表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

山ン本怪談百物語

いるよ!

作者: 山ン本

こちらは百物語五十五話になります。


山ン本怪談百物語↓


https://ncode.syosetu.com/s8993f/


感想やご意見もお待ちしております!

 私がまだ幼稚園に通っていたころの話です。


 私は夜1人でトイレに行くことができませんでした。


 「お兄ちゃん、一緒について来て…」


 夜中にトイレへ行きたくなると、小学生の兄を無理矢理起こしてトイレに付き合ってもらっていました。


 「お兄ちゃんいる?」


 「いるよ!」


 このやり取りがうちの家の深夜名物みたいなものになっていました。






 ある日の夜、私はいつもと同じように兄を起こすと、眠そうな兄の手を引っ張りながらトイレへ向かいました。


 「お兄ちゃんいる?」


 「………」


 兄から返事がありません。


 さらに数秒後…


 「お兄ちゃんいる?」


 「いるよ!」


 兄がそう答えました。いつものように元気な声で…






 そして数分後…


 「ごめんね、お兄ちゃん」


 私はトイレを済ませると、すぐに外で待機している兄を探しました。


 しかし、兄の姿はどこにもありません。


 慌てて部屋へ戻ってみると、兄がベッドの上でいびきをかきながら眠っていました。


 「先に戻ってたんだ…」


 私はそう考えると、すぐに自分のベッドへ戻りました。






 翌朝…


 私は兄に昨日のことを問い詰めました。


 「なんで最後まで待っててくれなかったの?」


 兄はこう言いました。


 「だって眠かったんだもん。お前がトイレに入った瞬間、すぐベッドに戻ってそのまま寝てたんだ」


 私は驚きました。


 私がトイレに入った瞬間、兄は部屋のベッドへ戻っていたのです。






 それじゃあ、一体誰が私の声に返事をしたのでしょうか。


 あなたはわかりますか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 返事が返ってきたことは不気味ですが、一瞬でも主人公の恐怖心が和らいでよかったなと思いました。声まで似せてくるとは、怪異さん、やりますね。
[一言] 今思い返すとなんで怖かったのだろうと不思議に思います。 夜トイレに行っても何もないという学習ですかね。 それとも本能的に夜のトイレは怖いとインプットされているのかもしれません。
2021/10/25 05:13 退会済み
管理
[一言] 幼い妹が可愛い。あと、日常のちょっとした隙間に僅かに姿を見せる恐怖ってのがいいですね!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ