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33話『一緒に遊びましょう』

先日レファを屋敷に招いたが、今日は一緒にお花畑にピクニックに来ている。

今回は私、私の婚約者、レファ、ヨルの4人でここに来ている。




「なんで私まで...」



とどこかから聞こえた気がするが気にせず私はレファの手を掴んで綺麗な花が咲く花畑へと足を進めた。



「わぁ...すごい、です。きれいですね」



隣でレファが感嘆の息をつく。

私は彼女に微笑みながら言う。



「この季節は特に綺麗に花が咲くそうですよ?今日はちょうど満開のようですね」



「セレナ、この花はなんという花なのですか?」



彼女は少しはしゃぎながら花の名前を聞いてきた。



「リナリアという花ですね。花言葉は『この恋に気付いて』や『幻想』です。別名、姫金魚草とも言われるそうですよ」



「リナリア...かわいらしいなまえですね。ではこの花は?」



「それはツユクサという花です。『尊敬』、『恋の心変わり』や『なつかしい関係』などの花言葉がありますね」



どうやらレファは花が好きなようだ。

イヨ王国では世界各国の花を取り揃えているらしいのでぜひ行ってみてほしい。



「『A rose can never be a sunflower, and a sunflower can never be a rose. All flowers are beautiful in their own way, and that’s like women too.』」



ヨルが突然そう呟いた。



『バラは決してひまわりになれないし、ひまわりは決してバラになれない。全ての花は自分なりに美しく、それは女性のようなものだ。』



日本語訳するとそんな意味になったはずだ。

確かファッションモデルの名言の一つで、咲が好きだった言葉だ。



「え...あの、それは何語なのでしょうか?」



「レファ、気にしないで大丈夫ですよ。独り言ですので」



きっとヨルは咲のことを思い出したのだろう。

私も花を見ると時々彼女のことを思い出すことがあるから彼の気持ちはとても分かる。

彼女は花が好きだった。



『花は逃げないし、いろんな色があって綺麗だよね』



いつしか彼女はそう言っていた。

私は彼女のことを思い出していると私の婚約者が聞いてきた。



「俺もその言語は知らないな...いったい、どういう意味があるんだ?」



「『バラは決してひまわりになれないし、ひまわりは決してバラになれない。全ての花は自分なりに美しく、それは女性のようなものだ。』という意味があるそうですよ」



「なるほど...それで、なぜ突然ヨルディード・スティードはそれをつぶやいた?」



ヨルは少し困った顔をしながら答えた。



「ヨルでいいですよ。...そうですね、そんな言葉を昔聞いたことがあるような気がしまして」



「...おまえにもいろんなことがあったんだな」



珍しく失礼じゃないアーサーはそう言って目に影を落とした。

おまえに『も』ということはきっと彼自身にもいろんなことがあったのだろう。



その場のトークに完全に置いて行かれたレファは目をパチパチとしている。

私は彼女に笑いかけながら言う。



「花関連の言葉だと『Don’t wait for someone to bring you flowers. Plant your own garden and decorate your own soul.』というものもありますね。意味は『誰かが花を持ってくるのを待ってはならない。あなたの庭に花を植え、あなたの魂を飾りなさい。』という意味です」



彼女は手を叩いて瞳を輝かせた。



「すごい、いいことばですね!えっと、ドントウェイト...フォア?サムワンブリング、えっと...あ、フラワーズ?...セレナ、もういちどおねがいします」



「『Don't wait someone to bring you flowers. Plant your own garden and decorate your own soul.』です」



「『Don't wait someone to bring you flowers.』...えっと『Plant your own garden』...『and』...?」



「『decorate your own soul.』ですよ。...その言葉も知っている気がします」



私が続きを言おうとする前にヨルが答えた。

アーサーは感心したように私達を見た。



「セレナもヨルも博識なんだな...見習わないといけないな...」



その後もレファは何度も何度もその言葉を復唱して完璧に言えるようになった。

帰る時には「お母様におしえにいきます!」といいながら元気に帰っていった。

第4章コンプリート率:8/32

総合コンプリート率:53/331


今回の名言はファッションモデルのミランダ・カーさんと、植物学者のルーサー・バーバンクさんの名言をお借りしました。

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