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85話『やっぱり使えそうだ』

※ジュリウス視点です。

最近妹のセレナはやっと動き出したらしい。

何やら危険を察知したらしく、毎日のように『避難訓練』というものをしているらしい。






『避難訓練』というもののマニュアルを作成したらしく、この前見せてもらったところかなり興味深い内容だった。

『王都が火事になった時の対処法』や『魔物が街に現れた時の冷静な対処法』など一般人でも簡単に取れる対処法が事細かに書かれていたのだ。



私がマニュアルの複製を頼んだところ、快く快諾してくれたのでこれからの国の政策に使って行こうと思う。

この国の水面下では既に時期宰相と時期騎士団長の候補が決められていて、その候補に私とディオが上がっている。



セレナは恐らくそのことをルスあたりから聞いているので知っているはずだが、まったく話題に出さないということは彼女の『思い通りの未来』なのだろう。

一体これから彼女が何をやらかしてくれるかは見ものだが、できれば彼女はこの業界に残しておきたいところだ。




身内贔屓を抜きにしても妹は優秀だ。

だから、私としてはこの国の中心人物の中に彼女を放り投げて楽をしたいところだが、実際の所彼女が何を望んでいるかがわからない。




様々な報告資料を手に取りながらもこれからの未来のことを考える。





小さい頃から本当の兄弟のようにして仲良くしてきた従兄弟のウィルとクロも順調に私の補佐役として頑張ってくれている。

今も水面下では様々なことを話し合ってこれからのことを考え始めている所だが、私達に革命を起こすことはできないだろう。



革命は起こせないにしてもどのような種族でものびのびと生きれる世の中を作ってきたい。

そのためには現在の王族との連帯も必要だ、王族が政治に関与している限り決定権は向こう側にあるのだ。



どれだけのことをすれば王族達を納得させられるだろうか。




そう考えを巡らせているとある人が私の部屋にノックをした。

私が今いる部屋は学園でも人気のない場所を選んでいるのでここに人が来ることは少ない、と言うより兄弟しか知らないはずだった。




私が入出の許可を出すとその人は扉の向こう側から現れた。




一切感情の読めない笑みをしながらやってきた者は開口一番にこう言った。



「実は頼みごとがしたくて来たんだ」



何やら波乱の予感がしたが感情を表に出さずに続きを促す。

その者は肩をすくめてから口を開いて続けた。



「私が今やろうとしていること....わかるね?」



まあ大体は理解しているつもりだ。

私が頷いて答えると満足そうに相手も頷いた。



「君に頼みたいのは『手回し』だよ。頼めるかい?」



私は思わずため息をついてしまうが相手を追い払うようにしっしっと手で退出を促した。

仕方ないなと言う顔をしながらその者は扉から出ていく。








「これで私の温情も最後だよ」





誰に話しかけるでもなく扉のほうを向いてジュリウスはそう言った。

第8章コンプリート率:18/45

総合コンプリート率:127/331

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