71話『聖獣は山を散歩する』
※短めです。
「さて、契約も終わったことだし道を教えてもらえるかい?」
私は先程契約したアルトールディの方を見ながらそう言った。
すると彼は首を傾げながら言う。
『セレナ、貴方は食べ物を探しているのではないのですか?』
どうやら私がなぜここまで来たかをしっかりと理解しているようだ。
私はにっこりと笑いながら言う。
「そうだね、ここら辺で美味しい果実とかあるんだったら教えてほしいかな」
彼は考えながらも答えた。
『そうですね...ここら辺ですとシンの実とかカウトロの実などがありますね』
「なるほど...ではそれを取りに行こうか。ガウディ、ルーシュも来るかい?」
『私とこいつは精霊王の集まりに行かなければいけないんだ、すまないな。今回は辞めておく』
「わかったよ、じゃあまたね」
私がそう言うと『またね、セレナ』とガウディが言って2人は消えていった。
残されたのは突如現れた契約聖獣と私だけだ。
「さて、私達は実を取りに行こうか」
『そうですね、行きましょうか』
と言って私達もその場から動き始めたのだった。
「呼び方はアルトールディでいいかな?」
『ええ、それで良いですよ』
「ここにはよく来るのかい?」
『そうですね...山の奥をよく散歩していますね』
どうやらこの聖獣は良く山奥を散歩しているらしい。
だからここにある実を良く知っていたのだ。
私は実を回収しながらアルトールディと話すことにした。
今回収しているのはシンの実という甘い実と、カウトロの実という中身がランダムでいろんな種類のスープが入っている実だ。
どちらとも使えるので私はテキパキとその実を魔法で落としてそのままバックに入れていっている。
いい感じに3日分の食料が集まった。
「もうそろそろ、大丈夫そうだね。テントの方に向かおうか」
私がそう言って彼のほうを見ると彼も頷いて答える。
『そうですね、帰りましょうか。では行きましょう』
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