S・O・S~10~
や、やっと出来た……。
遅くなりました。11話です。
それでは始まります。
〜共通ルート〜
−Yusuke−
秋の冷たい夜風が辺りに吹き渡っている。その風で紅葉を舞っているのを見ると、冬の訪れが感じられる。そんな中、俺は暗い夜道を歩いている。そして隣には…
「いや〜、今日も疲れたな。なぁ雄介」
「お前今日は、ほとんど仕事してないだろ」
俺の悪友、松本正紀が並んで歩いている。
俺は、松本に誘われ、松本の家で飲むことになった。勿論、RinとMikuにはこの事を早い段階で伝えているので、夕飯には影響は無いだろう。
…そういえば、俺は最近、Mikuとの関係に変化があった。主従から恋人へ――。でも、俺には既にRinが居た。しかし、Rinは俺とMikuが恋人と言う関係になることを認めてくれた。これは、後からMikuに聞いた話だが、Mikuは俺に告白する前、Rinに相談していて、その時既にRinは、このことを承諾していたらしい。
『私は、Mikuと雄介さんが大好きだって言う気持ちを共有したいんです』
と、言っていたみたいだ。…ホントRinらしい考え方だなと思った。
ちなみに、Rinの時も同じだが、恋人になったからと言って、これまでと生活の何かが変わった訳ではない。でも、お互いさらに親近感を抱くようになったので、俺たちは今までより、とても有意義な毎日を送っている。
「どうした?考え事か?」俺の様子が変だったのか、松本が話し掛けてきた。
「え?あーそういえば、俺松本の家に行くの初めてだなー、と思ってさ」
「あ〜、そういえばそうだな」
俺は、松本にこう言って、適当に誤魔化した。Rinとか、Mikuの事考えてたなんて、口が裂けても言えない。
それから少しして…
「さぁ、着いたよ」
「ここが松本の家か」
俺たちは、程なくして松本の家に到着した。どこにでもありそうな、ごく普通の家で、大きさは大体俺の家と同じくらいだ。
「なぁ、お前って一人暮らしだっけ?」
「ああ、そうだよ」
「ちょっとデカすぎるんじゃないか?」
…俺が言えた立場ではないが……。
「よく言われるよ。まぁ、中に入れよ」
「お邪魔します」
松本に続いて家へと入る。「やっぱすごく綺麗だな」「目につく所は毎日掃除してるからね」
……そう、松本は、ものすごい綺麗好きで、それは、同僚の中でも有名だった。会社の机の上は、誰でも色んな物が散乱しているものだが、松本の机だけは、綺麗に整頓されている位だ。…普段の様子からは、全く想像がつかない。
「…今俺に対して失礼なことを考えてなかったか?」「いや、別に何も」
こいつは、変な所に関して勘が鋭い。
「まぁいいや。そこら辺に腰掛けて待っててくれ。今飲み物持って来る」
「ああ、分かった」
俺は、近くのソファーに腰掛ける。
少しして、松本が台所の方から姿を現した。
「お待たせー。ビールとつまみ持ってきた」
「おう、そんじゃ、飲もうか」
「そうだな」
松本もソファーに腰掛け、グラスにを注ぐ。
「「乾杯!」」
仕事の疲れを癒すため、俺たちは、ビールを飲み始めた。
「ホント、チーフの野郎マジムカつくよな」
「全くだ。ことあるごとに、大量の仕事押し付けやがって」
飲んで酔いが回りってくると、始まるのは愚痴りである。日常生活、上司への不満等々…。
「いや〜、久しぶりにスッキリしたよ。
…おっと、そろそろ帰らなきゃ」
時計を確認すると、9時30分を回っている。早く帰らないと、二人が心配するし、休むことも出来ないだろう。
「そうか。いや〜、昨日は付き合ってくれてありがとな、前田」
「こっちも誘ってもらえてよかったよ」
「もし機会があったらまた飲もうや。今度はお前の家で」
「そうだな………え?今なんて?」
「いや、今度は前田の家で飲もうって」
「……いや〜、それはちょっと…」
だって、こいつが家に来たら、RinとMikuの存在がばれちゃうし、何より松本のことだから、会社で『こいつ家に二人の女の子居るんだぜ』みたいに言い振らすかもしれない。そんなの恥ずかし過ぎる!
「え〜、どうしてだよ」
「どうしてって言われてもな…」
「なんかやましいことでもあるのか?」
…二人の可愛いメイドさんが家に居ます。
「いや、そんなことは無いけど…」
でも、そんなこと口が裂けても言えない。
「じゃあいいじゃん!決定!」
「あー、うん、そうだな」これ以上粘って、変な噂を立てられたら困る。仕方なく、俺は、今度松本が家に来ることを承諾した。
「そうだな〜。今度の休みとかどうだ?」
「あ、ああ、そうするか」「了解。楽しみにしておくよ」
「そうか。それじゃ俺はそろそろ」
「おう、じゃあまた明日」俺は、松本の家を後にした。
『おかえりなさい、雄介さん』
「おかえりなさ〜い」
「ああ、ただいま」
家に帰ると、RinとMikuが迎えてくれた。
「お風呂沸いてますよ。すぐ入りますか?」
「そうするよ。
風呂から上がったらすぐ寝るから、二人とも先に休んでてもいいよ」
『いいんですか?』
「うん、大丈夫だよ」
『それじゃあお言葉に甘えさせてもらいます。行こう、Miku。それでは雄介さん、お休みなさい』
「お休みなさい、雄介さん」
「おやすみ」
二人は自分の部屋えと向かって行った。
「さーて、さっぱりして、早く休みますか」
俺は風呂場へ向かった。
俺は風呂から出た後、明日の準備を済ませ、今はベッドの上に居る。
「さて、どうしたものかな…」
正直言って、松本に二人の存在がばれて困ることは、ほとんどない。でも、会社の同僚に知られてしまうのは恥ずかしくて…
「はぁ、考えても仕方ないか…。とりあえず、今日はゆっくり休もう」
俺は、布団に入り込み、目を閉じて眠りに就いた。
なるべく早くでかします。
遅くとも今週中には