103話『みんなでピクニック』
長らく投稿をお休みさせていただきましたが、また毎日投稿を再開したいと思いますのでよろしくお願いします!
今日はみんなで野原に来てピクニックをしている。
メンバーは私、アミラ、レファ、アル、ヨル、アーサーの6人で来ている。
アーサーは正式にアミラの婚約者になったらしく、アミラに誘われてやってきたらしい。
「そういえば、アミラ達は来年王都にお店を出すみたいだね」
全員身内みたいなものなので私はこの6人でいる時は普段の口調で喋るようになっていた。
「そうなの!この世界のパンって柔らかくて美味しいけど種類が少ないじゃない?だから私とアーサーで新作のパンを作って売ろうと思ってるの」
アミラは自分が転生者だと隠さなくなり、決してひけらかすのではなく自然と前世のことを口につくようになった。
確かに前世の世界と比べてパンの種類はかなり少ないかもしれない、この世界にも転生者は100年に数人ほどいるそうで転生者が現れることでこの国、他の国も大きく発展してきたそうだ。
「新作のパンですか...どのようなものができるか楽しみです!」
レファは新作のパンを想像したのか目を輝かせてそう言う。
「そうだな...例えば亀の形したメロンパンとか、何かのキャラクターをイメージしたパンとかいろいろ作る予定だからぜひ食べてね!今度試作品持ってくるから2人とも試食してくれる?」
「もちろんだよ、ぜひ試作品を食べさせてくれ」
「嬉しいです!ありがとうございます!」
そんな感じで私達女子は野原に敷いたシートの上に座って次から次へと話をしている。
一方それぞれの婚約者は静かにティーカップを持って私達の会話を見ている。
「「「...」」」
どうやら3人は話すことが無いらしく、ずっと黙ったまま座っている。
私は立ち上がってアミラとレファにこう言った。
「そういえば、2人とも『精霊の森』に興味があると言っていたね?」
「...もしかして私達でも行けるの?」
勘のいいアミアは私の一言だけで言いたいことが分かったらしい。
アミラの言葉を聞いたレファは目を輝かせて両手の先を合わせた。
「セレナは行けるのは知っていましたが、本当にいけるのですか?!」
私は頷いて答える。
「ああ、もちろん。行けるよ」
そう答えると今まで黙っていた婚約者たちは目を見開いた。
先程まで感情を宿していなかった目は普通の輝きが宿っている。
「アル達も良くかい?」
私がそう聞くと3人とも興味があるのか首を縦に振って答えた。
『セレナ『精霊の森』に行くなら私も一緒に行きますよ』
急に表れたアルトールディはそう言った。
綺麗な銀髪をなびかせて出てきた美丈夫にその場の全員が驚いたが、すぐに私の契約聖獣だと分かると納得したようで元の顔に戻った。
アルは私に近づいてきて小さい声でこう聞いてきた。
「一応国内なんだよな?」
私は頷いて答える。
アルは考え込むように口の前に手を当てた。
「...セレナはどれぐらい行ったことがあるのかな?」
アルが考えている間にアーサーが聞いてきた。
私は今まで精霊の森に行った回数を頭の中で考える。
「確か...723回かな」
「ななひゃくにじゅうさん...凄いですね...」
レファは目を見開いて驚いた顔をしている。
私は完全に黙ってしまった友人達を見て口を開く。
「さあ、行くなら早くいこうか」
そうして私達は精霊の森に行くことになった。
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