重き戦鎚、決めた覚悟
薄暗い訓練場に響く金属音。綾瀬セイラは重くごつい戦鎚を振り回しながら、汗を拭った。
「まだまだだな、聖女様」
厳しい声と共に、初老の魔法使いが冷ややかな視線を送る。
その傍らで、静かに見守る若き魔法使いマリアがそっと声をかけた。
「焦らないで、セイラ様。あなたにはまだ知らない力がある。私が一緒に見つけてあげますから」
マリアの優しい言葉に、セイラは小さく頷いた。重い戦鎚を握り締め、彼女は少しずつ確かな動きを身につけていく。
数日後、セイラの成長を見た初老の魔法使い――祖父は複雑な表情を浮かべ、マリアに告げた。
「お前の甘さが聖女様を駄目にすると思っていたが…少し見直した」
その言葉の裏には、秘めた心配と葛藤があったのだった。
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セイラは、まだ見ぬ力を探るように、日々訓練に励んでいた。
戦鎚の重さに身体は悲鳴をあげそうになるが、それでも諦めることはできない。
「こんな重い武器…私に扱えるのかしら?」
何度も自問しながらも、拳を強く握りしめた。
「でも、これが私の使命なら――逃げられないわ」
一方、初老の魔法使い――セリオンの目は常に厳しく、時に冷たくセイラを見つめていた。
「そんな力で戦えると思うのか、甘い」
その言葉に、セイラの胸は締めつけられた。
「……私は甘くない。まだ何も知らないだけ」
心の中で呟き、目の前の訓練に集中する。
しかしマリアだけは違った。
「セイラ様、あなたは一人じゃない。私たちがついている」
その言葉に、セイラは少しだけ頷いた。
「ありがとう、マリア。あなたがいてくれてよかった」
ある夜、マリアはセイラを連れて秘密の場所へと案内した。
そこには、祖父も知らない古代の魔法陣がひっそりと眠っていた。
「ここで、あなたの真の力を解放しましょう」
マリアの瞳は真剣そのものだった。
セイラはゆっくりと魔法陣の中心に立ち、その戦鎚を握りしめる。
「真の力…、怖いけど、逃げない。私、聖女だから」
小さく呟き、深呼吸をして目を閉じた。
果たして、彼女の潜在能力はどこまで開花するのか――。
召喚時には発動しなかった真の力…それは一体どのような力なのだろうか…!
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