78話『練習試合 魔法編』
今日は練習試合2日目だ。
今回の競技は『魔法』で全員参加で人が多いため、会場をいくつかに分けて同時並行で行われるらしい。
私達はSクラスなので昨日と同じ場所で行われるのだとか。
この会場にはSクラスとAクラスがいる。
途中からはこの第一会場で決勝トーナメントが行われるが、それはある程度人が絞られたあとにされるものなので午後にならないと他のクラスの人は来ないだろう。
Aクラスには数人しか友人がいないのでどんな人がいるか分からないが、昨日の試合を見る限りクラス全員全種目出場の予定らしい。
随分と気合が入っているので私達も負けるわけにはいかない、参加するなら優勝総なめできるようにやりたいと思う。
SクラスとAクラスしかいないと言っても、初等部から高等部までが全員いるので昨日よりも会場にいる人数が多い。
昨日は『剣技』だったので観客は来ても来なくても良かったのだ。
大体の人はクラスで出場者がいればその友人達が応援に行くという感じになっているので人数的には少なくなるのだ。
昨日は私が出場者としてなっていたためクラスメイト達は全員で応援に来てくれていたようだが普通はそんなに応援には来ないらしい。
クラスメイトは全員いたが、よく見ると学年全員いたようにも思えるがあまり気にしないほうがいいだろう。
お兄様達は全員Sクラスなので私と同じ会場なのだ。
元々お兄様達は学園で人気者のため観客が多いらしい。
魔法は一番ド派手にやれる競技なので彼らのファンの人達は全員見に来ているようだ。
昨日と同じように高等部6年から始めるため、私達初等部3年は最後のほうだ。
試合はどんどん進んでいき、またお兄様達は圧勝して優勝を掴んでいた。
私も本気を出そうか、と考えているとどうやらまた第二王子も優勝を勝ち取ったらしい。
彼は自分の得意とする炎と火の魔法を使ってかなり大きな魔法を使っているようだ。
それはパフォーマンスの一部だったようで、最後には花火を空に打ち上げて昨日と同じように観客がわっとなって歓声が上がっていた。
さて、ようやく私の番がきたらしい。
私は今のところそこまで魔法を他学年に人達に見せたことがない。
しかし、今回は割と真面目にやりたいとも思っているのだ。
どの魔法を使おうかと悩んだ末、『光』魔法を使うことにした。
十分派手だし、パフォーマンスとしては最適だろう。
水魔法とかけ合わせれば幻想的なものが作れるだろう。
私はどこでその魔法を出そうか考えた。
その結果できれば決勝で使おうと思ったのだ。
今回も運よく決勝まで勝ち抜くことができたのだが、またヨルが相手なようだ。
元々ヨルは私と並んでいつもどの教科も成績が学年2位なので彼が勝ちあがってくるのも考えれば普通なのかもしれない。
私はヨルが魔法を発動させるのを待った。
どうやらヨルは氷魔法を使うらしい。
それなら、私は火魔法も追加しようと思い、魔法を発動させた。
「ごぉぉおおお」という音と共に私の周りが水だらけになる。
「辞め!!!!!」
いつも以上に大きな声を出した審判の先生は私のほうに駆け寄ってきた。
どうやら、少しやりすぎたようだ。
試合の結果は私が優勝ということになり、観客席にいるレファのところへ向かうとクラスメイトに囲まれ賛辞を述べられた。
いつの間にかに違うクラスも混じっていたが、皆笑顔で喜んでいた。
いったいなぜ私以上に喜んでいる人が多いのだろうか?
私はその疑問を抱えながらもその日も早く目を閉じて明日を迎えた。
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