S・O・S〜02〜
はい、という訳で三話目です。
では、どうぞ!
〜Rinルート〜
−Yusuke−
Rinとの生活が始まって1週間が経った。お互いに最近徐々に打ち解け合うことができてきている。
また、一緒に過ごすうちに彼女の性格も段々分かってきた。
まずRinはものすごく掃除、洗濯など家事が上手い。几帳面で、やることすべてに関して隙がない。見ているこちらもすごく気分が良くなる。自分で『掃除、洗濯とかは任せて下さい!』と、胸を張って言っていただけのことはある。
また、料理もとても上手く、特に卵料理が得意で、この前なんて朝昼晩三食とも卵料理のフルコースだった。まぁ正直しんどかったけど、食事のバランスは摂れている。料理下手な俺はとても助かってる。
逆に心配な面がある。彼女はドジなところがあって、この前は俺の鞄につまずいてオムライスをひっくり返し、そのあとスリッパにつまずいて転んだ。大変な感じだが、それはそれで愛嬌があってかわいいと思ってしまう俺がいる。
そんなこともあるが、Rinにはとても感謝している。なんか俺にも出来ることがないか探しているが、なかなか見つからない。というのも何をやってもRinの足を引っ張ってしまう。そんな不安が心の内にあるからだ。仮に何か役に立てていたとしても、それはホント些細なことしかないのだ。
「なんかないもんかなぁ」そう昼休みに頭の中で考えていると後ろから女性社員二人の会話が聞こえてきた。
『この前ね、彼から綺麗なブレスレットもらったんだ〜』
『もしかして今つけてるのがそれ?すごくかわいいよ!』
『ありがとう。私ももらった時ホント嬉しかったんだよね』
『いいな〜。そんな彼が居るなんてうらやましいよ』
…贈り物か。確かに貰った方は嬉しいし、こちらの感謝の気持ちを伝えるのに、最適な手段だと思う。
一つの方法として頭に入れておこう。そうしてるうちに、昼休みが終わった。
「おかえりなさい!雄介さん」
家に帰ると、いつものようにRinが笑顔で迎えてくれた。因みにRinには俺のことを名前で呼んでもらうことにした。「ご主人様」って呼ばれるのは性に合わないからね。
居間に入ると、晩飯の準備が出来ていた。今日は豚の角煮。とてもおいしいそうだ。席について二人で食べはじめた。
「ごちそうさま」
「お粗末さまでした」
晩飯を食べ終え、ソファーに腰掛ける。Rinは今食器を洗っている。
……よし。
「Rin、ちょっといい?」
Rinが仕事を終えたのを見計らって声をかける。
「はい?」
俺の前まで来たRinを俺の隣に腰掛けさせる。
「どうしましたか?」
「Rinにこれを渡したくてさ」
そう言って、向日葵の髪飾りを渡す。
Rinは不思議そうに俺を見ている。
「…あの、これは?」
「いつもお世話になってるし、感謝の気持ちを込めて君にプレゼントしようと思ってね」
「いいんですか?」
「全然いいよ。付けてみてよ」
俺はRinの髪にそれを付けてやる。
「凄く似合ってるよ」
「ありがとうございます!すごい嬉しいです!」
Rinは満面の笑顔で答えた。喜んで貰えてよかった。そう思っていると、しばらくしてRinが話しかけてきた。
「あの、一つ私のお願いを聞いて頂けますか?」
「え?あぁ、いいよ」
俺が出来ることがあるならば、可能な限り聞いてあげたいからね。
「では、目を瞑ってください」
そう顔を赤らめて言ってきた。
目を瞑る?変なお願いだけど、まぁ簡単なことだからとりあえず言われた通りに目を瞑った…。
今日もう一話投稿出来そうなので頑張りたいと思います。
ではでは