表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
137/155

94話『事件は終結へと向かう』

誤字訂正などは全ての話を書き終わってから始めようと思います。かなり酷い誤字はすぐに訂正いたしますので、ご了承ください。ブックマーク登録・評価ありがとうございます!引き続きよろしくお願いいたします。

静まり返った王宮で私達は対面して座っていた。



前には拘束されたアミラとアーサー、私の隣にはアルが座っている。

そしてその間をはさむように座っているのが国王陛下、その反対側に座っているのが王妃殿下だ。



「アーサー、お前がしたことは重い...分かっているな?」



威厳たっぷりの口調で国王陛下が口を開く。

アーサーは表情の一つも動かさずに口を開いた。



「そうですね」



たったそれだけの言葉を口にしたアーサーの感情は全く読めない。

再び部屋に静寂が訪れたが、すぐにアミラが口を開いた。



「...殿下はどうなるのでしょうか?」



きっと彼女にとってアーサーの今後の処罰が気になるのだろう。

国王陛下は少し目を見開きながら答える。



「そうだな...これだけのことをしでかしてくれたのだ、臣下は免れないだろうな。最悪の場合は死刑という手もある」



アミラは目を見開いて今にも泣きそうな顔になる。

拘束された両手が握りしめられるのがこちらから見えた。



「...陛下、ご提案があります。よろしいでしょうか?」



国王陛下はふむと考えてから「言ってみろ」と言う。

アミラは私のほうを見たがそれも一瞬のことで、すぐに視線を陛下のほうへ移した。



「私は、『転生者』です」



なるほど、彼女は自分が『転生者』だから転生前の技術をこっちの世界の人に教える代わりにアーサーを助けてほしい、と言いたいのだろう。

その場に座っていた人たちは三者三葉の表情を見せた。



国王陛下と王妃殿下は目を見開いて驚いた。

アーサーは「なぜ今まで言わなかった?」という顔でアミラを見た。

アルは相変わらず無表情を極めていた。



「知っているよ」



誰も彼女の言葉に答えようとしないので私は口を開いた。

しかも、令嬢らしからぬ元口調で話し出したのには理由がある。




「君は坂本(さかもと) 愛美(あみ)、そうだね?」


私は確信をもってそう言った。

アミラは目を見開いて「...なんで...」と答える。



「テレビでよく君が出演しているドラマを見ていたからね。さっきの演技と言い、今までの演技といい、昔...いや、前世の君にそっくりだ」



アミラが息を呑む音が聞こえる。

どれだけ彼女は驚いたのだろうか、私が逆の立場だったらかなり怖いかもしれない。



しかし、私は小さいことから人を見分ける能力に長けていた。


少しの間だけ『本家』のボディーガードとして働いていたことがあるほどだ。



「...セレナ、それはどういう事だ?」



頭をフル回転しているらしく、アルが一番最初に口を開いた。



「私も『前世持ち』いわゆる『転生者』だからね」



そこでやっと黙っていた国王陛下が口を開いた。



「...なるほどな、そういう事だったのか。では、セレナ。お主に処罰を任せるとしよう、きっと私以上にいい案があるのだろう?」



私は口の端を上げた。



良かったな、アーサー。君の願いが今叶うみたいだよ。




私は心の中でそう呟いた。






ようやく彼女達は長年望んでいた未来を掴めるのだ。




それなら、解放しよう。

ただし、条件はしっかりと付けるよ。




私は心の奥底でほくそ笑んだ。










「アミラとアーサーは平民になればいいんじゃないかな?」

第8章コンプリート率:27/45

総合コンプリート率:136/331

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ