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図書館では静かにするべきだ、つまり静かにできないなら出て行くべきである

 フォーゲルシュタット王城図書館にて。


「ルーグ、いい加減切り替えなさいよ。」

「アルエット様……そうは言いますが、あまりに急な話ゆえそう簡単にはいきませんよ。」


 まあ、無理もない話だ。彼の家は曾祖父の代に魔族との戦争で武功を挙げ、彼の祖父からは王城の護衛を取りまとめる役を任されている。ルーグもその例に漏れず幼い頃から私専属の護衛として鍛錬を重ねてきたが、裏を返せば彼は実戦経験が浅い。いきなり前線に飛ばされて魔族と戦えというのも酷な話だ。


「まあ、だからこそまずはじっくり情報収集ってわけだね。」

「こんなにのんびりしていて良いのでしょうか……?」

「ルーグ、敵を知り己を知れば百戦殆うからず、って言うでしょ。私たちは実戦経験浅いものコンビなのよ、念には念をいれてしっかり準備しなきゃ。」

「はぁ……。」


 ルーグはそう言いつつも、魔物図鑑が置いてある書棚に向かった。



 数時間ほどが経った。フォーゲルシュタット周辺の魔物の知識もある程度集まり、そろそろ仲間を増やしたいと思った頃合、歴史書を読んでいたルーグが唐突に口を開いた。


「そういえば、フォーゲルシュタットってヴェクトリア女王陛下を称えた地名なんですよね。」

「ああ、240年くらい前にある鳥の魔族を滅ぼしたことから来ているらしいわね。」

「その時に妖精種ニンフェリムと出会い、その血を吸って今の寿命を得たと。」


 妖精種ニンフェリム――魔族が突然変異し、特異な魔力と血を持つものたちのことだ。この血はあらゆる病気と怪我を治すだけでなく、飲んだ者に永遠に近い若さと寿命を与える代物だ。


「お母様からそう聞いたことがあるわ。」

「んー、それにしてはそんなこと、どの歴史書にも書いてないんですよね。」

「えっ」


 ……いや、確かにお母様はそう言っていた。何より私とお母様自身が200年以上生きていることがその証拠。


「簡単さ、女王が歴史を抹消したんだ。」


 不意に響く、ルーグじゃない声。



 ……後ろを取られた!?二人して!?



 振り向くと、フードを被った大男が立っていた。といってもルーグとは違い、細身ですらっとした……否、無駄な筋肉のない均整の取れた肉体。だがその身体から放たれる威圧感に、しばし呼吸を忘れてしまっていた。そして迸る魔力は、男が人外のものであることを証明している。


「魔族がどうしてこんなところに……!」

「お嬢には触れさせん!」


 先に動いたのはルーグだった。男の背丈ほどある大剣を凄まじい速さで振り下ろす。が、彼の一撃はあっさりと片手で止められてしまった。


「物騒だね、こんな場所で振りまわすんじゃないよ。」


 刹那、その場にいた3名は、図書館から姿を消した。

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