22話『友人との出会い』
新章スタートです!
今日は私の友人候補としてフォンドヴィラ公爵家の長男とスティード侯爵家の長男に会うことになった。
フォンドヴィラ公爵家の長男は現宰相の息子で、スティード侯爵家が現騎士団長の息子だ。
今回のメンツ的に何となくキャラが濃い気がする。
2人が家に着いたと聞いたので私はサロンへと向かう。
サロンの中に入ると2人の私と同い年ぐらいの男の子が座っていた。
そしてその2人のうちの片方の人がなぜか見覚えがある気がするのは気のせい...ではなさそうだ。
とりあえず2人の前まで行って笑って挨拶をした。
「お二人共今日はありがとうございます。お初にお目にかかります、セレナリール・ヴァルトキアです」
片方はすぐに挨拶を返した。
「こちらこそご招待して頂きありがとうございます。僕の名前はパドキラ・フォンドヴィラです」
もう片方は一瞬驚いた顔をしてから胡散臭い顔で笑う。
「...私はヨルディード・スティードです。お会いできるのを楽しみにしておりました、今日はお招きありがとうございます」
「お互い同い年なので呼び捨てでも良いでしょうか?」
「そうですね、確かに同い年ですから僕のことはドーラと呼んでください」
「それでは、私のことはヨルと」
「私のことはセレナと呼んでいただけると嬉しいです」
こうして私は2人の幼馴染ができた。
もう1人の幼馴染と出会うのはもうすこし先の話。
いくらか3人で話してからドーラは家の用事で少し早めに帰っていった。
つまり今はヨルと二人っきりで部屋にいるということだ。
私は今まで喋っていた口調を元の口調に戻して彼に笑いかける。
「久しぶりだね、ようちゃん。元気そうで何よりだよ」
少し扉が開いているので外に話が聞こえないように防音の結界を張ったので外に話が漏れる心配はない。
彼は私が元の口調に戻した瞬間に眉間にしわを寄せて黙り込み、頭を抱えた。
「...やっぱり君だったんだね、聖麗。なんとなくそうじゃないかって思ってたんだけど本当に聖麗だったとは思わなかったよ」
「私は最初に会った時に分かったよ、ようちゃんのような人は珍しいからね」
「...何が言いたいのかな?いちいち聞こうとは思ってないけど、僕の第二の人生の邪魔はしないでね?」
「私は君の人生の邪魔なんてしないよ...まあ、するとすれば私のその時の気分の問題だからね」
「なんで聖麗が一緒に転生してるの...もうやだ。前は咲がいたから何とかなったけど、今回は完全に無理そうだよ」
彼は何もかもを諦めた、もしくは絶望的といったような顔をしている。
そういえば、と思い私は彼に伝えたいことを伝える。
「ようちゃん...いや、ヨル。君に伝えておきたいことがあるんだよ、その内容というのはーー」
その話を聞き終わったヨルは溜息をついてから口を開く。
「...なるほどね、とりあえず分かったよ。君はまた何かやらかす気がしてたんだ、また何かを起こそうとしているの?それとも国に歯向かう気?」
「いや?単なる私の趣味だよ、私は探求心があるからね。それ以外に理由はないよ、ただ気になっただけだ」
「...そうでした、ソウデシタ。君はそういう人でしたね、良かったよ。もしこの国をつぶそうとしているのなら違う国に引っ越そうと思ったよ、とりあえずは安心...かな?」
「安心だよ、この国の王族はしっかりしているようだからね」
「...王族と会ったの?」
「まあ、そんなところだよ。優秀な人だったからこの国は安泰だね」
「そんなお婆さんが言うようなことを...ああ、そうか君はもう人生一周してるもんね」
「いや、していると言えばしているし、していないと言えばしていないね」
「僕は足りなかったよ、少しだけ時間が欲しかったかな...」
「何を言っているんだい?第二の人生は始まったばかりなんだ、きっといろんなことがこれから起こる...それが楽しみだよ」
彼はもう一度深い溜息をついてからふっと笑った。
「そうだね、楽しみ...かな....第二の人生...ね」
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