100話『初等部4年になりました』
ついに100話目に来ました!まだまだ、話は続きますがここまで読んでくださった読者の皆様、ありがとうございます!皆さまのおかげでここまで投稿することができました。これからも頑張っていきますので宜しくお願い致します。
今日から私は初等部4年になる。
初等部に入ってからもう3年の月日をここで過ごしたことに驚いた。
こんなにも青年期の頃の時間の流れは速かっただろうか。
この数年は長いように思えて、意外と早かった。
学園について早々に初等部の新入生に囲まれたが、どうやら挨拶がしたかっただけらしい。
大分大人数で私の所に来たので恐喝か何かかと思ったが、完全に見当違いだった。
「なぜ、新学期から囲まれたのでしょうか?」
首を傾げながらレファに聞いたが、彼女はこう言った。
「セレナだからではないでしょうか?」
さも当たり前のことのように言うので、そういう物なのかと納得することにしておいた。
きっと彼女が作った『ファンクラブ』で何かしらの動きがあたったのだろう、私が口出しする必要はないようだ。
あと2年すれば彼女に会う日がやってくる。
私はそのために、少し準備をしなければいけないだろう。
来年は時間がなさそうなので今年のうちに少し動いていなければいけない。
私は決意を固めて新しい教室へと足を踏み入れた。
去年とは少し違うクラスメイトのメンバーだが、学年トップ常連はみんな同じクラスだ。
「ヨル、ドーラ。おはようございます」
いつも通り先に教室にいるヨルとドーラに朝の挨拶をする。
2人は何かを話していたようで目線を上げて私のほうを向いてそれぞれ挨拶をした。
「セレナ、おはよう。あ、伝え忘れてたけど、婚約おめでとう」
「おはよう、有意義な冬休みを過ごしたようで何よりですね?」
ドーラは素直に婚約を祝ってくれたが、ヨルはいつも通り私には厳しいらしい。
ヨルは「冬休みに遊んでないで、ちゃんと仕事をしたらどうだ?」と言っているのだろう、相変わらず回りくどい言い方だ。
「パドキラ様、お久しぶりですね。...ヨル様、えっと...その...」
レファはヨルのほうを向いて顔を赤らめてあからさまに何かあった感じだ。
どうやら、冬休みの間に進展があったらしい、仲が良いことは良いことだね。
「皆さん、今年もよろしくお願いしますね」
私はクラスメイトに向かって笑顔を向ける。
1、2...6人の令嬢が倒れたが、すぐに気を取り直したようだ。
「こちらこそ、よろしくお願いします!」
「わたくし、これからもセレナリール様と同じクラスになれるように頑張りますわ!」
「あ、えっと...よろしくお願いします...」
「よろしくお願いします。ヴァルトキア様、今年もいい成績を残していってくださいね」
「ご婚約おめでとうございます!今年も同じクラスになれたことが私にとっての至福です、これからもよろしくお願いいたします!」
「おめでとうございます、これからもよろしくおねがいします」
クラスのあちこちから挨拶が返ってくるのを眺めていた私は自然と笑顔になった。
私は良い仲間に出会えたのかもしれない、この前の騒動など全くなかったかのようにみんなが接してくれるこの空間はとても温かい空間だと思った。
これからも、この景色を見たいから。
私は未来を変えなければいけない。
私は再度決心したのであった。
第8章コンプリート率:34/45
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追記:作者の都合により、次回の投稿は10月4日(月)の0時とさせていただきます。