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74話『誰かの企み』

※???視点です。

誰もが寝静まった時刻に外に出て月を見上げる人がいた。



「もし私がここにいなければ、いいのかもしれないね」



その人はどうやら男のようで、少し声変わりしてきたような声で独り言をつぶやいた。

男は空に手を伸ばして綺麗に光り輝く『太陽の月』をただじっと見つめた。



「...さて、私が自由になったら何をしようか」



男は伸ばした手を握りしめて胸の位置に手を持ってくる。



「古着屋で働いてみるのもいいな...他には飲食店なんかも良いかもしれない」



男は一人暗いところで独り言を呟く。



「どうすればそんな自由な生活を送れるのだろうか...そうだな....」



男は考え込むように腕を組んで地面を見た。

地面には生い茂る草が風に吹かれて揺れているのだけが見える。



「...そうか」



ばっと顔を上げて何かを思いついた男は口の端を上げた。



「.....全て終わらせてしまえばいいんだ」



男は続ける。



「....何もかも、全て....今の生活さえも...」



握りこぶしを作ってパッと手のひらを開く。

そこからは金色の光が溢れ出した。



「...どうすれば、捨てられるのだろう?....どうすれば、いいんだ...」



また男は悩まし気に今度は口に手を当てながら考え出す。



「...ああ、そうか。父上を使おう.....上手くできれば私は晴れて自由の身だ...」



どうやら男は良い方法を思いついたようだ。

開いていた片手で空をはらうような動作をさせて金色の光を消すと男は歩き出した。



どうやら男はものすごく真剣にそのことを考えていたようで周りの音は全く聞こえていないようだった。

しかし、考えがまとまると元居た場所に足を進めだすと夜を生きる生物の音が次第に聞こえ始めた。



風も強く通り抜けていき、その風は男の髪を揺らした。





それから男は一言も発さずに暗闇の中に消えていった。








どうやら今日は満月のようで、辺りを明るく月が照らしていた。




誰もいなくなったその場所にはただ風が吹いて、草木が揺れる音だけがあたりに響いた。

第7章コンプリート率:14/14 コンプリート!第7章は終了です。

総合コンプリート率:109/331

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