がらせ的なことしてやる!」

俺は、向日葵公園へと続く商店街を全力疾走で走っていた。

あの後俺は、チーフに仕事を押し付けられた。その量は、3時間で終わる訳が無い程多かった。

だけど俺は諦めずに、Mikuとの約束の時間までに終わらせようとした。でも、その膨大な量の仕事は終わらず、俺はMikuに謝罪のメールを送った。

するとその直後、松本が話し掛けて来て、

『なぁ、なんか用事あるんだろ?後は俺に任せろよ。これくらいなら俺にだって出来るしさ。チーフには、ちゃんと事情を話しといてやるから、行きなよ』

と言ってきた。

この時だけは、松本が神様に見えた。俺は、松本に何度も何度も礼を言って、会社を飛び出した。その道中、Mikuにメールを送った。


From:Miku


本文

何度もごめん!俺の同僚が残りの仕事引き受けてくれたから、今からそっちに向かう。待ってて!


そう本文を打ち、送信ボタンを押して、また走りだした。

流石に4時を回ると、商店街の人口密度は、急激に増している。そのせいで、何度も人にぶつかってしまっい、ものすごいタイムロスだ。

「はぁ、はぁ、全く……タイミング…悪過ぎ…だろ……」

俺は、やっとの思いで向日葵公園に到着。しかし、そこにMikuの姿はない。

…当たり前だ。約束の時間からもう30分以上経っているんだから。

「もしかしたら、まだ近くに居るかもしれない」

俺は、ここから家への道を辿ることにした。

いつも通る道へ向かおうとした時、ふと足を止める。…何だろう?こっちじゃなく、若干遠回りの道を行った方がいい気がする。理由は分からないが、こっちに行かなければ、と俺の勘が言っている。

俺は、戸惑いながらも遠回りの道を行くことにした。








「はぁ、はぁ……本当に、こっちでいいのか…?」

あれからしばらく走って来たが、未だにMikuの姿は見えない。こっちに来たのを後悔しかけた時だった。

「ちょっと!放して!」

「っ…!!Miku!?」

悲鳴とも呼べるような叫び声が聞こえてきた。紛れもない、これはMikuの声だ!…何かMikuの身にあったのかもしれない。

俺は、声の聞こえてきた方向へと走りだした。









その場に駆け付けた時、俺は驚愕した。

Mikuが不良の二人組に絡まれている。見ると、一人に両腕を掴まれていて、今にも襲われそうだ。

……どうしよう…。助けなければ、と思うが、恐怖で足が竦んで動けない。

我ながら情けない…。目の前で女の子が、しかも自分の大切な人が襲われているというのに、俺は、ここを動くことができない…。頭では助けに行きたいと思うのに、体が危険を察知し、それを拒絶する。

(…くそっ!なんで動かないんだよ!頼むから動けよ、俺の体!)

その時だった―

―助けて、助けて雄介さん!――

「!!」

Mikuの助けを求める声が、脳内に響き渡る。その声がきっかけだった。助けたいという思いが増幅し、俺の体の拒絶反応が押し殺された。次の瞬間、俺は、Mikuに手を出そうとしている男目がけて走りだした。

「Miku!!」

Mikuの名前を呼んだ。少しでも安心させたかったから。

そのまま、男に渾身のパンチを食らわせる。

「ぐはぁ!」

男は、そのまま前方に吹き飛んだ。

「ゆ、雄介さん!」

俺は、瞬時に次の行動に移った。Mikuの両腕を掴んでいる男にも同様に、パンチを食らわせる。

「がはぁ!」

Mikuの両腕から男の手が離れる。

「Miku!逃げるよ!」

「は、はい!」

急いでMikuと共に逃げようとする。しかし…

「てめぇ!何しやがる!」最初に殴った男が俺の腕を掴んできた。

…くそっ、俺の力じゃ怯ませるのが精一杯か…!

ここで取れる最善の策は…「Miku!このまま逃げるんだ!」

Mikuをこの場から逃がすことだ。

「雄介さんを置いていくなんて、そんなこと出来ません!」

しかし、Mikuは、それを拒んだ。

「いいから行くんだ!」

「でもっ!」

「俺は、大切なMikuを傷つけたくない!」

「……!」

その一言がきっかけだった。Mikuは、意を決したように「すみません!」と言って逃げ出した。

…さて、これでもう安心だ。まぁ、俺は、無事で居られるか分からないけど…。俺は、この状況から逃げ出す策を考えていた。ここでとるべき最善の策を。

すると、腕を掴んできた男が俺に襲い掛かってきた。「さっきは、よくもやってくれたな!」

「うわっ!」

男が放ったパンチを間一髪躱した。

しかし、次の瞬間、俺は、もう一人の男に体をがっちりホールドされてしまった。

「これで身動きできねぇよな、クククッ」

「さ〜て、たっぷりとお返ししてやらなきゃなっ!」「ぐはぁ!」

男が放ったパンチが腹部にめり込む。ものすごい痛みに咳込む。それと同時に全身から力が抜ける。

「げほっ、げほっ……」

「へっ、こんなもんじゃすまねぇよ。オラッ!」

「クッ!」

続け様に蹴りとパンチを繰り出してくる。当然捕まってるため、反撃も防御も出来ない。幾度無く繰り返される攻撃に段々意識が朦朧としてくる。

…下手したら死ぬかもしれないな…。でも、Mikuを助けることが出来てよかったな……。

そして俺は、そこで気を失った。また目覚めることが出来るかは、分からないな……。


まだ風邪っぽいんで次の投稿は、二日後くらいになるかと…。


出来次第投稿します。

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