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十四話

 男達は期待に胸を膨らませていた。


 合コンには誘った女によると、綺麗な人を集めたとのこと。


 どんな女が来るのか誘われた日以降楽しみにしていたのだ。


 男達は大きめの丸テーブルに座っていた。


 先に注文していた酒が届く。


 ちょうど男達が酒を飲もうとジョッキを持ったところ、やけに静かなことに気づいた。

 

 本来なら五月蝿いくらいに騒がしい酒場は時間が止まったと錯覚させるほどに静かになった。


 その理由は酒場の入り口を見るとすぐにわかった。


 この場には似合わない美しい四人の女性が時間を止めていたのだ。


 酒場にいる全員の目線が釘付けになっている。


 動いているのは彼女達だけだった。


 そのうちの一人がキョロキョロと何かを探してあたりを見回す。


 視線がこちらを向くと、迷いなく向かってくる。


 男達は自然と背中が真っ直ぐになった。


「今日の合コンの相手はあなた達で合ってる?」


 男達は今日の合コン相手の容姿を見て、歓喜の前に驚愕した。


 思考停止に陥っていたがなんとか声を振り絞って、


「はい」


 と返事をした。


「まずは自己紹介よね。私はマリー。よろしくね」


 マリーと名乗った女からは普通の女とは違う雰囲気を纏っていた。


 金色の髪に青い瞳。


 それだけならありふれているが、彼女から漂う高貴な雰囲気が彼女を只者ではないと男達に知らせていた。


「……カロ……リーヌ」


 次に紹介された女性も金髪だった。


 だが、それ以外に共通点はない。


 眼の色は赤く、身長は190cmもある。


 ただ、恥ずかしがっているのか、ずっと俯いたままであった。


 体格の大きさからは想定できない女性的な一面が男達の庇護欲を刺激した。


「ルイーズです」


 ルイーズと名乗った女性もカロリーヌほどではないが身長が高かった。


 彼女は褐色の肌に長い黒髪のストレート、黄色の目を持つ女性だった。


 背筋が伸びており、姿勢がとても良い。


 育ちの良さを感じられる。


「……ポーラです。」


 今にも消え入りそうな声で自己紹介したポーラは銀色の青い眼をした女性だった。


 恐らくだがこの中で一番若い。


 おとなしい性格なのか、恥ずかしがっているのか俯いたままだった。


 カロリーヌほど身長が高いわけではないので、覗き込まないと表情が見えない。


 そんなところがなんだか小動物に似ていて庇護欲が刺激されるタイプの女性だ。


「次は俺らの番っすね。俺はオーバンって言います」


「俺はブリュノ」


「僕は、セザール」


「自分はエドガールです。よろしくお願いします」


 こうして男性陣は緊張しながらも、合コンを始めていく。


 合コンが始まって一時間が経った頃、オーバン達、男性陣がトイレに立った。


「おい、どうするよ。全員綺麗じゃん」


「ああ、特にカロリーヌはいい」


「僕は、ポーラちゃんが好きかな」


「自分はルイさんが好きです」


「おお、全員被ってないとか俺ら息ぴったりだな」


「ていうことはオーバンはマリーさんがいいの? 」


「おうよ。あの気品さがいいね。自分の色に染めたくなる。まぁそんなことはいい。全員お持ち帰りするぞ! 」


「「「おう」」」


 意気揚々とトイレから出た、オーバン達を待っていたのは、先程までとは違う殺伐とした雰囲気を纏った女性陣だった。


 そしてその女性人の後ろには男性陣に見覚えのある女性達の姿があった。


 一気に顔が青ざめていく男性陣。


「どういうことか説明してくださる? 」


 マリーの重い声を聞いた男性陣はどうやってこの場から逃げ出すかを必死に考え始めた。

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