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S・O・S~11~

な、なんとか間に合った……。

というわけで12話です。

~共通ルート~


ーYusukeー


今日は日曜日。昼下がりの空は晴れていると言うのに、秋の肌寒い風が吹いている。そんな中、俺は居たくもない駅前にいた。

じゃあなんで駅前にいるかって?それは…、

「オーイ、前田」

松本を駅まで迎えに来たのだ。

松本は、ジーンズに黒いジャケットというベイシックな服装をしている。そういえば松本の私服姿を見るのは初めてだ。なんか新鮮な感じがする。

「悪いな。わざわざ迎えに来てもらって」

「道が分からないんだ、仕方ないさ」

「いや~、前田の家初めてだ。なんか楽しみだな」

「そ、そうだな…」

結局、松本を俺の家に招くことになった。色々言い訳やら何やら考えたけど、どれもダメだとか思ってる内に週末を迎えてしまった。別に家に来て欲しくない訳ではない。俺が気にしているのは、RinとMikuのことをどうやって説明すればいいのかということだ。その二人に松本が週末に来ることを話すと、

「お客さんですか?なら、しっかりおもてなししないと!」

「そうだね。という訳で雄介さん、お客さんのことは、私とRinに任せてください!これもメイドの仕事なので」

…とまぁ、こんな風にスイッチが入ったしまった訳で…。

因みに、二人にはいつものメイド服やナース服ではなく、この前買った私服を着てもらうことにした。じゃないと説明が面倒くさくなるからね。








駅からしばらく歩いて俺の家に到着。

「うおっ、デカイな前田の家」

「まぁな。さて、入ろうぜ」

「ああ、お邪魔します」

ガチャッ

松本は玄関のドアを開けた。

「いらっしゃいませ!」

Rinが元気に迎える。

しかし、松本は無言でドアを閉じた。

「前田、お前家間違えたろ?」

「いや、間違えてねぇよ!」

「じゃああの可愛い女の子誰だよ!?」

「えーと…」

メイドの星から来た俺のメイドです。

…なんて言えるわけもなく……。

そこにRinが出てきた。

「どうしたんですか、雄介さん?中に入らないんですか?」

「あ、ああ、今入るよ。さ、松本」

「お、お邪魔します」

Rinが俺の名前を呼んで納得したのか、松本は俺の家に入った。








「いらっしゃいです」

居間でMikuが待っていた。

「どうぞ松本さん、座ってください。

雄介さん、飲み物持ってきますか?」

「ああ、じゃあRin麦茶お願いできるかな」

「了解です」

Rinは、キッチンへと向かった。

「松本さん、いつも雄介さんがお世話になってまーす」

「あー、こちらこそお世話してます」

松本は困惑しているのか、言っていることが意味不明だ。

「お待たせしました」

Rinが麦茶を持って戻ってきた。

「ありがとうございます?」

なんでそこで疑問形なんだよ…。

松本は出された麦茶を一口飲んで、口を開いた。

「あのー、そこのお二人さんは、前田とどういう関係で?」

そうRinとMikuに問いかける。

俺は、あらかじめこう聞かれたら俺のメイドだとは答えないで俺の親戚だと答えて欲しいと言った。理由は、ただ純粋に恥ずかしいからということにした。まぁあながち間違ってはいない。

すると、Rinが口を開いた。

「えーと、雄介さんの……下僕?」

「……え?」

おい、ちょっと待て…。

「違うよRin、雄介さんの……奴隷?」

「……はい?」

「ちょっと二人とも何言って……」

「前田……」

俺が誤解を解こうと口を開いたとき、松本は俺の肩に手を置いて、穏やかな表情で俺を見る。

「自首しよう」

「何言ってんだテメーは!」

「心配するな、誰が何て言おうと俺は、お前の味方だ」

「違うからね!下僕でも奴隷でもないからね!?」

「二人とも大変だったね。大丈夫、これからは自由に生活できるから」

「だ~か~ら~、俺の話を聞けやぁぁぁ!!」










「なるほど、じゃあRinちゃんとMikuちゃんは、この変態鬼畜野郎の前田の親戚……悪かった!わ、分かったからその拳をしまえ!」

「ったく…」

俺は、話を聞かないこのバカを一発殴って、静まらせた。

…にしても、二人は何であんなことを言ったんだ?まぁ何にせよ、後でお仕置きしなきゃな……。

あれ、今俺鬼畜野郎じゃね?

「松本さんは、仕事場ではいつも雄介さんと居るんですか?」

Mikuが松本に質問する。

「ああ、そうだよ。こいつは俺が居ないと何も出来ないんだ……っ痛ぁ!?」

「そこ誤った情報を教えるんじゃねぇ!何も出来ないのはお前だろ!」

「確かにそうだけど、叩くことないだろ!」

「嘘をつく松本が悪いだろ!」

「ちょっとカッコつけたかったんだよ!」

「しょうもねぇな、おい!」

俺たちが不毛な争いを繰り広げてRinが口を開いた。

「あはは、雄介さんと松本さんホント仲がいいんですね」

それに続けてMikuも、

「喧嘩するほど仲がいいって言いますしね」

「「仲よくねぇ!!」」

そんな茶番を繰り広げていた。











「美味しいねコレ!」

「ありがとうございます」

日も傾き、寒さを増した今、俺たちは晩飯を食べている。松本も一緒だ。今日の献立はRinが作ったオムライスだ。松本の様子を見る限りRinの料理をすごく気に入ったみたいだ。

「毎日こんな美味しい料理が食べられるなんて前田は幸せだな」

「はは、まぁな」

「良かったね、Rin」

「うん!」

和やかな雰囲気で楽しい一時だった。









「今日はごちそうさんでした。ありがとな」

「ああ」

俺は松本を見送りに玄関に来ている。

すると松本が申し訳無さそうに口を開いた。

「前田…。あの、なんかごめん」

「…いや、俺も悪のりしたし、気にしてないよ」

「そうか…。じゃあまた明日」

「おう、おやすみ」

こうして松本は帰って行った。

俺は家の中に入り、居間へと戻った。

「これなら、あの松本でも罪悪感を覚えるわ……」

そこには、

「あはは、もう飲めましぇん…」

「私も~。……ひっく!」

酔っぱらったRinとMikuが寝っ転がっていた。

晩飯の後、俺と松本は酒を飲み始めた。酔いが回ってきた頃、松本が、

『二人も飲みなよ~』

と言った。

いつもなら止めている俺だが 酔いが回っていたもんだから悪のりして…、

『そうだ~、飲め飲め~』

それでも二人は断り続けたが、俺と松本は半ば強引に飲ませて、その結果がこうだ。

「どうしたもんかな~……」

後になって自分の行動を悔やむ。

たぶんこの二人は明日二日酔いだな……。










翌朝……、

「はい、二人ともお水」

俺は、布団の上でダウンしている二人に水を渡す。

「う~…、あ、ありがとうございます…」

「ありがとうございます……うっ…」

俺は、その日仕事を休んだ。今の二人を放ってはおけない。松本に電話してその事を伝えると、その方がいいとのこと。チーフの方にも連絡入れたし大丈夫だろう。

「二人ともなんかして欲しいことあったら何でも言ってね。俺のせいでこうなったんだから」

「……はい…。あのじゃあ…」

「添い寝してください」

「うん、いいよ」

俺は二人の間に寝っ転がった。

「えへへ…」

…全く、二人とも甘えん坊だな。まぁそこが可愛いんだけどね。ただ…、

(やっぱちょっと酒臭い…)

そんなことを思いながら俺も目を閉じた。













その頃…。

「おかしいなぁ~、確かこの辺のはずやのに……」

一人の少女がある場所に向かおうとしていた。

「一体どこなんや、ウチのご主人様の家は……」

お酒は二十歳になってから。


次もちょっと時間あきそうです……。




9/14追記

今週中にはあげます。

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